Mak_Sagami の≪デジカメ閑話≫

デジタルカメラとその周辺に関する“たわごと”

デジカメ閑話 10 ≪ニッケル水素電池のメモリー効果≫

2005年04月24日 | Digital Camera
 最近のデジタルカメラの電源としては、殆どのカメラでリチュウムイオン電池が使われています。
 以前はニッケル水素電池や、アルカリ電池も多く使われていました。単3型のニッケル水素電池の場合は単3アルカリ電池と同一形状ですから、カメラによっては、万一旅先でバッテリーが上がっても電池が容易に手に入る安心感がありました。(最も安価で普及しているマンガン電池は使えない場合があるようです) 新しいデジカメの電池は圧倒的にリチュウムイオンが多くなっていますが、現在使われているデジカメの電池としてはニッケル水素も多いと思われますので、ニッケル水素電池を使う場合の注意点を取り上げます。

1.メモリー効果
 電池の容量を使い切る前に充電する使い方を繰返すと、次第に撮影可能枚数が減ってくる現象を「メモリー効果」と言います。充電する時点の電池容量が記憶されてしまうのでメモリー効果と言うわけです。例えば、フル充電した電池を1/3使ってまたフル充電するという使い方をすると、その電池は1/3使ったところでカメラに電池切れ警告マークが現れるようになってしまいます。各地の消費生活センターなどに、新品の電池なのに撮影枚数が極端に少ない、不良品ではないか、という問い合わせが結構あるそうです。
 電池を使い切ってから充電すればメモリー効果は出ないと言われています。また既にメモリー効果を持ってしまった電池は、完全に使い切ってから充電することを繰返せば、次第にメモリー効果は解消するとも言われています。旅行などに出かける際はどうしてもフル充電したくなりますが、それがかえって撮影枚数を減らす原因になりかねません。現実的な対応策としては、予備の電池を用意し、カメラに入っている電池は使い切るしかないと思います。
 メモリー効果を回復するために、即ち、完全に電池を放電させるために、電池を懐中電灯などに入れてランプが消えるのを待つ、という方法を紹介した記事を見たことがありますが、これは電池を過放電することになり、回復不能になる危険が極めて大ですから、絶対にやってはいけません。残り少なくなった電池を使い切る(正確には、規定の電圧に下がるまで使う)には、カメラを画像表示モードにして消えるのを待つのが一番簡単です。(但し、スライドショーなど、オートパワーオフが働かないモードにする必要があります) また、“リフレッシュ機能”などと称する、放電させてから充電する充電器を使うのも良い方法だと思います。
 なお、リチュウムイオン電池にはメモリー効果はないという説と、多少はあるという説がありますが、私は予備の電池を持ち歩いて、使い切ってから充電するようにしています。(携帯電話の電池はリチュウムイオンなのですが、私の携帯にはメモリー効果を疑う現象があります)

2.自然放電
 予備電池を持つことは望ましいのですが、充電した電池は自然に放電します。ニッケル水素電池は特に高温下では自然放電が多いと言われています。従って、大量に撮影する予定がないにもかかわらず、フル充電した予備電池を用意しておくことは良い方法ではありません。自然放電分を取り戻す目的で使用前に充電すればメモリー効果を誘発することにもなります。カメラを使う頻度が高ければ常に充電しておいた方が良いと思いますが、そうでない場合は旅行などに出かける前に充電するようにした方が良いと思います。
 長期間使わない電池を保管するときは、使い切った状態で保管する方が良いという説と、1/3程度残した状態で保管する方が良いという説があるのですが、試したことがありませんので、どちらが正しいか分かりません。
 電池は単体で保管するより、カメラに入っているときの方が多く自然放電しますから、過放電を避けるためにも、カメラを長期間使わないときは電池をカメラから取り出しておくのが無難です。

3.端子の汚れ
 写真の左の電池はニッケル水素ですが、この電池を使うカメラには電池容量がある筈なのに、電池残量マークが残り僅かを表示する現象が時々起こります。そのときは電池を取り出して+-の端子を乾いた布でよく拭いてカメラに戻すと大抵は正しく表示されるようになります。本当はカメラ側の端子も綺麗にしたいのですが、蓋の端子は拭けてもカメラ内部の端子は拭けませんので諦めています。ニッケル水素電池の端子の材質は分かりませんが、多分表面が酸化しやすいのだと思います。
 写真の中央と右の電池はリチュウムイオンですが、こちらの端子は金メッキが施されています。金は腐食しませんし、接触抵抗が小さいので、このような問題は起き難いのだと思います。
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デジカメ閑話 9 ≪ヒストグラム≫

2005年04月16日 | Digital Camera
 多くのデジカメには、撮影の前後にヒストグラムを確認する機能が付いています。写真は2台のカメラのヒストグラムを示す画面を写したものです。赤い丸で囲った部分がヒストグラムです。

 ヒストグラムは、イメージセンサーの中で、どの明るさの画素がどれだけ存在するかを示しています。グラフの横軸は明るさを表し、左端は素子の信号レベルが0、即ち真黒を意味し、右端は素子の信号レベルが飽和、即ち真白を意味します。真黒も真白も有効な信号(色情報)が存在しませんから、後の画像処理で明るさや色調を補正しようとしても、補正できない部分が存在することになります。グラフの縦軸は素子の数(多くは0~255)を示しています。従って、ヒストグラムは、どの明るさの素子がどれだけ、どのように分布しいるかを表しています。分布が左に偏っている写真は全体に暗め、右に偏っている写真は全体に明るめの写真になります。

 両端の軸に存在する素子は有効な信号を持っていませんから、撮影するときはなるべくこの部分に素子が存在しないように注意する必要があります。露出をマニュアルで設定する場合はヒストグラムを見ながら、絞りやシャッタースピードを選択できますが、露出をオートに設定している場合はカメラ任せになります。その場合もヒストグラムを見て、写真の明るさの状態を予測し、必要があれば露出をプラスまたはマイナスに補正して写せば、より良い写真になる可能性が高くなります。デジカメはフィルムカメラに比べると、対応できる明るさの範囲(ラチチュード)が狭いと言われています。つまり、被写体を丁度良い明るさにすると、真黒になったり、真白になったりする部分が生じやすいのです。これを「黒潰れ」、「白飛び」と言います。どうしてもヒストグラムが左右どちらかの軸にかかってしまう場合は、白飛びを避けるために、分布を左側に寄せた方が後の画像処理で救える可能性は高くなります。

 撮影のときはなかなかヒストグラムの分布にまでは注意が届かないものですが、撮影の前後にヒストグラムを見る習慣をつければ、露出の失敗は減ると思われます。但し、ヒストグラムがどちらかに偏った写真の方が、良い写真になる場合も多くありますから、ヒストグラムだけに頼ることはできません。
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デジカメ閑話 8 ≪ホワイトバランスについて≫

2005年04月07日 | Digital Camera
 デジカメには必ず「ホワイトバランス」を設定する機能があります。
 被写体の色は光源の種類によって違って見えます。特に白いものは、光源によって青っぽく見えたり、黄色っぽく見えたりします。白いものが白く見えるように、光源に合わせてデジカメの色感度特性を選択するのが、ホワイトバランスの設定です。ホワイトバランスを適正に設定することは良い写真を撮る基本的要件の一つですし、間違えると悲惨な結果になることもあります。


 
上の写真は、室内の蛍光灯の下で、ホワイトバランスの設定を変えて撮ったものです。(“日陰”“曇り”“白熱灯”は省略)

 “カスタム”は、予めその光源の下で白い紙を写し、白く再現されるようにホワイトバランスを自動的に調整する機能です。従って、これが最も自然な色を再現します。実際、被写体の人形と見比べると、“カスタム”が最も自然な色調で写っています。“カスタム(機種によっては言い方は異なると思います)”機能は多くのカメラが持っていますから、余裕を持って撮影できる場合は、積極的に活用すべきです。
 普通のスナップ撮影では、ホワイトバランスを“オート(AUTO or AWB)”にしておく場合も多いと思います。大抵は“オート”で自然な色調が得られますし、多少違った色になっても、後でレタッチソフトで補正できる場合も多いと思います。ただ、白熱電灯や蛍光灯の下での撮影の場合は、試し撮りをして、色調が不自然でないか確かめる方が良いと思います。例えば上の写真でも、“オート”で撮った写真は、“カスタム”で撮ったものとは明らかに色調が違います。カメラがどういう判断でこの色調にしたのかは分かりませんが、“オート”が100%は信頼できないことが分かります。
 “太陽光”は明らかにホワイトバランスの設定を間違えているわけですから、不自然な色調になるのは当然です。
 “蛍光灯”は、この撮影条件に合っているわけですから、ホワイトバランスを正しく設定したことになります。所が、“カスタム”とは違った色になっています。“オート”には比較的近いのですが、少し違います。実は、私のカメラの取扱説明書によれば、蛍光灯にも色々な種類があるので、“蛍光灯”の中で、更に選択できるようになっていました。この辺りは、機種によって違いがあると思いますが、蛍光灯にも「電球色」とか「昼光色」とか「暖色」などがありますから、単にホワイトバランスを蛍光灯マークに合わせるだけでは、正しい色調にならないことは納得できることと思います。因みに、今回撮影した部屋の蛍光灯は、昼光色と言われるものですが、外の曇天の光も若干加わっていますから、その辺の影響もあるかもしれません。

 ホワイトバランスの設定は、カラーフィルターの選択と似ていますから、意図的に「合わない」設定をして、変わった雰囲気の写真を撮ることもできます。

 繰返しますが、カメラにホワイトバランスを“カスタム”設定できる機能があるならば、是非活用することをお奨めします。
 但し、ホワイトバランスを初めとして、カメラの持っている機能を撮影条件に合わせて設定することは、次の撮影の際に不適当な設定のままで撮影してしまう危険が大きくなることでもありますから、その点にはくれぐれも注意が必要です。
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