監督 デヴィッド・フィンチャー
キャスト ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、ステラン・スカルスガルド、ロビン・ライト・ペン、エンベス・デイヴィッツ、ジョエリー・リチャードソン、ゴラン・ヴィシュニック、ジュリアン・サンズ、ジェラルディン・ジェームズ
2011年 アメリカ、スウェーデン、イギリス、ドイツ
ジャンル:サスペンス、ミステリー、リメイク
【あらすじ】
とある財閥一家の家族史編纂を依頼された社会派ジャーナリストと社会を憎む天才的女性ハッカーが、40年前に起きた少女失踪事件に端を発する猟奇殺人事件の真相究明に挑む
【感想】
つい先日、オリジナルを鑑賞しているのでオリジナルとリメイク、両者の細かい違いにまで気がつくことができました。そのため両者の相違点を中心に書くことにします。
オープニングの映像や音楽からしてデヴィッド・フィンチャー色の強いものになるのかと非常に心配しておりました。しかし以降は大人しかったように感じました。原作を尊重して雰囲気を壊すことなく忠実に作ることを意識していたのでしょう。この判断は正解でした。
以下、オリジナルとの相違点になります。
・ミカエルは失踪した女性と面識がない。(オリジナルは少年時代のあこがれの存在)
・失踪事件の調査であることを隠して依頼主の自伝の執筆のためであることになっている。
・娘が宗教にはまっておりそれがヒントへの糸口となる(オリジナルは全てリズベットが発見)
・ラストがリズベットのミカエルに対するほろ苦いエピソードが追加されている。
本当に些細な違いなのですが、ニュアンスは違ってきます。特にラストはオリジナル2作目で二人が事件後すっかり疎遠になってしまったといきなり説明されるため疑問に思ったのですが、本作のおかげで全て解決しました。オリジナルはこのシーンをカットすべきではなかった。またオリジナルは2人の出会いが強引すぎたのに対して本作は自然な形でした。
役者に関しても比較しておくとリスベットに関しては本作の方が癖はないです。逆に言うと個性は弱い。私はオリジナルは個性が強すぎてミステリーの部分に集中できないと感じていたので本作の女優さんがちょうどよかったです。逆にミカエルに関してはダニエル・クレイグ演じる本作の方が派手さがあります。オリジナルのミカエルが平凡すぎるといったほうが正しいのかもしれません。
ピアース・ブロスナンがジェームズ・ボンド在任期間中に他の映画に出ていると物凄い違和感があったのに対し、ダニエル・クレイグはいつも普通に溶け込んでいます。本作に関してはいいことなんでしょうけど、ボンドらしくないという批判が消えないのはこういう所から来ているのだろうと思います。
作品の出来に関する優越は原作を未読であることもあって判断し難いですが、リメイクである本作の方が監督の役者の知名度が手伝って人気は高いだろうなと思います。私もラストシーンの有無によって本作に軍配が上がりました。
お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆
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