デジタルカメラの光学式手ブレ補正には主に2つの方式があります。
1つは、キヤノンや松下電器などが採用している「補正レンズ駆動」方式です。これはカメラのブレをセンサーで検知し、補正レンズを動かすことによって光軸のずれを補正するものです。
もう1つは、コニカミノルタが採用している「画像センサー駆動」方式です。これはカメラのずれをセンサーで検知し、光軸のずれに相当する分だけ、画像センサーを動かすものです。
性能的にはほぼ同等で、シャッター速度を2~3段遅くできる効果があると言われています。つまり、一般的に手ブレの恐れが少ないシャッター速度は1/60秒以上ですが、手ブレ補正があれば1/15または1/8秒でも手ブレなしで撮影できる可能性が高くなる、ということです。
そこで、私のカメラ(KONICA MINOLTA DiMAGE A2)でテストしてみました。
以下の撮影条件で手ブレ補正無しと有り、各10枚ずつ撮影し、手ブレを判定しました。
・撮影場所:室内
・シャッター速度:1/4秒
・絞り:F4.0
・ISO感度:100
・焦点距離:35mm換算で200mm
望遠側ですから手ブレし易い筈ですが、椅子に座ってカメラをしっかり構えれば、1/4秒でも手ブレしない場合が多いので、立って撮影しました。ただ、ファインダーを覗いて撮影しましたから、背面モニターを見て撮影するよりは手ブレは少ないと思います。
手ブレの判定は主観的ですが、各10枚の写真を次のように分けました。
○:手ブレのないもの(または、補正効果大のもの)
△:若干の手ブレはあるが、スナップ写真としては許容範囲のもの
×:手ブレが許容範囲外のもの
結果は次の通りです。
手ブレ補正無し:○ 0枚 △ 1枚 × 9枚
手ブレ補正有り:○ 5枚 △ 4枚 × 1枚
この結果は手ブレ補正効果が十分あることを示しています。
カメラをしっかり構え、落ち着いて撮影すれば、シャッター速度1/4秒でもほぼ実用上は問題なく撮影できることが分かります。日本の美術館は撮影禁止の所が多いのですが、外国ではストロボを使わなければ撮影OKの美術館が多いので、絵画の撮影も十分可能です。またストロボを発光させると、不自然な影ができたり陰影の乏しい写真になりがちですが、そうしたことも避けられます。
但し、手ブレ補正は「被写体ブレ」には全く効果がありません。また、カメラの進化の方向としては、あくまでも「明るいレンズ」や、「ノイズが少なく、ダイナミックレンジ(ラチチュード)の広い」センサーであるべきことは確かです。