プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

エロチカ

2009-10-20 23:59:24 | SS



 どうしてこんなことになったのか、嘆きたくなるけど、他に選択肢が無いのだから仕方ない―そんな消極的な理由で私はまことの家に来ている。

「いい子だね、レイ」

 まことの声はいつもと同様優しく、そしていつもより少しだけ甘い。こんな時ですら、この人は優しい。
 まことの姿はいつもと変わらない。ただ、いつもは纏め上げられている髪を下ろして、それが一房顔にかかっている。そして、何の変哲の無い眼鏡をかけている。
 たったそれだけしか違わないのに、普段は母性を思わせる雰囲気が、奇妙なまでの色気を醸し出していた。知らなかった、この人はこんなにも違うものを纏える。
 レンズ越しに細められた目は、私を全て見透かしてしまいそうな底知れなさがあった。

「本当にいいのか?嫌ならやめていいんだぜ?」
「・・・いいって言ってるでしょ!」
「とか言いつつ震えてる」

 試すような言葉に、私はぶっきらぼうに返す。そしてそれに返された口調は穏やかなものだったけど、いつもと少し違う、確実に立場が上である者を意識させる響きがあった。
 まことはこの眼鏡をかけてから少しおかしくなった。私はおろか亜美ちゃんや美奈にまで手を出そうとして、挙句3人まとめて相手にするなんて言い出したのを何とか全力で止めたのはいいけれど、放っておくと何をするか分からない。他の人に手を出されるくらいなら、と私はまことを誘った。私自身今のまことに何をされるのかは怖かったけど、それ以上にこの人が他の方を向くのが怖かったから。

 どうしても、私はこの人が好きだから。

 私が腰掛けてるベッドの隣に、まことがゆっくりと腰掛けた。ベッドの軋む音だけで心臓が跳ねそうになり、それを表情に出すのを必死で抑えるが、まことはこちらを見ていない。その無関心振りが却って私の心に圧力をかける。
 勿論黙ってやられっぱなしでいるつもりは無い。何とか隙を見て眼鏡を奪うつもりで、彼女の動き全てに意識を集中させる。しかしそんなことは向こうも承知なのか、酷く無防備に見えて寸分の隙もない。
 相手が他の人なら何とかなったかもしれないが、彼女の場合力で敵う可能性は万に一つもない。つまり、失敗は許されない。
 そこではた、と気付く。今まで何で気付かなかったのか、いつだって彼女は私を受け入れてくれていたと言うことに。暴力は勿論ささやかな抵抗すら受けたことがない。
 それに気付いて、益々嫌な気持ちが心に染み渡っていく。沈黙に耐え切れなくて、こちらから声を出した。

「・・・何で、何もしないの?」
「あたしはあんたほどがっついてないんでね」

 返って来た言葉はしれっとしたものだった。さっきまで3人まとめて相手にするといった人間の言葉ではないけど、それでも自分の日頃の行動を思うとやはり胸が苦しくなった。異様な緊張感で、指一本すら動かすのが困難に思える。
 それでも私だって、全戦士一と言われる感覚の持ち主だ。心に糸を張って覚悟を決め、彼女の動く瞬間をじっと見張る。

「でも、ま、あんたは我慢できないみたいだし」

 そこでまことはようやくこちらを向いた。伏し目がちの睫毛は長く、細められた瞳は余裕さえ感じさせる。私は殆ど反射的に腕を彼女に伸ばした。勿論、眼鏡を奪う為―しかし、私の両手はすんなりと彼女の片手で捉えられ、あっさりとねじ伏せられてしまう。
 そして、私の額に額をぶつけた。両手を拘束されている状態で、皮肉なのか眼鏡が私の鼻に微かに触れる。近すぎるほどの表情は、やはり穏やかに笑んでいる。
 腕は、どれだけ力を入れてもびくともしない。

「だからがっつくなって。巫女さんがそんなに淫乱でいいのか?」

 からかうような言葉の次の刹那、全力で抵抗していたにも拘らず、私の体はおもちゃのように、ベッドにうつ伏せに押さえつけられた。両手は後ろに拘束されたまま、全く動かせない。枕に押し付けられた顔を何とか上げ必死に振り向くと、そこにはかつて無いほど残酷に笑むまことの姿があった。どくどくと嫌な汗が出る。
 私の手首を掴んで体を押さえているのはたった左腕一本なのに、殆ど体が動かせない。

「・・・っく!」
「巫女さんて言っても、今は制服か。あたしレイの制服好きなんだよな、可愛いし」

 まことはベッドと私の間に右腕を差し入れ、器用に片手で私の制服のリボンを外した。押さえつけた手首からめりめりと音がする。彼女が力を加えたのでなく、私が必死で逃れようとして、そしてそれが全く通用していないからに他ならない。

「前開きのセーラーだから、後ろ手にしたまま脱がせられるしな」

 そして、枕の高さのせいで少し反った背筋をいいことにまことは、やはり片手で簡単に制服のボタンを外していく。お腹はベッドについている筈なのに、ボタンでの繋がりをなくした布は引っ張れば簡単に素肌をあらわにした。素肌にシーツが触れる。そのまま強引に、下からブラジャーをたくし上げられた。

「っ・・・」

 まことからは制服の背中しか見えてないのは分かっているが、上半身を殆ど露にされ、あまつさえ強引に下着を外されたことで、擦れた敏感な部分が熱を持ってしまったことに頬が染まる。最後の抵抗とばかりに足をばたつかせてみたが、それもまことにのしかかられて、許されなくなった。

「は、離し・・・」
「誘ったのはあんただろ?」

 背中越しに聞こえる声は、乱暴な口調とは裏腹にやはり甘く優しい。そのまま制服の上着を脱がされると、後ろ手の私の両手首に固く結びつける。

「制服皺になっちゃうな」

 潜められた声は、心底残念そうだった。でも、どこか無邪気で残酷な響きも篭っている。そしてまことは完全に拘束されてしまった私をひっくり返す。首辺りに下着を残したまま露になった上半身が、彼女の体の下に晒された。
 まことは更に、私の手首を結びつけ、それでも余った袖の部分をベッドの縁にくくりつけた。
 ようやく、目が合った。

「そんなに睨むなよ。怖いじゃないか」
「・・・離しなさい!」
「自分から誘っといてよく言うよ。あたしにこうやって抱かれたかったんだろ?」
「・・・っく・・・」

 ぱちん、とスカートのホックをこれ見よがしに外される。何とか上半身を起こそうとするけど、ベッドの結び目は固くほどける気配は無い。そして、まことは、動けない私に、先ほど同様鼻がぶつかるほど近くに顔を寄せた。
 眼鏡が、目の前で皮肉に光る。

「・・・まこと、正気に・・・」
「さっきからレイ、あたしの眼鏡取ろうとして頑張ってたみたいだけど」
「・・・気付いてたのね」

 否定しても仕方ないので、せめて少しでも会話を伸ばそうと素直に認める。するとまことは、とでも、とても、見ているこちらがときめいてしまうほど、柔らかく笑んだ。

「残念ながら」

 何を言うのだろう。無駄な努力とでも言われて罵られるだろうか?と心のうちで想定し、何を言われても耐えうるように武装する。しかし、まことは次の瞬間―

「これはただのガラスの伊達眼鏡だ。あんたが思ってるようなものじゃない」
「・・・!?」

 全ての根底を覆す発言に、私は思わず目を見開いた。次の瞬間、私の視界は赤く染まる。私の制服のリボンで、目隠しをされたのだ。
 視覚がふさがれたことで鋭敏になった聴覚で、眼鏡のブリッジが軋み、つるが重なり、枕もとのキャビネットに軽い固形物が置かれる音を聞いた。

 ―眼鏡を、自分から外した?

 混乱する私の耳元に、吐息交じりの艶のある声が届いた。

「じゃあな、レイ。いい子にしてろよ?」
 
 まことが離れていく気配がする。腕をどれだけ動かそうとも、体はベッドにくくりつけられ動けない。耳に、扉が静かに閉まる音が届いた。
 
 そもそも私が一人でここに来たのは、彼女に他の人に手を出させない為だ。眼鏡を取ることは、実は二の次だった。
 それなのに、彼女は私を置いて、一体―拘束されている自分の置かれてる立場より、まことが自分から離れていく事実に、血の気が一気に引いていく。

 腕に食い込む制服は痛い。晒された胸元は寒い。消えていく気配は怖い。


「まこと・・・!」


 返事は、無い。
 私は、ただ、誰もいない部屋で呻くことしかできなかった。







           *******************



 前の「混戦」はまこちゃん鬼畜と言うよりただの女タラシだったのが自分の中で気になってたので。レイちゃんは放置プレイが一番堪えると思う(爆)眼鏡が伊達なのは果たして嘘かほんとか・・・
 鬼畜まこちゃんを書くのはものすごく楽しかったでs(ry

 書いてる途中コンセントが抜けてデータが吹っ飛んだブツでした。ちょっと話変わってしまった・・・orz
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