All my loving ♪

短歌と猫とポールマッカートニーを
こよなく愛しています

過去ログ88より

2005年11月01日 12時00分12秒 | 題詠マラソン
[17338] 034:背中 美里和香慧 2005年06月20日 (月) 01時15分
風よけに君の背中が良いんです 振り向かないでどうぞそのまま

[17339] 015:友 水須ゆき子 2005年06月20日 (月) 01時51分
友引の通夜に集いし嫗(おうな)らの黒きエプロンみな新しき

[17349] 092:届 史之春風 2005年06月20日 (月) 08時43分
届かない手紙があります物理的距離より遠い温度のひらき

[17363] 040:おとうと 和良珠子 2005年06月20日 (月) 15時14分
ただ一度母は告げにき自らの手で「始末した」おとうとのこと

[17373] 066:消 五十嵐きよみ 2005年06月20日 (月) 23時32分
消しゴムがふたりの間を行き来するたび少しずつ丸みをおびる

[17403] 063:鬼 三宅やよい 2005年06月21日 (火) 11時26分
缶蹴りの鬼置き去りのあの日よりわたしに濃くなる木々の夕暮れ

[17426] 066:消 みあ 2005年06月21日 (火) 21時49分
指先は音も笑顔も消し去ってまる結びしたわたしをほどく

[17435] 001:声 久野はすみ 2005年06月21日 (火) 23時41分
ひとりからひとりへわたす声のためひなげしの花ふるえやまざり

[17461] 079:ぬいぐるみ 前野真左子 2005年06月22日 (水) 12時36分
首くの字に折られてキリンのぬいぐるみ そうかおまえは<燃やせるゴミ>か

[17495] 050:変 林 ゆみ 2005年06月23日 (木) 00時54分
壊すのも翔ぶのも自分変わらない日々を選んでいるのも自分

[17509] 014:主義 内田誠 2005年06月23日 (木) 18時14分
美しい負け方ばかりを説いていた無政府主義者の放つ歌声

ありがとうございました

2005年04月09日 08時10分44秒 | 題詠マラソン
本日、無事完走することができました。
本当はもっともっとゆっくり詠むつもりだったのですが、
勢いにまかせて100首を駆け抜けてしまいました。
でも、とても充実した日を送ることができました。
癖になりそうです(笑

感想ブログに拙歌を取り上げていただいたみなさま、
本当にありがとうございます。
五十嵐さん初め、スタッフのみなさま、
本当にありがとうございます。
そして、一緒に走ってくださった方々、
本当にありがとうございます。

これからはのんびりと鑑賞を楽しませていただきます。

本当に、本当にありがとうございました。

「題詠マラソン2005」 (096~100) 

2005年04月09日 08時06分19秒 | 題詠マラソン
096:留守
留守にした部屋には留守にした分の静と寂とが待ちおり 我を


097:静
そして静かに引き汐の時は訪れるまだ乾きえぬ熱砂を残し


098:未来
折り返し過ぎた小さな未来図のまなかに君の似顔絵を描く


099:動
受動態ばかりじゃ恋はつまらない倒れこむまで能動態で


100:マラソン
あだしよの空から下りてマラソンのゴール地点に咲くさくら花

「題詠マラソン2005」 (091~095)

2005年04月09日 08時05分25秒 | 題詠マラソン
091:暖
揺りかごのようなあなたの腕のなか暖かな夢みる夢をみる


092:届
名の上に×を印され消えた人 ただ一枚の届書だけで


093:ナイフ
親指にあてたナイフの冷たさをふと思い出す遠き春雷


094:進
水の面を美(は)しく進めどみずからの描く波紋を抜けられぬ鳥


095:翼
ぬばたまの雲を突き抜け明日へと飛んでけよこの襤褸の翼

題詠マラソン2005 (086~090)

2005年04月08日 13時14分53秒 | 題詠マラソン
086:占
何ひとつ翳りを持たぬたんぽぽの花占いはいつも「大好き!」


087:計画
深海魚ほどの明るさ夜に灯す「明るい家族計画」の自販機(はこ)


088:食
ひっそりと拒食・過食をくり返す少女の鎖骨つたう哀しみ


089:巻
連綿と続く矛盾を包むがに春キャベツ巻く雨の土曜日


090:薔薇
きよらかな童は見たり手折られて紅匂わせる夜中の薔薇を

「題詠マラソン2005」 (081~085)

2005年04月08日 09時07分28秒 | 題詠マラソン
081:洗濯
曇天に今日のやる気の芽を摘まれでーでぽっぽと洗濯さぼる


082:罠
くちびるが愚かな本音告げる夜は罠となりたり優しささえも


083:キャベツ
軽トラの朝採りキャベツ 高原におらほおらほと春の音生む


084:林
形なきいのちいのちよ禾偏を抱いた林は火の色に炎(も)ゆ


085:胸騒ぎ
いつになく感謝ばかりを口にする君へ感じていた胸騒ぎ

「題詠マラソン2005」 (076~080) 

2005年04月07日 13時17分14秒 | 題詠マラソン
076:リズム
リズムなき音叉の風に揺らされて桜はしろき骨軋ませる


077:櫛
ささくれた心をとかす母の手は飴の色した櫛かも知れぬ


078:携帯
花かげに携帯できぬ過去をおき空の向こうへ消える春蝉


079:ぬいぐるみ
透明な時間の底に眠る子を起こさないよう泣くぬいぐるみ


080:書
割り算の余りのような春の午後 助動詞のない恋文を書く

「題詠マラソン2005」 (071~075)  

2005年04月06日 06時45分23秒 | 題詠マラソン
071:次元
異次元の瞳か合わせ鏡からわれを見つめるわれの鋭さ


072:インク
深海の暗さに澱む青インク春のひかりをかたく拒んで


073:額
身罷りしきみの額に手ふれればトルソーのごとしろき寂寞


074:麻酔
麻酔なく夏の夜に消ゆつかの間をわが痩身に宿りし蛍


075:続
留守電の君は己の死を知らずわずかな留守を伝え続ける

「題詠マラソン2005」 (066~070) 

2005年04月02日 17時19分02秒 | 題詠マラソン
066:消
金色のひかり消残るおおうみへ抱く人のなき裸身を還す


067:スーツ
スーツから湯気を立てつつ帰りくる君いとしくてスーツごと抱く


068:四
しあわせのほんとの意味もしらないで四つ葉さがしたゆうぐれの土手


069:花束
止めろとも好きにしなとも言えぬなら愚かな嘘を花束で打て


070:曲
一枚の極彩色の夏に立つ君を愛した裸婦の曲線

「題詠マラソン2005」 (061~065)

2005年04月01日 21時18分22秒 | 題詠マラソン
061:じゃがいも
子のためにあわれ盛りを摘まれゆくうす紫のじゃがいもの花


062:風邪
三月のどっちつかずの優しさに騙されてまたひどい風邪ひく


063:鬼
秋の野に半裸のままで老いてゆくかくれんぼうの鬼を探さな


064:科学
深みゆく科学の闇を見下ろして彼の人は今も舌を出すらむ


065:城
散華せし兵のたましい癒すごとさくら城址をながれてやまぬ