皆様、だいぶ遅れましたが、明けましておめでとうございます
今年も、歌に健康に~楽しい毎日でありますように~
さて、今年の1曲は…1月のカルチャー歌声広場の曲目から「冬景色」をお届けします。
さ霧(ぎり)消ゆる 湊江(みなとえ)の
舟に白し 朝の霜
ただ水鳥(みずとり)の 声はして
いまだ覚めず 岸の家
烏(からす)啼(な)きて 木に高く
人は畑(はた)に 麦を踏む
げに小春日(こはるび)の のどけしや
かへり咲(ざき)の 花も見ゆ
嵐吹きて 雲は落ち
時雨(しぐれ)降りて 日は暮れぬ
若(も)し灯火(ともしび)の 漏れ来(こ)ずば
それと分かじ 野辺(のべ)の里
文部省唱歌。作詞、作曲ともに不詳。初出は1913年発行の尋常小学唱歌教材第5学年用だそうです。
「さぎり」とは、漢字では狭霧と書くんですね!私は早霧と思いましたら、これは、「そうむ」と読むそうです。
霧の別称。秋の季語。初冬、秋には霧がかかっていた港に、その霧は消えて代わりに霜が降りるという冬になる情景を歌っているそうです。
「麦を踏む」は春の季語。冬の寒さに耐えて懸命に芽を出した麦を踏むことにより、茎や葉の成長を一時的に抑え、根の発育をうながすこと、また、霜柱で持ち上がった株もとや周りの土を踏み固め、凍霜害を防ぐ効果もあるらしいです。11月から2月に毎月1回行われるらしいです。
小春日は冬の季語。晩秋から初冬にかけての暖かく穏やかな日。春という言葉が使われていても、季節の春にはまだ遠い感じです。
かへり咲きは、冬の季語。桜、梅などの春の花が小春日和に誘われて時期外れてに咲く様子。
「雲は落ち」は、急に嵐のような風が吹き、雲が低く垂れこめている様子。通り雨のような時雨が急に降ってきて、日も暮れ、小さな家々が集まる里も暗く、灯りが漏れなければ里があることさえわからないほどの暗さを表しているようです。
小学生の頃は、ただ、大きな声で意味もわからず歌っていたような気がしますが、このように、童謡唱歌は、歌詞の内容も深く、なかなか簡単にブログで書ききれるものではありません。おそらく、専門の方々が深く研究、考察を繰り返されている事と思いますが、私は、ネットからの情報より、書き込んでいますので、間違い、補足等ありましたら、コメント欄にお願いします
それでは、歌いましょう
なお、「さぎり」の「さ」は接頭辞と思っていました。『広辞苑』で確認すると、その通りの説明がありますが、漢字では「狭霧」と書くことを初めて知りました。
子供時代を過ごした急斜面ばかりの山村では田んぼが成立しないので方々の山裾は麦畑と桑畑で覆われていました。そして、勾配のある麦畑で麦踏みを手伝ったことを思い出しました。ごはんもやや黒いイメージの麦飯(むぎめし)でした。特別な日に食べた白米がなんとも美しく美味しかったことも思い出しました。
童謡には、絵画的な意味合いのある言葉が多く含まれているのですね茂木さんの、実際に小さい頃に体験されたという文章を読ませていただいて、この冬景色の歌詞そのものの風景が展開されていることに驚きを覚えました。
このように小さい頃に口ずさんだ歌、それぞれじっくり味わってみるのも楽しいですね