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僕&macbexとIFの世界

小説や遊戯王(インフェルニティ)や日常の事などを雑記していきます。

人工羊が大体終盤になってきた

2012-09-24 23:00:47 | 小説
現在74P

そろそろサブヒロインが死ぬんだけど、
ちゃんとに意味を持たせられているか
が心配かな。

サブヒロインは序盤から主人公とつるんでいる、
所謂「報われない幼馴染」系のキャラクターなのですが、
どうせこのキャラは死ぬしレベ上げしなくていいやー
なんてFF7的発想でやっていると、手痛いしっぺ返しを喰らいます。

主人公と読者を感情移入させる。これは(一般的な)小説の場合はとても大切だと思います。
サブヒロインが死んで主人公が「うぉぉぉぉぉ!」てなっているときに、
読者が「なんか影薄い奴が死んだ」と思っていたりしたら、
折角した感情移入が全ておじゃん! 主人公がウォォォォとなるのなら、読者にもなってもらわないと……。

そこで、当初はただの幼馴染(記号的)だったサブヒロインを
なんとか人間にしようと頑張りました。記号と人間の違いは多面性にあると見た。
幼馴染だから主人公のためにお弁当作ってくる。可愛らしく嫉妬する。手を繋げて上機嫌になる。
これは「幼馴染」という性質の一面に過ぎません。これを人間らしく見せるためには、
幼馴染から脱却した自己を見せる必要があると管理人は考えます。
つまり、主人公が物語を進んでいくように、幼馴染にもまた物語があるべき。ということです。

本作はそれが(管理人的には)結構上手くいっているので、
読者投票で上位につけるサブヒロインを目指して頑張ります。

え? メインヒロイン??

短編 【手を伸ばす】

2012-09-08 14:44:19 | 小説
手を伸ばす

 彼女は線路の真ん中に立ち、僕のことをじっと見つめていた。プラットホームには沢山の人の姿があって、改札口へ続くエレベーターには列ができるほどだったが、スーツ姿の彼女の事を気にしている人間はいない。恐らく、僕にしか見えていないのだ。
 幻覚と言うにはあまりにもはっきりと見えていた。しかし、影が無い事から察するに、人間ではない。この年齢にもなって幽霊に対しての認識を改めることになろうとは思わなかった。
彼女に対して自分が恐怖したかというと、そうではない。彼女の表情はどこまでも穏やかで、こちらに向かって微笑んでいるようにさえ思えた。それは見るものを安堵させ、僕はしばらく周囲の喧騒を忘れてその場に立ちすくんでいた。
 向かいの茂みに生える黄色ランプが電車の到来を告げ、ホームの人の動きは次第に慌ただしくなっていった。幽霊と眼をしっかりと合わせたまま、足から根でも生えているかのように動かない僕は、人ごみから離れようとするリーマンの進行の邪魔になった。それを知っていても、僕はそこから動けなかった。――こう言うと金縛りとか、そういう物と勘違いされそうだから補足するが、動けなかったのではなく動かなかったのだ。
 彼女とこうして見つめ合っていることがとても心地良くて、なんだか涙が出てしまいそうで。
 電車のフロントランプが一等星のような輝きを灯し、朝もやの向こうにこつ然と現れたとき、不意に彼女が僕に向かって手を伸ばした。両手を前に向かって付き出して、早く降りてきてと言うかのように。だが今降りてしまったら、結果は想像するまでもない。彼女のためにそこまでは出来ないと、僕は首を振る。だが彼女は諦めない。手を下げない。
 やがて電車がホームに飛び込んだ。その直後彼女は手をおろすと目を伏せて、電車が直撃する瞬間に消えた。彼女の行方を追おうと視線を彷徨わせたとき、少し遠くの場所で電車を待っているリーマンが、手を前に伸ばしながら線路へ吸い込まれていくのを目撃した。
 けたたましいブレーキと、水風船を割ったような音。そして数秒後には、その場所は携帯を掲げた群衆で溢れかえった。

 電車は三十分の遅れを見せ、挙句僕は接続も失敗し、会社の最寄り駅についたのは午前九時を回った頃だった。何の足しにもならない遅延証明書をスーツズボンのポケットの中へ隠し、十歩ごとにため息を漏らしながら会社へ向かった。駅の購買で買った百円のコッペパン二つ、そして猫用の缶詰を一つ持って。
 会社へ続く路地へ入り、ゴミ箱の裏に捨てられる人形のような子猫を確認して、僕は猫缶を開いて彼女の前に置いた。体はガリガリで、最近は僕が買った猫缶もあまり食べなくなっている。病院に連れていかなければ死んでしまうと思う。でも、僕にはそれが出来ない。
 毎日会社で忙しくて、時間的な余裕が無いと言うのもある。だが実のところ、僕は――それが例え猫であっても――命を預かる責任なんて持てなかった。見つけてしまった以上は放っておくわけには行かず、会社の行きと帰りに猫缶を置いておくようにしているが、死んでしまったらそこまでだなんて乾いた考えも持っていて、僕は自分でも、自分がやさしい人間なのか無味乾燥な人間なのかが分からなかった。
 社会が僕を変えた。なんて思いたくはないが、社会に出てから僕の何かが乾き続けているのは紛れもない事実で、僕は常に自分の心を動かしてくれる存在を渇望していたのである。それが、あるいは幽霊であり、あるいは猫なのである。
 彼女はミーミー泣きながら僕の足に擦り寄って来る。残念だけど、僕は君に手を伸ばすことは出来ない。例え手遅れになろうとも。

「電車が遅れることも考慮に入れて行動するのが社会人で、これは遅刻の免罪符には云々」
 上司のストレスのはけ口にされて三十分後、懐刀の遅延届けはビリビリに破られてゴミ箱に捨てられて、僕は資料室へ送られた。今日中に五千人ちょっとの顧客リストを照合し、現住所が会社に届けだされた書類と合っている事を確認しなければならない。資料室は三畳ほどの空間で、広々としたオフィスとは全く違う。トイレの隣にある部屋で、常にインクの臭いが充満している。
 上司曰く、終わるまでは出てくるな、だそうだ。僕はバスケットの中にはいったファイルから名前を調べ、それを棚の上に乗っかった無数の封筒の中から取り出して、住所を照合して。一件終わるのにだいたい三分位。これを全部やらなければいけないのかと思うと死にたく――はならない。負けたら終わりだ。
 扉の外から定時で上がる社員達の声が聞こえてくる。時々、扉がノックされて「すいません。先にあがります」という声が聞こえてくるのだけど、僕は返事することも出来ない。水を飲んでいない(資料室には持ち込めないから)せいで喉がガラガラで、言葉を発するととてつもなく痛いのだ。
 もう大分終わったなと思ったとき、オフィスの電気が落ちて扉の隙間から差し込んでいた光が消えた。扉がガチャリと閉まる音が遠くから聞こえて、その瞬間、足に力が入らなくなった。
 あと千件くらいは残っている。これを終わらせないと帰れない。終わらせる頃には日が昇っているだろう。僕は鞄の中に入っているコッペパンの存在を思い出し、急にお腹が減ってきた。
 でも上司の言いつけを守らないとクビになってしまう。部屋の外に置かれる鞄を取りに行くことは出来ない。僕は壁に背中をつけて膝を抱えた。全身に鳥肌が立ち、息が乱れた。だが涙も出なかった。乾いているからだと思った。

 それはとても朧気な景色だった。恐らく夢だと思う。
 線路にいた彼女が、この資料室に立っているのである。
 彼女は僕の額を優しくなでると、姿を消した。

 翌朝、僕は扉を叩く上司の怒鳴り声で眼を覚ました。なぜか僕の膝には仮眠用の毛布が掛けてあって、掛けてはいけないと言われていた内鍵がされてあった。僕は慌ててその鍵を開けると、上司はこんな朝まで何をしていただとか、なぜ鍵をかけただとか、そういう説教を始めた。本当に鍵をかけた記憶がないと言う事を告げると、一人の社員が「事務員がかけたのでは?」と言ってくれた。
「仕事の方は済んでるんだろうな」
 と、彼が資料室に入ってきたので、血の気がすーっと下がった。まだ終っていないところが沢山ある。次の怒声を覚悟していた僕だが、上司はバスケットの中のファイルが綺麗に片付いているところを見て「本当に全部終わらせたのか……」と感嘆した。彼が素直に感心する姿を見たのはこれが初めてだった。僕は喜んだというより驚いた。ファイルはまだ千件近く未照合のはずだったのに……。だが資料室の封筒には全て照合済みの印が捺されている。
 罰の悪くなった上司は「……君、泊まりがけだろう。今日はもう帰っていい。定時に上がったことにしておくから」と、僕を資料室から出した。
 会社の帰り道も、どうして仕事が全て片付いているのかが不思議で仕方なかった。誰かが代わりにやってくれたのだろうか。だがそれでも疑問が残る。内鍵を締められるのは、資料室の中にいる人間とマスターキーを持つ上司と事務員だけだからだ。彼らが小人さんのように仕事をしてくれたとは考えづらい。
 その時、僕は夢のことを思い出した。あの幽霊が資料室にやって来て、僕の代わりに仕事をやってくれた。突飛な考えに思えるかも知れないが、僕にはそれが一番納得のいく解に思えた。
 路地に入ったとき、ゴミ箱の横にカラスが異常に群がっているのを発見した。嫌な予感に駆られた僕は乱暴に鞄を振り回しカラスを追い払う。彼らが集まっていた場所には、殆ど手がつけられていない猫缶の姿があった。
 ゴミ箱の奥のほうから、汚れた子猫が一匹顔を出しミーと鳴く。今まで胸の中で渦巻いていた焦燥が安堵に代わり、僕は鞄を投げ出すと猫を抱き上げた。彼女に触れるのは、正真正銘これが初めてで、体からは獣の臭がした。でも、それは確かに暖かくて、生きていた。

 猫を抱いてホームに立っていると、やっぱり彼女が現れた。
 相変わらず、僕と彼女はそうやって見つめ合っている。
 彼女はきっと、サラリーマンを助けようとしているんだ。本当に疲れきったサラリーマンを死という安堵に導いて。だから彼女は僕のことを助けてくれたし、今も助けようとしている。
 この時間のホームは驚くほど人の姿が少ない。つい昨日、ここで一人の人間が散ったというのに、何事もなかったかのように電車が動いている。それはまるで、人を歯車としか考えないこの社会そのままのように思えて、吐き気を覚えた。黄色のランプが光り、電車が彼方に現れる。彼女は僕に手を伸ばす。
 僕は鞄を置くと、黄色いラインを踏み越えて、片膝を着く。ホームの端で電車を迎えようとしていた駅員が、走ってくるのが見える。僕は目一杯手を伸ばして、彼女の手をつかみ、
 思い切り引っ張り上げた。
 彼女に触れたという感覚はあったし、重さも多少感じた。彼女は線の外側に立ち、初めて僕と同じ目線に立つ。彼女は本当に悲しそうな表情をしていた。涙が流せるのなら流していたと思う。彼女もまた乾きすぎていて涙は出ないようだった。
 君がしていることは間違っていないのかも知れない。でも、死んでどうなる。何が変わる。――なにも変わらない。三十分後には電車が動き、次の日には存在忘れられる。
「ありがとう。でも、もう大丈夫だよ」
 彼女は電車が来る前に消えた。そしてもう、僕の前には現れなかった。


後書き
「手を伸ばす」という行為は度々「明るい例え」に用いられます。
この作品では手を伸ばすと言う行為によって生じる様々な面を多面的に書けたらいいなーって考えています。

そしてもうひとつのキーワードは「責任」です。
主人公は猫を助けたことで「責任が取れる人間」となります。今までは上司に怒られるからという
理由だけでコッペパンすら食べれない(生きていけない)主人公でしたが、幽霊との交友(※)が彼の心を成長させ
また、一時的な猫の死が引き金となり彼を人間的に成長させました。だからこそ、主人公は幽霊に助けられる(死ぬ)ではなく、
幽霊を助ける(線路から救い上げる)という道を選べた、というわけです。

※ちなみに、この幽霊は過労で自殺した人間の霊です。
それが分かる記述は『彼女もまた乾きすぎていて涙は出ないようだった。』ってところです。
社会で生きているとドンドン自分という人間が乾いていくと感じていた主人公。
幽霊は乾きすぎたがゆえに自殺し、以来仲間である「サラリーマン」の背中を押し続けているというわけです。

①時間くらいで書いた作品なので、結構稚拙なところもあるかもしれませんが、
ちょっと前に電車を乗っているとき、思いついたおはなしなので、こうして書けて満足です。

劇台本 タイトル未定

2012-08-22 07:00:27 | 小説
を昔ちょっとだけ書いたことがあるんだけど、
なんか今、ふと面白そうなネタが浮かんだからここにメモしておく。

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立てこもり事件を偶然発見してしまう刑事
パトカーの後ろで応援を呼ぶ。
巡回している仲間がこちらに十分で着くと言われる。
「貴様は完全に包囲されているー!」とメガホンで叫ぶ刑事。
犯人は人質を取っていて、拳銃をその人質の頭に突きつけながら「来るなー」と叫んでいる。
そこへ誰かが到着する。応援だと思って嬉々とする刑事。だがそこへやって来たのは
数十人のヤクザたち。立て篭もり犯は金を奪って逃げる途中、誤ってヤクザの事務所へ立て篭もり、
あまつさえ組長の愛人を人質にとってしまっていたのだ。
ヤクザは主人公の事を新しく事務所に入った人間だと勘違いしていて、主人公も数で圧倒されているため
せめて応援が来るまでは刑事という身分を隠さなければいけない考える。
非合法な方法で犯人を追い詰めようとするヤクザ達。匿ってやるだとか、逃がしてやるだとか、
その実主人公の刑事に「事務所から降りてきたらたまをとれ」と命令している。
ヤクザたちの説得に心が揺れる犯人。だがそこへ同僚の警官(制服バージョン)が来てしまう。
主人公に安安と声をかけてくる警官。まだ人数的に勝っていないし、ここで自分が警官であることがバレたら、
事務所の秘密(組長の愛人のことや死体の処理をする場所)などを知ってしまった自分は消されてしまうと考え、
同僚の頭に銃を突きつける。動揺するヤクザ達。事務所の中と事務所の外で同時に人質が取られる。
-------------------

こんな構図で話が進んでいく。
文化祭でどこかのクラスが劇をやることになったら、是非一言こえかけてもらいたいな(笑)

新作を書きなおしていたら

2012-08-14 01:40:16 | 小説
大幅な改稿になってしまったという罠。
でも妥協したら全て無駄になるから、13万文字全部を書き換える勢いで、小説を推敲していこうと思います。

そういえば部活に
推敲をしない
人がいます。なんでも、かつて自分の書いた(ある種黒歴史)物を見るのがイヤだからだそうで、
書きあがった物を読み返しもせずに校了原稿としてポイと提出してしまうそうです。
管理人は間違っていると思いますね。
作品にクオリティを求めるのならば、十回二十回の読み直しは当然です。
管理人は完成した作品の文章全てを暗記するくらい読み込みましたよ。
↑大げさに聞こえるかも知れないけど、きっとベストセラー足りえる小説は、皆これくらい読み直しされていると思う。

ノルウェイの森で、登場キャラクターが「五十年以上の時の洗礼を受けていない小説は、読むに値しない」とズバッと言いのけるシーンがあるのですけど、
これって、そこら辺の遺跡で発掘された1000年前の書物が「時の洗礼」を受けているってわけじゃありません。
この「時の洗礼」とは、50年の間読者の目を通して研磨されてきた作品ということです。
50年もの間売れ続ければ、その読者量は1億を数えるでしょう。
つまり一億回読まれているということです。
それだけ読まれた結果「この著は受け継がれるべきだ」と判断され、現代で息づいている。

勿論、管理人という人間は「一人」ですから、推敲にも限界があります。
ただ、管理人が1回推敲した小説と、十回推敲した小説、百回推敲した小説だったら。
その差は微々たるものであっても、100回こそ管理人の全力だと思う。
そして、大した差はないからと言って推敲をサボることは
大げさかもしれないけど読んでくれる人に失礼だと思う。

あと七万文字くらいあるけど、
管理人は推敲終えるまで眠りませんよぉー!

人工羊の方がやっと進んだよ

2012-08-08 19:11:30 | 小説
重要な序盤だったから、
沢山推敲したよ。そしてやっと25Pまで「十分」といえる改稿が出来た。
このブログを読んでくれている皆には、
ちょっと早く「賞用のあらすじ」の最初を公開してみたいと思います。



あらすじ
 坂田巡はセレンスト大学に飛び級進学した天文学者志望の学生だ。彼女はそこでエレーニン彗星の軌道計算を行ったところ、一年後には地球に衝突すると言う結果が出てしまう。その計算を勝手に大学教授が発表してしまい、それが後に間違いであったことが発覚すると、全責任を巡に負わせて大学から追放してしまう。
 自分の祖父が暮らす日本に戻ってきた巡は、彼の天体物理学の研究を手伝う日々を送るが、ある日、警察の依頼で向かった小河内ダム下流で謎の金属の円盤を発見する。誰が何の目的でこれを置いたのかを巡が調査することになる。
 一方、天文学を学ぶ高校生・灰負高貴は冬休みの部室開放のため、先生代理を学校に招くことになる。その代理として選ばれたのは、顧問の孫である坂田巡だった。巡は部室を開けるため天文学部部室へ通うことになるのだが、そこで新聞部の狭間文月がハッキングして手に入れた「奥多摩ウッズモンスター」という動画を目にする。それはスナッフビデオという名の人体実験だった。このビデオと今調べている金属円盤には何らかの関連があるのではないかと考える巡は、高貴の協力を得て、スナッフビデオの撮影場所を特定することに成功する。