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菊一文字則宗

2006-01-08 12:20:57 | 刀工
 正元年間、備前國福岡の人。
 定則の子で、備前太夫と号す。後に刑部丞に改める。
 鎌倉初期の備前鍛冶で福岡一文字の祖といわれ、後鳥羽院上皇の御番鍛冶の一人としても有名。
 御番鍛冶としては正月番、承元二十四鍛冶としては十一月番を務める。

 則宗は御番鍛冶中第一位の栄光に浴し、自分の作刀の茎に十六葉菊の紋章を切ることを許されたといわれている。
 一文字則宗の作刀が菊一文字と称される所以である。
 しかしながら、則宗には「則宗」二字銘の物以外なく伝説といえようか。

 また意外なことと思われるが、則宗の作は極めて地味であり、巷間でもてはやされる豪華絢爛にして華麗な印象とはほど遠い。
 むしろ古備前派の作風に近いが、映りが盛んで丁子の刃文が一団と目立つ。
 有銘確実な作刀は極めて少ない。
 銘は「則宗」、なお「備前國則宗」と切る物もあるといわれるが当方未確認。


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