カエサルの世界

今年(2019年)1月中旬から「休載中」ということになっているのだけど、まあ、ときどき更新しています。

救急救命法

2011年10月03日 | ☆その他いろいろ 

 職場の研修で、救急救命法の勉強をしました。意識を失い、呼吸をしていない人に対する処置のしかたです。
 「意識を失っている」というのは、肩を叩いたりしながら呼びかけたりしても反応がないということ。
 「呼吸をしていない」というのは、息が完全に止まっているということではなく、通常の、規則正しい息をしていないということなんだそうです。


 胸骨圧迫(心臓マッサージ)を30回、人工呼吸を2回・・・というのが基本パターンだそうです。
 特に重要なのが胸骨圧迫である・・・と、カエサルは理解しました。


 胸骨圧迫。要は、胸を押すということです。
 強く押す必要があるみたいです。5cmだそうです。そのへんの感覚は、ちょっと理解できませんでした。だって、意識のある人間の胸って、ちょっとやそっとの力で押しても、そんなにへこまないよね。でも、意識を失っている状態だと、そういうことができるみたいです。このお人形さんも、かなりの力はいりますけど、へこみました。
 とにかく強く押せ・・・と、教わりました。それで、胸骨が折れたらどうするんだ・・・などということは考えない方がいいみたいです。放っておけば確実に死ぬんだから、胸骨が折れるくらいのことは何でもない・・・と考えるんだそうです。語弊はあるかもしれませんけど、救急救命法っていうのは、そういう世界での技術のよういです。
 強く押すためには、肘を曲げないのがコツみたいです。腕の力で押すのではなく、体全体の、体重をのせるような感じで押す・・・と理解しました。とにかく、力がいりますね。体重も必要だと思いました。同僚の女性職員がやっているのを見ると、どうしても、浅いですね。
 カエサルも、やってみました。カエサルの場合、体重が3桁ありますからね。それほど苦労をせずに押すことができました。でも、講師の先生から「ものには限度というものがある」と注意されちゃいました。「弱いよりはいい」とも言われたんですけどね。まあ、感覚は掴んだと思っています。本番では、うまくやるよ。


 胸骨圧迫は、強く押すだけではなく、早く押す必要があるそうです。1分間に100回。単純に言っちゃうと、1秒間に2回ということになります。かなりのペースです。しかも、休んではいけないそうです。かなりの重労働です。このときは1分間だけやってみたのだけど、実際は、呼吸が回復するまで、もしくは、救急車が車で、延々と続けねばならないということになります。はっきり言って、1人だけでやるのは無理だね。
 でも、カエサルはけっこう自信があります。さっきも書いたけど、体重がありますからね。それほど苦労をせずに圧迫を続けることができるだろうと思いました。


 胸骨圧迫の次は、人口呼吸です。
 まずは、気道確保。要は、あごを上に向けてやるということです・・・と、カエサルは理解しました。人工呼吸をするときには鼻をつまんでやらねばならないわけで、鼻をつまんで、それを下に(額の方に)ひっぱってやればいいんだな・・・なんて思ったりしました。
 どうしてそうしなければならないのか、理屈はよくわからないのだけど、なるほど、そうした方が空気が通りやすいだろうな・・・という気はしました。こういうものは、理屈じゃないんだと思います。実際に、現場で、そのような動作ができるかどうかだと思います。えーと、どうやるんだっけかなぁ・・・なんて考えていたら、意識を失っている人、そのまま死んでしまいます。


 この実習では、人工呼吸をするときに、使い捨てのガーゼを使いました。でも、ふだんからガーゼを準備している人なんていません。ハンカチでいいんですよ・・・と教わりました。写真では、タオル地のハンカチですけど、これくらいも許容範囲とのことです。お風呂で使うようなタオルだと、ちょっと厚すぎるかな・・・ということでした。
 カエサルの理解では、ガーゼも、ハンカチもいらないということになります。ただの気持ちの問題ですね。もちろん、とっても大きな問題なんですけどね。でも、無視していい問題だと思いました。


 人工呼吸、とっても難しいと思いました。
 つまりは、キスをするということですからね。人前で、見知らぬ人に対してキスができるかどうか・・・と、そう考えていいと思いました。家族とか、友人・知人ならともかく、道ばたに倒れている見知らぬ人にキスができるかどうか。ましてや、その相手が若い女性だったりしたら、周りの人たちからどう思われるでしょう。はっきり言って、カエサルには自信がありません。
 でも、それをやらねば、相手の人は死ぬんだよね。そういうのが、救急救命法の世界だと思いました。


 ここで、AEDの登場です。
 AEDの使い方は、簡単です。パットをつないで、倒れている人に貼り付けて、スイッチを押せばいいのです。音声ガイダンスにしたがって、その通りにすればいいだけの話です。
 講師の先生、素晴らしい機械だと言っていました。自分が苦労して身につけてきた知識や技術は何だったのか・・・なんて要っていました。でも、万能の機械ではないと言っていました。先生が実際にAEDを使ったのは60回くらいなんだそうですけど、そのうち40回くらいは手遅れだったそうです。


 カエサルの職場にもAEDはあるのだけど、誰かが気を失ったりして、すぐにAEDを持って来ようとしても、実際にAEDが来るまでには数分ないし数十分の時間はかかるだろうと思います。その間、胸骨圧迫と人工呼吸は続けねばなりません。1人だけではできません。チームワークが必要です。
 ①周囲の人に協力を求める。
 ②そのうちの1人に、119番に連絡してもらうように依頼する。
 ③他の1人に、AEDを持ってきてもらうように依頼する。
 ・・・といったことを、胸骨圧迫を続けながら、こなさなければなりません。難しいですね。とっても難しいと思います。でも、そうしたことができなければ、倒れている人は死にます。
 できることなら、カエサルがリーダーシップをとらねばならないようことにはなって欲しくないです。誰かが、お医者さんとか、救急救命士さんとかがリーダーシップを取ってくれるならば、そのお手伝いくらいはできるような気はするのですがね。


 さすがは、カエサルの職場の同僚たちですね。みんな、真剣な表情で研修に臨んでいます。
 ・・・と言いたいところだけど、正直なところ、けっこう温度差があるような気がしました。身近に、こうしたことで亡くなった人がいるかどうかの違いなんじゃないかと思ったりしました。
 カエサルの場合、10年くらい前の話ですけど、大学の後輩が亡くなっているんですよ。彼が40歳になるか、ならないか、というときですね。前日までふつうに生活していて、その日もふつうに家を出たのだけど、駅で、突然、倒れて、そのままということになってしまったそうです。お子さんが4人、いずれも女の子で、「1人くらい男の子が欲しいな」なんて言っていたんですけどね。

 たった2時間ほどの研修を受けただけなのに、偉そうなことを書いてしまいました。理論的なことについても、技術的なことについては、まったく自信がありません。誤謬に気がつかれた方、ぜひ、コメントをお願いします。

 でもね。率直な感想として、本当に恐ろしいことだと思いましたよ。
 カエサルによこしまな気持ちがあるからかもしれないけど、若い女性が倒れていたらどうするか・・・と考えてしまったのです。胸を押して、キスをして、AEDのパッドを貼り付けるためには服を脱がさねばなりません。周囲の目がある中で、いや、むしろ人がいっぱいいる方がいいのかな。人気のない夜道で倒れている女性を発見したときに、そういうことができるのか。相当の、相当に相当の勇気が必要だと思いました。恐ろしいことです。


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