茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

もみ手

2005-11-29 20:42:08 | 茶道マメ知識
 最近旅行記続きでしたので、今日は茶道のお話を。
 柄杓の扱い方は、弓道の動きを取り入れたものとお話したが、これ以外にも点前の中には特殊な手の動きがいくつかある。
 例えば、唐物茶入を扱う時、”もみ手”をする、真の点前で茶碗を入れてある仕覆を扱う際、“指草清(ゆびそうせい)”をする、など。
 これらは仏教での塗香(ずこう)や、草清(そうせい)、露祓い(つゆはらい)からくると言われる。つまり、大事なものを扱う際の清めの儀式のようなものであり、更に大事なものを扱う前に手の動きを良くする運動と言われる。つまり粗相のないよう気持ちも手の具合も整えるということだ。

 もみ手は両手を組み合わせてもむようにする所作。最初もみ手を見た時、不思議さと共に荘厳さを感じた。これから大切なことがおきるというような。自分がやるようになると、なかなか美しく見えるようにするのは難しい。ともすると、人にヘコヘコ媚びへつらう時に手をさする感じに見えてしまうのだ。背筋を伸ばして自分の手を見つめじっくりともみ合わせる。夏は感じないが冬の寒い時期はこれをすることで、唐物を扱うという心の準備もできるし、実際冷えた指先を温め手の動きをよくすることができる。よくできたものだと思う。
 指草清は親指と人差し指の先を輪を作るようにくっつけ、右と左の指先をつまむように重ね合わせる。これも背筋を伸ばして胸の高さ辺りで。大切な天目茶碗を扱う前の所作である。

 意味がないようで、実用面と精神面と2つの意味を持っている。習った当初は言われるままにやっていた所作だが、意味を知り、回数をこなすほどに様になっていくもの。
 最初にもみ手をした時、皆さんはどんな印象をもちましたか。
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6 コメント

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確かに! (sumiyo)
2005-11-30 00:12:28
初めて先輩がもみ手をしているのを拝見した時、!?と思いました。素直に感情のまま表現すると、なんじゃこりゃ!という感じですね(^^;(お稽古を始めた頃はそれこそ何もかもがなんじゃこりゃ!不思議~!という感じでしたが。)

そして、初めて自分が“もみ手”をした時、先生から言われたのは「本当に心を込めてもみなさい」というようなことだったと思います。

お道具の格が高くなるにつれて、自分自身の内面や所作の格も高めて行かなければいけないことを学びました。

でもそれだけではなくて、冬場は冷えた指先を温め手の動きをよくすることができる、という実用面も兼ねていたなんて、今日はまた一つお勉強させていただきました♪
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確かに不思議 (m-tamago)
2005-11-30 20:34:12
sumiyoさん、こんにちは。

確かに初めて見たもみ手はなんじゃこりゃ!ですよね。

茶道の動きはそういうものが多いですが、実用・精神面とも意味があるものがほとんどなので、あとで感心してしまうのです。いつもほぉ~、連発です。



お道具の格が高くなるにつれ、自身の格も高める、おっしゃる通りですね!

頑張らなくては。

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もみ手 (りんず)
2005-12-01 00:03:48
先日の研究会で台子の天板に仮置きした茶入を

取りに行く際、もみ手をしながら手ではなく

つい一瞬茶入を見てしまいがちであると言われていました。

確かについ次の動作を考えて、目が先走っているのか

結構皆さんそうされているとの事で、一瞬の事ですが

気をつけるようにと業躰先生に言われていました。

取りに行く手も、茶入を見ながら手を動かすのではなく、

手を見ながら茶入を迎えに行くのだそうです。

私も以後、気を付けたいと思っております!
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なるほど (m-tamago)
2005-12-01 20:06:05
りんずさん、こんにちは。

業躰先生の貴重なご注意を教えて頂き、ありがとうございます。なるほど~。私もこれから気をつけます。

確かに、もみ手だけでなく、私も次の手順と思ってついつい目がそっちに行ってしまうことがよくあります。あまり意識していませんでしたが、業躰先生はさすがによくご覧になっていますね。いいお勉強になりました。
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大気の気 (雨点)
2006-03-22 21:35:22
芝手水  ドラゴンボールの孫悟空の元気玉



まさしくそれが 揉み手



大気の気を大きく手を広げ 掌(たなごころ)に集め 自身を清める



その動作が揉み手 山の上に身を置き 大気の聖なる滴を集め清める それが揉み手 そう  教えられました
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もみ手 (m-tamago)
2006-03-23 21:46:18
ドラゴンボールは見ていないのでよくわかりませんが、手は昔から大きな意味をもっていたのでしょうね。

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