茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

ホンモノ探し

2006-01-11 21:29:40 | m-tamagoの物想い
 最近、いつからこんなに人は誇りを失ってしまったのだろう、平気でウソが横行する世の中になってしまったのだろうと思う事件が多い。お手本とならなくてはいけない大人がこの有様、自分の将来にも不安を感じるが、未来ある子供達に残すものは負債ばかりのようで悲しくなる。どの世界でもホンモノを見つけることが難しくなってきた。
 自己責任という言葉が都合よく使われているが、一々疑わなくてもいいような曖昧でない、ごまかしのないシステムやモノを構築してほしいといつも思う。所詮人ごと、と思うからいい加減になるのだろうか?聖人君子ではないので私もいい加減なこともするし、社会にはグレーなことや駆け引きが多いこともわかるが、社会人の一人一人が自分のしている仕事や行動にもう少し誇りと責任をもってほしいと願わずにはいられない。

 何事も“これでいいや”と思った瞬間に甘えが生じ、どんどんいい加減になっていく気がする。茶道初め日本文化には約束事が多い。それらが敷居が高いとか面倒と思う原因にもなっているが、一方でそれらは自分やその世界を律する為のボーダーライン、けじめ、メリハリであると思う。だからこそ守るべきもの、伝承されるべきものなのだろう。無駄だと思うことや時間がかかる面倒な事にこそ真心がこもっていたりする。何をいい加減にしていいか、してはいけないのか、何処までならいい加減にしてもいいレベルなのか、その見極めをきちんとできる大人になりたい。

 いわゆるブランド品の消費は不況でも落ちないという。確かに高いものはいいものであることは多く、高いものやブランド品をもっていることで得られる優越感というのもある。私自身は20代の頃ブランド品に興味がなく、安くても自分に似合うものがあると思ってきたが、30代になっていくつかブランド品を買い求め、身に付けるようになった。実際身につけると手抜きをしていないモノが多く、やはり高くてもいいものだと感じるようになった。だからといってブランド品全てがいいわけではないし、ホンモノであるとも言えないと思う。

 私の先生は高価で歴史のあるいい茶道具をたくさんお持ちだが、旅先で求めた思い出の品や人から頂いたものなど、上手に取り合わせて茶会に使われる。モノに込められた気持ちを大切になさっているなと感じることが多い。 
 私も道具や身の回りのものを選択する時、ブランド名や値段ではなく、自分が本当に好きかどうか、自分にとってホンモノなのかどうかを見抜き、ずっと大事にできるものを選べるような目利きになりたい。そのために、自分自身、知識的にも精神的にも精進しなくては、と思っている。
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4 コメント

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わたしもそう思います。 (りっちゃん)
2006-01-12 11:16:11
ホンモノについてですが、お道具に関していえば、古いものは、それまでにいろいろな人の手にふれ、今があるので、やはり、趣があるといいますか、ただ、求めることができれば、それに超したことはないのでしょうけれど、なかなかお値段のはるものが多く、また自分がそれを気に入っているのかどうか、自分にとってホンモノかどうか、おっしゃるようにです、それが大切なように思います。なるべくものをみる、という機会をふやしていこうと思う今日このごろです。

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ホンモノ (m-tamago)
2006-01-13 21:53:36
りっちゃんさん、こんにちは。

コメントありがとうございました。

確かに古いお道具は趣もあり素敵なものが多いですね。

私も色々なものを見に行く機会をふやそうと思います。

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Unknown (albireo)
2006-01-16 20:34:02
僕も、ブランド品には殆ど興味がありません。

ただ、道具・・・例えばナイフや包丁といった刃物などは、いいものとそうでないものとの差が歴然としています。

手に馴染ませて使う道具は、やはりいい品物を選ばないといけないと思います。

もっとも、上を見れば切りがないという事もありますが・・・。
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ホンモノ (m-tamago)
2006-01-16 23:58:40
昔かたぎの職人さんが作ったものなど、手になじんで使いやすかったりしますよね。

確かに上を見れば切りがなく。。。自分にふさわしいレベルで自分らしく使いこなせるのが幸せなのかも。

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