プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

子どもは親の思うようには育たない

2017-10-03 23:59:54 | 小ネタ






「ほたる」
「・・・・・・・・・」
「ほたる」
「・・・・・・・・・」
「ほたる、保健室はあなたの隠れ家ではありませんよ」
「・・・せつなさん」
「学校では先生と呼びなさい」
「せつなさんだって私のこと土萠さんって呼んでないのに」
「口ばかり達者になって」
「だってー」
「まったく、給食の牛乳が飲めないから保健室に逃げてくるだなんて・・・」
「逃げてないよ。ちゃんと先生に断って来たもん」
「そういうことは言っていません。どうしたんです、今日に限って」
「いつも代わりに飲んでくれる子が今日はお休みなの。でも、そうじゃなくて、今日は本当にここに来たかったの。せつなさんに会いたくて」
「はいはい、ああ、もう、あなたという人は・・・そんな子に育てた覚えはありませんよ」
「子どもは親の思うようには育たないものよ。そもそも、牛乳は合う合わないあるんだから、無理して飲むことないと思うの」
「あなたはそう言いますけど、実際、牛乳、体にいいですよ」
「えっ」
「私も若いころはよく牛乳を飲んだものです。おかげで背も伸びて体も丈夫になりました」
「確かにせつなさんは背が高いけど、それってほんとうに牛乳のおかげなの・・・?」
「ええ、時空の扉にいたころはそれはもう常飲してましたので」
「(若いころってそこからなんだ・・・というかそもそも時空の扉に牛がいることにびっくりだわ・・・)」
「ちなみに私のタリスマンなんですが、本体はオーブなので、最初は杖の形状ではなかったのですよ」
「あ、そういえばそうだよね。本体はあっち・・・でも、それが牛乳となんの関係があるの」
「実はあの杖、骨でできてまして」
「ほね」
「骨です」
「ほ、ほね・・・?」
「オーブだけだとどうも戦いにくくてですね。くっつけて加工したらいい感じになりました」
「・・・ちなみに、誰の骨?倒した敵?」
「敵の骨を武器にするなんて、そんな野蛮な。自分のに決まってるじゃないですか」
「せつなさんが言う野蛮の定義がわからないんだけど・・・あの、ちなみに、どうやって?」
「ちょっとセルフオペで」
「骨を抜くオペってちょっとでできるものなの!?そもそも時空の扉って牛乳とかオペ道具はあるのにオーブをくっつけるアイテムはないの!?」
「ああもう、仮病であってもいちおうは保健室にいるのでしょう。もう少し静かにしなさい」
「仮病使ってきたわけじゃないし、私のほうが非常識みたいに言うのやめてよ・・・」
「静かになりましたね、よろしい。ちなみにタリスマンは神聖なものですから不純物は混ぜられませんよ。私の一部だからこそオーブとともに武器として機能するわけです」
「理屈は通ってるけど・・・!けど・・・!」
「骨が武器として育つには、時間だけはたっぷりありましたから。牛乳バンザイです」
「え、いろいろびっくりしすぎて追いつかないんだけど、あのロッドはつまりせつなさんから抜いた骨が、牛乳のおかげで成長して今あの形になったってこと・・・?」
「ええ、やはり骨と牛乳は相性がいいのでしょうね。かけて育てて都合のいい形に加工して、今では文字通り戦士としての私の一部となってます」
「世界中の学会がひっくり返りそうな実例だわ・・・」
「やや特殊なきらいはありますし、騒がれるのがいやなのであまりおおっぴらには言いませんけどね」
「せつなさんの、やや、の使い方が私の知ってるのと違う」
「勿論私自身も牛乳を飲んでましたから骨を抜いても前より丈夫な骨が生えてきましたし、周りの骨も丈夫になって背も伸びて、現在に至るわけです」
「ええー・・・なんでそんないい話風なの・・・」
「どうです、これを聞いて少しは牛乳を飲む気になりましたか」
「うーん・・・」
「まあ、いまさら私がこんなことを言ったくらいで好き嫌いが治るのなら苦労しませんね。ただ、心に少しは留めておいたら後押しにはなるでしょう」
「意図的に留めなくても、結構ショッキングだったから忘れないわ」
「ショッキングですか。まあ確かに、オペのくだりはあなたには刺激が強かったかもしれませんが・・・」
「せつなさんを押し倒すには幾千年分のカルシウムのパワーを超える力が必要なんだなって思ったらちょっとね」
「・・・・・・・・・はい?」
「まったく、骨抜きになった人が自分で骨を抜いてたなんて、笑えないわ」
「ちょ、ちょっと待ちなさいほたる、あなたいったいなにを」
「最初からせつなさんに会いたいから来たって、言ったはずだけど。ほんとうに牛乳が苦手だからここに来ているとでも思われてたのなら、それは心外ね」
「ほたる、ここは学校で・・・」
「子どもは親の思うようには育たないって、これも言ったわ・・・せつなさん、心に留めておいて」
「・・・留めるもなにも、ショッキングで忘れられそうにありませんが・・・」
「その辺はお互い様ね・・・同列に持ってくるのもなんだか変だし腑にも落ちないけど・・・」








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