The Viewpoint of LS-KIPPS

気になる新聞記事や本について、私の視点で書いています。

LS KIPPS 板倉克典

医療風景の変化

2017-10-06 | ブログ

 

東洋経済の記事より

 

ものすごいスピードで高齢化が進んでいる日本

日本の総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は、27.3%(2016年9月15日現在)

下図は 「主要国の高齢者の割合の推移」 を表しています

総務省統計局HPより

1995年ではどの国も高齢者の占める割合は15%ほどですが、

2015年になると日本は突出して高齢者の割合が高くなっているのが分かります

 

世界一の超高齢社会

 

日本の1920年と2015年の人口ピラミッドを見てみると

見事に 『富士山型』 から 『つぼ型』 へ変遷しています

 

総務省統計局HPより

 

人口の話ばかりしていますが・・・伝えたい内容は

「高齢者が増えることにより、将来の医療需要が変化して、

これまでの医療の柱であった【高度急性期】の需要が減り

【回復期】にあたる病院の需要が増してくる」 という内容

 

 高度急性期:急な病気や怪我、 持病の悪化などで 緊急に治療が必要な状態である患者さんに対して、 入院や手術、検査などの専門的な医療を行う段階

 回復期:高度な手術はせず、在宅復帰に向けた入院医療やリハビリテーションを行う段階

 

 厚労省HPより

 

2025年には 「団塊世代」 のすべてが後期高齢者にあたる75歳以上になりますので

患者さんの 【回復期】 を担う病院(病床)で働く医師が必要になってくるということです

団塊世代:1947年~1949年生まれ

団塊ジュニア:1971年~1974年生まれ

 

 医師は、高度急性期の病院で働くことが花形のようなイメージがあります

ドラマのせいかな 「振り返れば奴がいる」 「白い巨塔」 「医龍」 「ドクターX」 などなど

 

今後、【急性期】【回復期】 の医療需要の変化により、高度な医療技術を身に付けて

医学部を卒業したけど、【回復期】 にあたる現場で働くことになるとは・・・

という状況が生まれかねません

地域ごとの医療ニーズ(需要)に応じて、病院の機能を分化させていく必要があります

 

記事で印象的な言葉がありました

医療需給のギャップについて

「高級すし職人として育成された人が、大衆食堂で肉じゃがを作る仕事をやりたがるだろうか?」

確かにそうだ・・・

患者さんの 【回復期】 を担当する医師に派手さは無いでしょうけど、

求められている以上、「人のために役立つ」 という精神に変わらないはず

どんな業界でもそうであるように、時代と共に求められる医師像も変化していくということですね