Mak_Sagami の≪デジカメ閑話≫

デジタルカメラとその周辺に関する“たわごと”

デジカメ閑話 13 ≪オートモード≫

2005年06月11日 | Digital Camera
 左の写真はPENTAX Optio Sのメニュー画面の一部、右の写真はKONICA MINOLTA DiMAGE A2の撮影モードダイヤルです。

 デジカメで写真を撮る多くの人々は、オートモードで撮影していると思われます。しかし、比較的安価なデジカメにも大抵はマニュアル設定できる項目があるはずです。それらを使いこなせば、更に良い写真ができる可能性がありますし、撮影する楽しみも増えるので、ぜひ一度自分のカメラを見直してみることを勧めます。

 左の写真では“ホワイトバランス”、“AF(オートフォーカス)エリア”、“測光方式”、“感度”が全てオート、またはそれに準じるモードに設定されています。これで思い通りの写真が撮れれば、危険を冒してまでマニュアルモードを使う理由はありませんが、往々にしてこの設定では意図した写真が撮れなかったり、明らかに失敗写真になったりすることがあります。

 ホワイトバランスについては「デジカメ閑話 8」を見て下さい。

 AFエリアとはピント合わせをする範囲のことですが、このカメラの場合、“マルチ”というのは、撮影画面中央部の比較的大きな四角形に囲まれた範囲のどこかにピントが合う、という意味です。従って、ピントを合わせたいものがこの範囲にない場合は勿論ですが、この範囲内にあっても、意図した場所とは別の位置にピントがあってしまうこともあります。ただ多くの場合、デジカメはピントの合う前後の範囲が広い(焦点深度が深い)ので、ピンボケ写真にはならない場合も多いのです。
 しかし、絞りを小さくして花をクローズアップで撮ったり、目的の被写体が端に寄っているような構図では、どこかにピントが合っていても、目的の被写体はボケてしまう確率が高くなります。ピント合わせをしてから“フォーカスロック”機能を生かして構図を決める方法も有効ですが、ピントを合わせる範囲を絞って、その範囲を画面内の任意の位置に移動する機能を使えば、確実に狙った被写体にピントを合わせることができます。

 測光方式は写真では“多分割測光”になっています。これは画面内の多数の点の明るさを測り、露出を決める方法です。明るい戸外で人物を撮ると、顔が暗くなることが多くありますが、平均的には適正な明るさになるわけです。この場合も、測光する範囲を狭く(時にはスポットに)し、狙った位置に測光点を合わせれば、適正な露出が得られ易くなります。
 DiMAGE A2の場合は、測光点を画面内の任意の位置に移動することも可能です。

 (ISO)感度の設定はオートのままになっていることが多いと思いますが、「デジカメ閑話 7」で述べたようにISO感度を高くするほどノイズが増えます。オートの場合は、暗い場所での撮影では自動的にISO感度が高くなりますから、必然的にノイズが増えます。その代わり、シャッター速度が速くなって手ブレの危険が減るわけです。ですから三脚を使って撮影する場合などは、暗い場所でもISO感度を低く抑えて撮影した方がノイズの少ない写真になりますし、逆に明るい場所でも動きの早いものを撮影する場合は、ISO感度を高く設定してシャッター速度を早くした方が被写体ブレの少ない写真になります。(明るい写真はノイズが目立ちません)

 DiMAGE A2の場合は、この他にもマニュアルフォーカス、シャッター優先、絞り優先などのマニュアルモードがありますが、省略します。

 なお、この写真に載っている設定項目とは違いますが、ストロボ発光をオートのままにしている例をよく見かけますが、電池の消耗を早めるだけで、被写体を明るくする効果は殆どない場合も多くあります。デジカメの内臓ストロボは小さいので、2m程度しか役に立たないのです。通常は発光禁止にしておき、必要なときだけ発光させるのが正しい使い方です。(明るい戸外で、逆光のために顔が暗くなりそうな場合にストロボを使うことは有効ですが、オートでは光りません)

 折角付いているマニュアル設定モードは大いに活用したいものですが、間違った設定や設定忘れは失敗写真の大きな原因の一つですから、その点に対する細心の注意は欠かせません。
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