読了。J.D.サリンジャー 村上春樹訳 キャッチャー・イン・ザ・ライ。
ホールデンの問いかけの多くに賛同、共感する事ができませんでした。
それは彼は16歳。私は36歳だからです。
彼の求めるものの、正解とは言えませんが「成り行き」を私は、知ってしまっている。
印象的だったのは、やはり、ホールデンが、幼い妹に自分が「何もの」になりたいかを説く場面。
そして、ホールデンが、昔の英語の教師からもらった一文。
「未成熟なるもののしるしとは、大義のために高貴なる死を求めることだ。
その一方で、成熟したもののしるしとは、大義のために卑しく生きることを求めることだ。」
この作品は、尾崎豊氏が自分の創作物が、独りよがりではありやしないかと、求めすがったものであると聞いた事があります。
彼は破滅的な若者の歌を歌いながら、その心は赤子から、じぃさん、ばぁさんまでの魂の共振を求めていたのかもしれません。