カエサルの世界

今年(2019年)1月中旬から「休載中」ということになっているのだけど、まあ、ときどき更新しています。

■篆書の心

2018年01月09日 | ☆おえかき    

 ペンタブお習字です。今回は、篆書(てんしょ)に挑戦してみました。

 あるイラストを見ているうちに、そのバックに使われていた文字のことが気になってきたのです。こういう書体、何て言うんだっけ?と思って調べてみたら、篆書であるということがわかりました。
 篆書は、(中国の)戦国時代に発展・整理された文字なんだそうです。現在でも印章などに用いられていて、古代文字でありながら現役の文字であるということになります。
 ふーん、そうなんだ・・・などと思ったりしていたのだけど、そのうち、読みたくなってしまいました。


 ウィキペディアに64文字が例示されていたので、イラストと見比べてみたところ、「天」と「不」はわかりました。今にして思うと「有」と「無」もあったのだけど、そのときは気がつきませんでした。
 シャチハタのホームページに、ふつうの文字を篆書体にしてくれるというページがあったので、適当な文字を入力して出てきた篆書体をイラストと見比べてみたりして、「美」とか「而」とかがわかりました。でも、「下」とか「悪」なんかはかなり字形が違うので、同じ字だとは思いませんでした。
 決め手になったのは、最後の方に出てくる「弗居」ですね。これをグーグルで検索してみたら、老子の第二章であるということがわかりました。「やったぁ!!」という感じでしたね。
 ここまでに半日かかりましたよ(笑)


 せっかくなので、書き下し文を載せてみます。いろんなサイトに出ているのだけど、若干の違いがあるので、カエサルの責で適当にまとめてみました。

 天下 皆 美の美たるを知るも、これ悪なり。
 皆 善の善たるを知るも、これ不善なり。
 故に 有無 相生じ、難易 相成り、長短 相形べ、高下 相傾き、音声 相和し、前後 相随う。
 是を以って聖人は、無為の事に処り、不言の教えを行う。
 万物 作りて辞せず、生じて有せず、為して恃まず、功成りて居らず。
 夫れ唯だ居らず、是を以って去らず。


 和訳も載せたいと思ったのだけど、サイトによってかなり解釈が違う(と、カエサルには思えた)ので、無理はしないことにしました。


 せっかく読めるようになったので、ペンタブでトレースして書いてみようと思いました。
 全部で87文字だったので11文字×8行という形にしたのだけど、1文字分のスペースが余るので、落款みたいなのを入れちゃおうと思いました。


 落款として使った文字は、これです。「心」です。
 ウィキペディアの64文字の中に入っていたんですけど、これを見つけたときは目を疑いました。老子第二章の中にはないんですけど、「悪」の「したごころ」とか、「恃」の「りっしんべん」として、この形が出てきます。
 カエサルの目からは卑猥な落書きにしか見えないんですけど、これが、篆書体での「心」なんですね。
 孔子も老子も始皇帝も「心」をこう書いていたはずです。書きながら、「これ、アレに似てるよな」などと思っていたかもしれません(笑)

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