予定通り、予定外。

ペット達と読書の記録。

光媒の花。

2013-12-30 15:39:11 | 本 2013

読了。道尾秀介氏の光媒の花。
連作短編集。
氏の作品はまだ、月と蟹と本作の二作しか読んでいません。
もし、氏が私の思う様に、ひょろ長い身体に掠れた声の、ひどくアンバランスな存在のモノの世界を切り映す事が上手な作家さんであるならば、本作はその真骨頂と言えるのかもしれません。
早く、他の作品を読んで、それを確かめなければならないと思いました。


ホテルローヤル。

2013-12-16 20:27:18 | 本 2013

読了。桜木紫乃氏のホテルローヤル。
ホテルローヤルと言うラブホテルを背景にした七つの物語です。
ホテルローヤルは、暗く、湿って、寒い、そんな閉塞感を帯びながら物語ります。
しかし、どの物語も最後は、止まった時計が動きだす様に、人が目覚めます。
それが、読み手には救いだなと思っていると、なんと動き出した時計は作者が仕掛けた時限爆弾だったのです。
いつ爆発するかは、読み手の勘次第だと思います。
私は、読み終えてから、「あっ。」チュド~ンでした。

第149回直木賞受賞作。

爪と目。

2013-11-23 16:40:56 | 本 2013

読了。藤野可織氏の爪と目。
面白かったですね。
感想としては、私はよく村上春樹さんの作品をネタにするのですが、氏の作品は「繋がっているからね。」がテーマになっているものが多いです。まぁ、はっきりとした言葉を選べば、集合的無意識に対するアプローチでしょうね。
では、人は個であり、深い部分では繋がりを求める事はできない。孤独に対するアプローチはどうでしょう。
○、×をつける対比ではありません。
しかし、何やらどちらからも普遍性は漂うのです。
つまり、おなじ。

第149回芥川賞受賞作。