そもそも茶葉は醗酵の度合いで種類が異なります。
茶葉には酸化酵素が含まれていて、葉を摘み揉むと葉の組織が壊れて醗酵を始める。この醗酵の度合いにより、緑茶(不醗酵茶)・白茶(弱醗酵茶)・青茶(半醗酵茶)・紅茶(完全発酵茶)・黄茶(弱後醗酵茶)・黒茶(後醗酵茶)。これに花茶と呼ばれる、花の香り付けがされたお茶を併せて7種類がお茶の分類としてよく知られている。醗酵の度合いでこれだけ色も味も違う。お茶の世界は深いですね。
緑茶は一番醗酵していない状態の茶葉ということになります。日本と中国では同じ緑茶でも風味が異なる。これはどうしてか。
日本の緑茶は醗酵を止めるのに蒸し、中国の緑茶は釜炒りすることで醗酵を止めるためだそうです。蒸すのと炒るのでは確かに料理でも全く風味が異なりますね。
蛇足ながら、白茶は白い産毛の生えた茶の芽や若葉を選んで摘み、乾燥させた後に火入れして発酵を止めたお茶。
黄茶は牛皮紙に包み悶黄と呼ばれる熟成工程を経て作られたお茶で貴重品。
青茶はいわゆる烏龍茶で色が烏のように黒く、龍のように曲がりくねっているため名付けられた。烏も龍も中国ではめでたい生き物でそのお茶が大切にされてきたことがわかる。
黒茶は醗酵を止めた後、ついたカビとともに寝かせ醗酵させてできたお茶で、その代表格ともいえる普洱(プーアル)茶は中華料理やさんでも今やベーシック。今回のお店では普洱茶も7年、12年、25年ものと3つのグレードがあって、年経るほど高価になっているのには驚きました。お酒と同じで寝かせるほどにまろやかになるのだろうか。
グレードでいえば、高山茶という名のお茶は、その名のとおり、台湾中部以南の海抜1000メートル以上の山でとれたお茶で、山が高くなるほどお値段も高くなる。高山茶→金萱茶→阿里山の順に高くなっていた。高い山のほうがおいしいのだろうか、それとも希少価値ということなのだろうか。
中国の山でとれる武夷岩茶は、武夷山の岩肌に生える茶樹から作られる野性味強い味と香りのお茶。中でも歴代皇帝が愛した大紅袍の老木は樹齢350年で今や3本しかないとあった。これも気になる。
花茶は、あまり品質のよくないお茶に花の香り付けをしたことに始まる。ジャスミンティなどとてもおいしいと思っていたが実は花の香りに見事にだまされていたらしい。
皆さんも、最近は様々な種類の茶葉をおいている御茶屋さんが増えたので、色々試して自分に合った味、好きな色を見つけてみてください。
中国での台子を使っての点前が日本の茶道の最高のお点前として残っており、今も口伝によってそれを師匠から弟子に伝えているわけですが、中国では今や残っていません。茶の発祥は中国なのに、何故中国で日本の茶道のようなしきたりが残っていないのか。
これには政治的な背景があるようです。中国では、皇帝の権力は絶大で、皇帝が変わると考え方・文化や嗜好が全く変わってしまいました。一方日本では、天皇は脈々と継承され、先祖のものを大切に伝えつつ、新しいものを加えていきました。日本の茶道は万世一系の史観により生まれ、中国の茶は、一世一代の史観により、道ではなく、芸という形で残ったと、三希堂のご主人はおっしゃいました。中国では一人一芸、お茶の入れ方が違って、それこそ人の数だけ、お茶の入れ方もあるのですよ、と。だから私の今日のお茶の入れ方がいいとはいえない。あなた流に入れて召し上がってくださっていいのですよ、とも。
日本は中国から茶道以外にも様々な文化を受け入れましたが、それは日本流に置き換えられ、日本だからこそ伝わってきた部分もあるのかもしれません。文化は民族によって様々に変化し、だから面白いですね。
もちろん、日本の茶道も学ぶ形や作法は皆同じでも、人により味わいが違うという意味では一人一芸といえなくもないかもしれません。
道と芸、考えたこともなかったのでとても興味深いお話でした。
写真は龍井茶の開いた茶葉です。三葉きれいにそろっているのがわかります。
<ご参考>
“茶”について
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/4ac598dd2b68c14946e6df15244f27cb
煎茶と抹茶
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/205fd67b465d4e2f00e0a52f60205302
茶葉には酸化酵素が含まれていて、葉を摘み揉むと葉の組織が壊れて醗酵を始める。この醗酵の度合いにより、緑茶(不醗酵茶)・白茶(弱醗酵茶)・青茶(半醗酵茶)・紅茶(完全発酵茶)・黄茶(弱後醗酵茶)・黒茶(後醗酵茶)。これに花茶と呼ばれる、花の香り付けがされたお茶を併せて7種類がお茶の分類としてよく知られている。醗酵の度合いでこれだけ色も味も違う。お茶の世界は深いですね。
緑茶は一番醗酵していない状態の茶葉ということになります。日本と中国では同じ緑茶でも風味が異なる。これはどうしてか。
日本の緑茶は醗酵を止めるのに蒸し、中国の緑茶は釜炒りすることで醗酵を止めるためだそうです。蒸すのと炒るのでは確かに料理でも全く風味が異なりますね。
蛇足ながら、白茶は白い産毛の生えた茶の芽や若葉を選んで摘み、乾燥させた後に火入れして発酵を止めたお茶。
黄茶は牛皮紙に包み悶黄と呼ばれる熟成工程を経て作られたお茶で貴重品。
青茶はいわゆる烏龍茶で色が烏のように黒く、龍のように曲がりくねっているため名付けられた。烏も龍も中国ではめでたい生き物でそのお茶が大切にされてきたことがわかる。
黒茶は醗酵を止めた後、ついたカビとともに寝かせ醗酵させてできたお茶で、その代表格ともいえる普洱(プーアル)茶は中華料理やさんでも今やベーシック。今回のお店では普洱茶も7年、12年、25年ものと3つのグレードがあって、年経るほど高価になっているのには驚きました。お酒と同じで寝かせるほどにまろやかになるのだろうか。
グレードでいえば、高山茶という名のお茶は、その名のとおり、台湾中部以南の海抜1000メートル以上の山でとれたお茶で、山が高くなるほどお値段も高くなる。高山茶→金萱茶→阿里山の順に高くなっていた。高い山のほうがおいしいのだろうか、それとも希少価値ということなのだろうか。
中国の山でとれる武夷岩茶は、武夷山の岩肌に生える茶樹から作られる野性味強い味と香りのお茶。中でも歴代皇帝が愛した大紅袍の老木は樹齢350年で今や3本しかないとあった。これも気になる。
花茶は、あまり品質のよくないお茶に花の香り付けをしたことに始まる。ジャスミンティなどとてもおいしいと思っていたが実は花の香りに見事にだまされていたらしい。
皆さんも、最近は様々な種類の茶葉をおいている御茶屋さんが増えたので、色々試して自分に合った味、好きな色を見つけてみてください。
中国での台子を使っての点前が日本の茶道の最高のお点前として残っており、今も口伝によってそれを師匠から弟子に伝えているわけですが、中国では今や残っていません。茶の発祥は中国なのに、何故中国で日本の茶道のようなしきたりが残っていないのか。
これには政治的な背景があるようです。中国では、皇帝の権力は絶大で、皇帝が変わると考え方・文化や嗜好が全く変わってしまいました。一方日本では、天皇は脈々と継承され、先祖のものを大切に伝えつつ、新しいものを加えていきました。日本の茶道は万世一系の史観により生まれ、中国の茶は、一世一代の史観により、道ではなく、芸という形で残ったと、三希堂のご主人はおっしゃいました。中国では一人一芸、お茶の入れ方が違って、それこそ人の数だけ、お茶の入れ方もあるのですよ、と。だから私の今日のお茶の入れ方がいいとはいえない。あなた流に入れて召し上がってくださっていいのですよ、とも。
日本は中国から茶道以外にも様々な文化を受け入れましたが、それは日本流に置き換えられ、日本だからこそ伝わってきた部分もあるのかもしれません。文化は民族によって様々に変化し、だから面白いですね。
もちろん、日本の茶道も学ぶ形や作法は皆同じでも、人により味わいが違うという意味では一人一芸といえなくもないかもしれません。
道と芸、考えたこともなかったのでとても興味深いお話でした。
写真は龍井茶の開いた茶葉です。三葉きれいにそろっているのがわかります。
<ご参考>
“茶”について
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/4ac598dd2b68c14946e6df15244f27cb
煎茶と抹茶
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/205fd67b465d4e2f00e0a52f60205302
みかんさんは中国茶苦手なんですね。今度中国緑茶を試してみて下さい。烏龍茶とは全然違う味わいですよ。
茶器は小さくかわいらしくて見ていて楽しかったです。
お茶の世界は日本だけじゃなく広いなーって思いました。
烏龍茶とかプーアル茶もほとんど飲めないですね。
半発酵が苦手なのかもしれないです、独特のクセがどうもダメで。
ジャスミンティーは平気なんですけど、ごまかされてたのか~^^;
中国茶って種類も多いし、いろいろ試せば気に入るのかもあるのかもしれないですね。
あの茶器セットで贅沢ないれ方は素敵だと思います~