秋の地に打たれし点のごとくわれ足なき風の先端に逢ふ
朝光と交はりながら掃除機に母はおのれの影を吸ひ込む
真夜ふかく刻み込まれてゆくわれか柱時計の闇を彫る音
死を<柱>と呼べる九段に並びをり戦知らざる横文字のビル
死してなほ過去は残れりのびやかな陽射しに蝉の抜け殻光る
欧米化ばかり夢見てアジアから剥がされてゆく瘡蓋 日本
朝光と交はりながら掃除機に母はおのれの影を吸ひ込む
真夜ふかく刻み込まれてゆくわれか柱時計の闇を彫る音
死を<柱>と呼べる九段に並びをり戦知らざる横文字のビル
死してなほ過去は残れりのびやかな陽射しに蝉の抜け殻光る
欧米化ばかり夢見てアジアから剥がされてゆく瘡蓋 日本