Mak_Sagami の≪デジカメ閑話≫

デジタルカメラとその周辺に関する“たわごと”

デジカメ閑話 28 ≪夕日が黄色くなる理由≫

2005年11月11日 | Digital Camera
上の写真は宍道湖の夕日です。太陽とその周辺が黄色(一部は白)になってしまい、残念ながら肉眼でのイメージとは全く異なった写真になりました。
夕日の撮影に最適の時間は僅か2~3分に過ぎず、この間に露出を色々変えて沢山の写真を撮りましたが、私のカメラ(Konica Minolta DiMAGE A2)では最大に露出を絞っても太陽自体は露出オーバーになりますし、そのときの周辺は真っ暗です。周辺の様子がある程度分かるように露出を合わせると、この写真のように太陽は勿論、その周囲さえも黄色くなってしまいます。



この理由を示すデータが下の写真です。
これは上の写真の拡大部分のRGB別ヒストグラムです。ヒストグラムの横軸は明るさ(右端は飽和)で、縦軸は画素数です。右端に分布が存在するということは、その色の信号は飽和していることを示し、RGBが全て飽和している部分は白になります。


このデータを良く見ますと、赤で囲った部分はそれぞれの明るい部分ですが、それぞれの右端にはデータが存在しています。即ち、この写真には完全に白飛びして、真白になっている部分が存在していることが分かります。太陽自体がその部分に相当します。
更に、RとGは飽和しているもののBは飽和していない明るさの範囲が存在することも分かります。この部分が太陽周囲の黄色の部分です。この部分でも、もしRとGが飽和していなければ、肉眼イメージに近い写真が撮られた筈です。

夕日の撮影はフィルムカメラでも難しいと思いますが、ラチチュード(ダイナミックレンジ)の狭いデジカメでは本当に難しいことを実感しました。
デジカメの進歩の方向も、一時の単純な画素数競争から、大きな画素を持つ(即ちラチチュードの大きい)撮像センサーを使う方向へ向っているようですから、その内フィルムカメラに負けないデジカメが安く手に入るようになることを期待しています。