読了。田中慎弥氏の切れた鎖。
「不意の償い」「蛹」「切れた鎖」の三編収録。
不意の償い
男は、父親になる事に不安を覚え、恐怖し、狂気に至る。最後は産気づいて破水した妻を、必死こいて病院に運び込む。
蛹
父親の大いなる意志を感じながら、何故か成虫になれないカブトムシ。そんな自分は蛹の状態だと悟る。
切れた鎖
これは、難解でした。理由は、誰の主観かを見失う事があった事。何時の時間なのかを見失う事があった事。
再読すれば、解決する問題だと思います。
しかし、最近は本を読んでもすぐ脈絡を忘れます。オッサンになって記憶力が落ちてきたからです。
だったら、初めて読んだ時の感覚を大切に憶えておきたいです。
「蛹」は第34回川端康成文学賞受賞作。