All my loving ♪

短歌と猫とポールマッカートニーを
こよなく愛しています

「題詠マラソン2005」 (036~040) 

2005年03月23日 22時41分11秒 | 題詠マラソン
036:探偵
真夜中にへたな猫語と猫缶で依頼の猫をさがす探偵


037:汗
全身に真夏の汗を光らせる原生林のような少年


038:横浜
適当なニックネームで呼び合った横浜駅の少女A・B


039:紫
「悲」と「恋」のはな咲き終えし紫の野にふりやまぬ千年の雪


040:おとうと
障害を持って生まれたおとうとが凛と見上げる手足なき月

過去ログ33より

2005年03月23日 17時54分52秒 | 題詠マラソン感想
[6410] 041:迷 足立尚彦 2005年03月13日 (日) 10時36分
地下鉄を出れば黙殺されそうで迷路のような古書店に入る

確かに古本屋には不思議な雰囲気があります。
古本屋を迷路と比喩したところに感性を感じます。

[6422] 046:泥 風花 2005年03月13日 (日) 10時55分
死の海の慈愛の泥に抱かれて眠る少年テロリストA

できるなら生きているうちに本当の慈愛を知ってほしかったです。

[6508] 006:時 本田瑞穂 2005年03月13日 (日) 16時14分
言いたかったことはおそらく時間差でやってくるからお茶にしましょう

感情が遅れてやってくることはたしかにあります。
お茶にしましょうとさらりとかわしたところが妙です。

[6539] 038:横浜 エクセレント安田 2005年03月13日 (日) 17時04分
横浜市 環境整備 事業団 みなと分室 総務課主任

見事なまでに整いました。

[6578] 033:魚 白玉だんご 2005年03月13日 (日) 17時41分
五歳児が「ブタのおしりのかたちした」木魚を寺で見きと語りぬ

ブタのおしりがかわいいですね。

過去ログ32より

2005年03月23日 08時42分38秒 | 題詠マラソン感想
[6223] 022:弓 mamaGON 2005年03月12日 (土) 21時16分
窓際の春の光を吸い上げて弓形に立つ緋のチューリップ

「吸い上げて」がチューリップをよく表していると思います。

[6238] 097:静 蜂田 聞 2005年03月12日 (土) 21時43分
蝉がギと短く鳴きて静まりぬ過ぎゆく夏の喘ぎなるべし

行く夏の寂しさ。
蝉の声を夏の喘ぎとしたところが見事です。

[6295] 017:陸 愛観 2005年03月13日 (日) 00時15分
日々波に浸食される陸のよう君に占められていく毎日

派手な言葉はありませんが、実によく分かる状況です。

[6334] 009:眠 斉藤そよ 2005年03月13日 (日) 01時36分
こだはりのなさそうな雪しんしんとしんしんと泣く君を眠らす

オノマトペが絶妙です。

[6339] 014:主義 斉藤そよ 2005年03月13日 (日) 01時39分
むづかしい言葉で言へば刹那主義 いま いま いま が つくる永遠

スペースが利いていますね。

[6355] 062:風邪 謎彦 2005年03月13日 (日) 05時14分
風邪ひきのミニーマウスは着ぐるみの裡にくしやみを堪(こら)へかねたり

中に入る方は大変でしょうね。

過去ログ31より

2005年03月23日 08時25分16秒 | 題詠マラソン感想
[6015] 059:十字 参田三太 2005年03月12日 (土) 06時53分
「チチキトク・・・」十字に満たず。通信細くふるさと遠き時代であった。

たった五文字が持つ重さ。

[6061] 012:メガホン 飛鳥川いるか 2005年03月12日 (土) 11時43分
絶叫のぬけがらとしてメガホンの月に抱かるる外野スタンド

観客が去った球場の静けさがよく表れていると思います。

[6078] 009:眠 仁村瑞紀 2005年03月12日 (土) 13時47分
海よりも深い呼吸を一度限(き)り 父は温もり残しつ眠る

その瞬間・・・。
もう一度呼吸してほしいと願う。
温もり残しつ眠るが悲しいです。

[6117] 039:紫 足立尚彦 2005年03月12日 (土) 15時45分
紫陽花がかるがる塀を乗り越えて乗り越えすぎてうなだれており

丁寧に観察しないとこういった細やかな描写はできません。

[6140] 031:盗 白玉だんご 2005年03月12日 (土) 17時13分
盗まれて戻りてまたも盗まれて戻り静かに眠る自転車

これでもかというほどのリフレイン。
自転車盗難の多さを感じられます。
今度こそ盗まれませんように。

[6162] 082:罠 行方祐美 2005年03月12日 (土) 18時10分
透明な罠もありなん菜の花の二月黄色に打ちのめされて

言葉の美しさにひかれました。

[6190] 014:主義 秋 2005年03月12日 (土) 19時54分
最悪なことに君って最高に純真な主義もっているよね

純真とは逆に人を傷つけるものなのかも知れません。