忙中

「ふわぁぁぁ…ああ～…ねむい」
「わ、大あくびなんてしちゃってまこちゃん。どうしたの？」
「んー…どうしたのって、美奈。あたしだってあくびくらいしていいだろ」
「いやでもまこちゃんって早寝早起きで結構生活しっかりしてるからさぁ。寝不足？」
「うーん、まあ、そうかなぁ」
「夜の生活が激しいんじゃないの？」
「ああ…そう、かなぁ。それはあるね」
「そうなの！？ちょっと冗談のつもりで言ったのに…ふっつーに認めないでよちょっとは恥じらいを…そういやーレイちゃんもここんとこ目の下に隈が出来てたような…ああ、だから」
「レイが？隈？」
「昨日神社でちらっとあいさつだけしに行ったんだけど、なんだか疲れてるて言うか、眠そうな顔してたから」
「じゃああいつも寝不足なのかな」
「なのかなって…あのね、まこちゃんのせいじゃないの？」
「え、あー…ここんとこしばらくレイに会ってないな、そういえば。連絡もここんとこ…もしかして体調崩してるのかな？ちょっと心配だな」
「って、え？会ってないの？じゃあ夜の生活が激しいっていうのは」
「いや、パラリンピック始まっただろ？ついリアルタイムで見ちゃうんだよね。オリンピックの時期は夏休みだったから少し寝坊できたり昼寝出来たりしたんだけど…やっぱりスポーツ頑張ってる人素敵だなーって思うと、明日学校って分かってるんだし夜遅いんだけど、つい応援に熱入っちゃって。もしかしたらレイも見てるのかな、体育会系だし」
「あ、激しいって…そういうこと？」
「なんだと思ったんだ？まあいいや。あとね、ちょっと近所のバザーで工具とか布のきれっぱしの袋詰めとか、すごくたくさん、しかもすんごい安く手に入ってね。毎日帰ったら、布組み合わせて手芸したり、工具屋さんからもらった廃材で小物作ったりしてるんだ。これがつい楽しくてこっちも熱入っちゃって…つい夜更かししちゃうんだよなぁ」
「…こう言っちゃなんだけど、まこちゃん、シングルライフ満喫してるのねぇ」
「ああ、うん。こういう時は一人暮らしでよかったなって思うかなぁ。ずっとは嫌だけど…でも今かなり乗ってる時期だからすごく楽しくってね」
「へぇー…」












「だからねレイちゃん、まこちゃんは別にレイちゃんを嫌いになったとか、浮気とかしてるわけじゃないって。ちょっと趣味充してるだけで、決してレイちゃんを放置してるわけじゃ」
「別に…そんなこと美奈に聞いてない」
「その眼の下の隈と凶悪な気配がすべてを語ってるわよ！まこちゃんにここんとこ会ってないし、向こうから連絡もくれないから心配なんでしょう！？そもそも他校だから定期的に会っておかないとあの人生死確認さえできないし！そしてなにより自分がさみしい！夜も眠れなくなるくらい」
「………………………………‥」
「はい反撃しないってことは肯定でいいのよね。っつーか人にお節介されたくなかったら自分から寂しいとか連絡すりゃいいでしょ！？何の意地張ってんのよ！？」
「しょっちゅう亜美ちゃんにさびしいとか言いまくっては玉砕してる人を目の当たりにしてると…正直見習おうとは思えないわ」
「心配でわざわざお節介した人からなにこのひどい言われよう…」








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　まこちゃんほど何でもできたら、さぞシングルライフも楽しかろうてとしみじみ思います。

　趣味に熱中できる時間ってすごい幸せだよなぁとも思う…８月サボりすぎてね…もう…orz