

せっかくだけど、特別な作品すぎて語れません。
花總まりはいつまでも、私の心の中の最も綺麗な場所に住み続けるだろうけど、きっと私が生きていく中で、もっと大切なものをみつけたり作ったりしていかなきゃいけないから。
いつかは「離れる。」そういう予感は最初からありました。
今は、白い壁に張り付いたコケみたいなものをべりべりと引き剥がしている途中。(←意味のわからない不思議ちゃん発言。)
でも・・・宙組『エリザベート』だけは残るという確信がありました。これも最初から。
個人的な事情で申し訳ないのですが、そのため宙組エリザベートについて語ることはできません。
ハナちゃんファンの私が語るブログの範囲を越えています。
何ものも越えられなかった、これからも越えられることはない、大切な大切な、大好きな大好きな「一番」の作品なのです。
これだけは譲れないんです。
勝手な個人の思いなのですけど。
でも軽ーく一言ずつ思い入れを語ってみます。

「死」って、とらえ方はたくさんあるけれど、ずんこさんの暴力的で抗うことのできない冷たい強さが、私は好き。
体中にビリビリ染み入るような激しい歌声も天下一品!
エリザベートが自分の胸に飛び込んできた時の「やっと・・・!」という感じの表情が一番好きなんですけどね。

可愛い少女時代から気品溢れる皇后まで見事に生きたハナちゃん。
この美との出会いがなかったら私は宝塚はおろかミュージカルや舞台に全く触れることのない人生を送っていたと思います。
私が初めて見たミュージカル。宙組のエリザベート。
「エリザベート♪エリザベート♪」と何度も何度も歌われているから注目が一手に集まって。
ぱぁぁきらきらっ

「あ。カワイイじゃん。観客の目を引くセンスのある人だな~。」と客観的に感じていた初見時。(笑)
とにかく美少女シシィだけど子供っぽくてお転婆。
「無邪気」って計算して作れるものではないから、無邪気さを印象づけるハナちゃんはすごいと思った。心から自由に生きていたシシィのあどけない無垢な笑顔が印象的。
「愛と死の輪舞」の歌詞がそのまんま怖いくらいにぴったりで!
-その瞳が胸を焦がし凍った心とかす
ええまさに!じっとみつめる綺麗な黒い瞳にはそんな効果がございます。
姿月トートの黒革レザー手袋が示すとおりに、息さえも私たちをとらえて凍った心をとかすんです。
こんなに歌詞とぴったりの感覚味わえるなんて経験あまりないですよ~。
トートの愛するエリザベート、がんじがらめのフランツを自由に導いてくれそうだったエリザベート、ハンガリーの国民たちが夢中になって愛したエリザベート、ハプスブルク反体制の市民たちが憎む豪奢なエリザベート、全てがハナちゃんのエリザベートで実体化されていました。
そしてハナちゃんの輝くような美貌は表情や声、仕草でその時々の年齢の女性の美しさを表します。
魂の自由を求める魂の底からの歌声。気品がまとわりつく搾り出すような声が痛々しかった。本当は気ままに無邪気に話すのがシシィなのに。
皇后として光り輝き、その美に執着して自己を突き進み続けた孤高の人。
悲しくなるほど美しい人。そして冷たい母親としての顔。
ルドルフの死でぼろぼろで立ってもいられない、全身から力という力が抜けきっちゃったみたいな姿はまさに抜け殻。
晩年の黒いベールで影を落とした喪服姿は負のエネルギーに満ちていて、それでもまだ戦っているから逃げているからどこまでもエリザベート。
そして。何もかもから解放された自由なシシィ。笑顔笑顔笑顔!
もう何ひとつ苦痛はない。長い旅路の果て、愛にとびこむ。それは死だった。
・・・ていうか長いですね。これでも一言のつもりなんです。(えー)

優しく優しく愛の眼差しでシシィを包みながらも、ハプスブルクの伝統と重荷を背負った人。
単にきれいでかっこいいから惹かれただけじゃありません。(笑)
和央さんとハナちゃんほど二人の間に流れる空気が特別だと感じる人たちはいないなあ。
初めて目にした(すれ違いの)上品カップル。
このフランツとエリザベートで、既にタカハナファンとなっていた私でした。

粗暴で「品」のカケラもない(←褒めてます!)ルキーニ。
宙組キャストはビジュアルイメージがそれぞれの人物と完全に一致しているところがまたスゴイと思うのです。
ルキーニのとらえ方は多種あるでしょうが、わたるさんのギャル男風(?)なヘアスタイルとおしゃれヒゲ、荒めの歌声が好きなんです。

年上のお姉さんの心を鷲づかみにする魅力に溢れてる。(私は年下だけど思わず「かわいい~!」と母性本能くすぐられますもん・笑)
初見時、和央さんにハマるかコムちゃんにハマるかの瀬戸際にいたんですよ。(笑)
やっぱり今でもコムちゃんは大好きで、この陰をさした美しさはコムちゃんにしか出せないものだと思います。
憂いと重圧とピュアな悲しみでいっぱいのコムちゃん・・・コムちゃんは私にとっていつまでもルドルフです。
・・・・・・・・・・・・
数々のヒロインを生きたハナちゃんにたくさん魅せられて、夢中になって、大好きだったけれど、このエリザベートに勝るものはなかったんです。
というかもう特別すぎて「宝塚」とか「ハナちゃん」の枠を越えているんですもん。
私にしか理解できない事情なのですが、エリザベートを語りだしたら別枠のブログが要ります。


そういうわけで。
私はまたどこかでエリザベートを観ているでしょう。(笑)