Mak_Sagami の≪デジカメ閑話≫

デジタルカメラとその周辺に関する“たわごと”

デジカメ閑話 26 ≪コントラストの修整 2≫

2005年09月16日 | Digital Camera
 コントラストを修整した方が良くなる写真の例です。

 左の写真が原画で、右の写真はヒストグラムを調整して修整したものです。右の方が引き締まって、メリハリのある写真になったと思います。

 原画像のヒストグラム(修正前)を見ますと、暗い所から明るい所までデータが分布し、ごく僅かに "黒潰れ"・"白飛び"の部分はありますが、一見理想的なヒストグラムのようにも見えます。しかし、デジカメのラチチュード(ダイナミックレンジ)は狭いので、このような写真は明暗差(コントラスト)の乏しい、"眠たい" 写真になる場合があります。
 そこで黒潰れが生じるのは承知で、左のスライダーを右に寄せ、中央のスライダーも右に寄せた写真が修整後の写真です。
 修整後のヒストグラムは、全体にローキーの写真であることを示していますが、この写真の場合は蝶が主役で、しかも比較的明るい被写体ですから、全体を暗めにした方が引き立ったということです。
 なお、修整後のヒストグラムから分かるように、データが間引かれていますから、厳密に言えば写真の諧調が欠落している部分があることになります。

 この例で分かるように、ヒストグラムだけでは写真の良し悪しは決められません。しかし、撮影のときにカメラのヒストグラムに注目する余裕があれば、大きな失敗が減ることは間違いありませんし、画像処理によって良い写真になる確率も高まると思います。

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デジカメ閑話 25 ≪IrfanViewとVIXの比較≫

2005年09月09日 | Digital Camera
 最近ある人から、画像ビューア IrfanView とVIX の優劣について尋ねられましたので、予定を変更してテストしてみました。

1.画質
 画像ビューワですから、画質が第一だと思いますが、写真で示すように明らかに差があります。これは、やや極端に拡大した場合の比較ですが、通常使用する程度の拡大でも、画質の差は明らかです。
 なお、どちらの写真にも JPEG 固有のノイズが見られますが、これはビューワによるものではありません。
2.スピード
 画像の切替速度は、私のパソコン上で、IrfanView 0.1~0.2秒程、VIX 0.3~0.5秒程度です。明らかにIrfanViewの方が早いですが、VIXも耐えられないほどではありません。(何故か全画面表示での切替はVIXも早いです) 全体に全ての面でVIXの方が若干遅いです。
3.トリミング
 どちらも出来ますが、VIXは1操作余分に必要です。
4.リサイズ
 どちらも出来ますが、サイズの指定方法は IrfanViewの方のが若干豊富です。
5.色調補正
 どちらもほぼ同等の機能があります。IrfanViewは補正の前後を2画面で比較できます。
6.画像の回転
 VIXは90度づつしか出来ません。IrfanViewは0.1度単位で任意に回転できます。
7.操作の取消し
 IrfanViewには操作を取り消すコマンドがありますが、VIXにはないようです。
8.スクリーンショット
 VIXには、ウインドウを画像として取込むスクリーンショット(キャプチャー)機能はありません。

 以上の点から、私はIrfanViewの方が高機能・多機能であると思いますが、VIXについては短時間の評価ですから、客観テストとしては不十分であろうと認識しています。

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デジカメ閑話 24 ≪コントラストの修整≫

2005年09月07日 | Digital Camera
 天候の具合などによっては、コントラストの弱い写真になってしまう場合があります。下の写真は、モヤに霞んでコントラストが弱くなってしまった写真の補正を試みた例です。(東京湾アクアライン 海ほたるで撮った写真です)


  
 原画のヒストグラムを見ると、データが中央に集中して、明るい部分(右側)、暗い部分(左側)にデータがありません。そのため、明暗差の乏しい(即ち、コントラストの弱い)写真になっているのです。
 そこで、中央に示すように、スライダーを動かして、データの左端が最も暗い部分に、データの右端が最も明るい部分になるように、データの幅を広げました。(ヒストグラムの両側にごく僅かデータが存在している部分は無視しました)
 その結果が修整画のヒストグラムです。データの総数が増えたわけではありませんから、データが歯抜けになっています。(ビューワソフトよっては、このデータから画像を作る際に、データがソフト的に補間される可能性はあります) 全体としては決して良い写真とは言えませんが、コントラストの点では良くなりました。(色を調整するともう少し良くなります)

 今回は機械的な補正である程度満足できる補正効果を得られた写真の例ですが、これでは不十分な場合について、次回取り上げます。
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デジカメ閑話 23 ≪暗い写真の修整≫

2005年09月02日 | Digital Camera
 撮影した写真の出来具合にがっかりすることはよくあります。その内、明るさがイメージと違ってしまった写真について、修整する方法を取り上げます。

 ≪デジカメ閑話 9≫でヒストグラムについて取り上げたことがあります。
 撮影のときにカメラのヒストグラムに注意すれば、極端な露出不適合はないのですが、撮影時にはなかなか余裕がありませんし、ヒストグラムの形とイメージが食い違う場合もあります。そのようなときは、Photoshopなどの画像処理ソフトで補正すると、かなりイメージに近づけることが出来ます。


 左の原画は明らかに失敗写真です。全体が暗いし、暗い部分は黒く潰れています。それでも何とか修整して「かろうじて見られる程度」に修整したものが右の写真です。
 下の写真は修整前後のヒストグラムです。


 ヒストグラムの横軸は明るさのレベルで、左端は真黒、右端は真白を意味します。縦軸はその位置の明るさを持つデータの量(素子の数)を表します。
 横軸の左端にデータが存在しているということは、写真に真黒の部分が存在することを意味し、横軸の右端にデータがあるということは、写真に真白な部分が存在することを意味します。真黒が多いことを“黒潰れ”、真白の部分が多いことを“白潰れ”と言い、これは補正のしようがありません。一般的には、黒潰れの方が写真としては見るに耐えるものになる割合が多いようです。

 原画のヒストグラムはデータが左半分に偏っており、極端に暗い写真であることを裏付けています。そこで右半分にはデータがありませんから、ヒストグラム下の右のスライダーをデータの右端に移動しました。すると写真が修整画のように明るくなります。修整画のヒストグラムを見ますとデータが明るい方に移動したことが分かります。但し、全体のデータ量が増えたわけではありませんから、データの分布は櫛のようになっています。白い部分にはデータがないわけですから、諧調分布が不自然な写真になっています。ある程度見られるようにはなっても、決して良い写真とは言えない訳です。
 とは言っても、日常のスナップ写真をこのような方法で救済することは無意味ではありません。

 実際にはヒストグラムの分布を見ただけで写真の良し悪しを判断することはできません。また、今回は基本に限定して中間調の補正については省略しました。
 実際にヒストグラムを見ながら明暗を補正する場合は、3つのスライダーを調整して、なるべくイメージに合った写真になるように修整します。(黒潰れ、白潰れに拘らない方が良い写真になる場合も多くあります)
 Photoshop Elementsの場合は、いくつかある明暗の修整方法の中でも、これが最も基本的なものだと思います。Photoshopの場合は、この他に“トーンカーブ”を調整する方法があり、よりイメージ通りの写真を作り易くなっています。

 次回はコントラストの修整について取り上げます。
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