四百年以上をそこに座しゐたる石の仏のまろき立て膝
笹群の闇ざざめかせ吹く風を身にまたひとつ刻みて石は
ぬくもりを持たぬ仏の眸のやさしよるべなきこの叢にさへ
深緑の苔の天衣を身にまとひ石のほとけは永久に思惟す
目鼻口脆く欠けたる石仏を愛せしひとのモノクロのゑみ
笹群の闇を背負ひて動かざる仏は冬のひかりのごとし
笹群の闇ざざめかせ吹く風を身にまたひとつ刻みて石は
ぬくもりを持たぬ仏の眸のやさしよるべなきこの叢にさへ
深緑の苔の天衣を身にまとひ石のほとけは永久に思惟す
目鼻口脆く欠けたる石仏を愛せしひとのモノクロのゑみ
笹群の闇を背負ひて動かざる仏は冬のひかりのごとし