大黒屋光太夫 (上)新潮社このアイテムの詳細を見る |
お友達が貸してくれました。
自分の本棚(というよりただ山積みしてある場所)をみると、かなり偏っているので、たまに友人から借りて読んだりします。
江戸時代の伊勢の船頭「大黒屋光太夫」のロシアへの漂流から帰国、さらには一生を終えるまでの物語です。
同じ大黒屋光太夫が主人公の、井上靖「おろしや国酔夢譚」を読んだことがあったけど(かなり前だったので詳細はあやふやになってしまった、、。)だいぶ印象が違う感じでした。
伊勢を出発して江戸を目指した船が遭難して、数ヵ月後にアリューシャン列島の島に漂着して、それからロシアに渡り、女帝エカテリーナに帰国のお願いをしにペテルブルグに行き、また帰ってきて、と、約10年もかけて日本へ帰国。
読んでて気が遠くなるってもんです。
....。
たとえば何か大きなことを成し遂げたいと思った時、
強い意志、努力、後は人とのめぐり合わせ、時代の流れ、それらを含めた運の良さみたいなもの、すべてが揃えば成し遂げられるものなんだなぁとしみじみ思いました。
運って、自分ではどうしようもできないようにみえて、実は引き寄せられるものなのかなとも。
(光太夫以前にも漂着した日本人がたくさんいたらしい。でも帰国を望みながらもひとりも帰れなかった。)
あ、あと健康な体か。
光太夫と15人ほどいた仲間も、漂流の最中や、ロシアについてからも病気で次々亡くなってしまったり、または生き残っても日本へ帰ることを諦め、精神のよりどころが必要となって宗旨替えをしてしまうのです。(=当時の日本には帰れないことを意味します。)
この仲間を置いての帰国の場面では、胸が詰まりました。
で、もう一度「おろしや国~」を読み直そうと思ったら見つからない。
なんだかいつもこんなパターン♪本棚片付けよ。