哀しき性欲
ひとりごちながら立ちゐる厨辺にしんしんと積むしろたへの冬
逝きし日とまたそつくりな雪が降るふたりをしろくしろく隔てて
哀しみの寄らば真つ赤に燃ゆるべし風に爆ぜたる真冬の柘榴
きみを詠む挽歌はあをき自慰に似てまた新たなる欲望を生む
われの愛だけしか知らぬ子よママは父とならざるひとを愛せり
想ひ出をなぞるだけでは満たされぬ立心偏に生と書く欲
くれなゐの肌うすらひに透かしゐて枯葉は散りし日のまま凍る
頑として未婚・既婚のどちらにも丸をつけずに出すアンケート
すぎゆきに深くうもるる愛ならば忘れぬやうにあなた産みたし
哀しみが哀しみを呼ぶ寒の夜はいのち継がざる快楽に落ちむ
(快楽=けらく)
ひとりごちながら立ちゐる厨辺にしんしんと積むしろたへの冬
逝きし日とまたそつくりな雪が降るふたりをしろくしろく隔てて
哀しみの寄らば真つ赤に燃ゆるべし風に爆ぜたる真冬の柘榴
きみを詠む挽歌はあをき自慰に似てまた新たなる欲望を生む
われの愛だけしか知らぬ子よママは父とならざるひとを愛せり
想ひ出をなぞるだけでは満たされぬ立心偏に生と書く欲
くれなゐの肌うすらひに透かしゐて枯葉は散りし日のまま凍る
頑として未婚・既婚のどちらにも丸をつけずに出すアンケート
すぎゆきに深くうもるる愛ならば忘れぬやうにあなた産みたし
哀しみが哀しみを呼ぶ寒の夜はいのち継がざる快楽に落ちむ
(快楽=けらく)