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福岡一文字

2006-01-11 22:23:37 | 日本刀
 鎌倉時代に備前国福岡で盛行した一文字派の刀工集団である。
 後鳥羽上皇の御番鍛冶で菊一文字として有名な則宗を祖とする。
 鎌倉時代の一文字派は、吉岡一文字派と福岡一文字派があり、吉岡は鎌倉中期以降、福岡は鎌倉初期から中期にかけて盛行した。
 一文字派の銘は、「一」のみ切る物、「一」と個人銘を切る物、個人銘のみをきるものの三種類に分かれる。
 
 鎌倉中期に福岡一文字から助吉が出、吉岡に住し吉岡一文字の祖となる。

 また、同鎌倉中期に福岡一文字から助真が出る。
 助真は時の執権北条時頼に招聘され、鎌倉に下向。
 鎌倉の地で作刀を始め、同時に招聘された備前國宗とともに相州鍛冶の草分けとなった。
 なお、この一文字助真を鎌倉一文字と呼ぶ。

 福岡一文字の名物といえば、無銘ながら享保名物牒にある「日光一文字」であろうか。
 日光一文字は、うぶでありながら無銘である。しかしながら、鎌倉中期の福岡一文字の粋を集めた名刀といわれ国宝に指定されている。