映画を見ながら株式投資

今の時代に起きていることを正しく認識し、自分なりの先見の明を持つ。

ボーン・アイデンティティー

2008-09-27 14:17:33 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ダグ・リーマン
キャスト マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、クリス・クーパー、クライヴ・オーウェン、ブライアン・コックス、アドウェール・アキノエ=アグバエ
2002年 アメリカ、ドイツ、チェコ
ジャンル:アクション、サスペンス、ミステリー

【あらすじ】
海上を漂っていた瀕死の男(マット・デイモン)がイタリア漁船に救われる。語学に堪能で、自己を守るための武術と頭脳に優れている彼だったが、記憶を喪失し、自分の名前や経歴すら思い出せない。唯一残されていた銀行の名前と貸金庫の番号から、スイスへ赴いた。そこには“ジェイソン・ボーン”名義の身分証明書と他にさまざまな国籍のパスポート、大量の現金、拳銃が眠っていた・・・。そして、時を同じくして、アメリカではCIAが彼を抹殺する指令を出していたー!?

【感想】
元々スパイ映画が好きだというのがあるのですが、このシリーズは3作とも好印象です。
人気漫画を映画化したような内容だと思います。つまりリアリティはないが、作品として盛り上がる部分があって面白い。

リアリティはないと書きましたが、具体的には主人公マット・デイモンが一人だけ異常に強い(ジェームス・ボンドやスティーブン・セガールには到底及びませんが・・・)のとアクションが派手で現実離れしていることです。ただし主人公は驚異的な身体能力だけでなく、行動に関する賢さを伴っているので、その分、他の同系映画の主人公よりはシャープさが感じられました。マット・デイモンは実際にハーバード出身のインテリですから説得力はあると思います。アクションについてはハリウッド映画特有のあの一歩間違えるとアホかと呆れられてしまうような派手さよりは抑えているので、すんなり入り込めました。

一つ間違えれば全体のバランスが崩れてしまうところを上手に調節できていたのだと思います。(CIAの行動だけは少しやりすぎだったかも。)
ラストではこれで一件落着かと思ってしまいますが、続編を見た後となってしまえば、これは始まりに過ぎなかったりします。なのでここで鑑賞を終わらせてしまうのは少しもったいないかもしれません。本作が気に入ったのであれば、スプレマシー、アルティメイタムも十分に楽しめると思います。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

ボーン・アイデンティティー (ユニバーサル・ザ・ベスト第8弾)

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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48時間PART2/帰って来たふたり

2008-09-24 12:37:50 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ウォルター・ヒル
キャスト ニック・ノルティ、エディ・マーフィ、ブライオン・ジェームズ、エド・オロス、バーニー・ケーシー、アンドリュー・ディヴォフ
1990年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、サスペンス、シリーズ

【あらすじ】
暗黒街の顔役を追う刑事ジャックは、かつてコンビを組んだ囚人レジーが狙われていることを知る。

【感想】
黒幕の正体が気に入らないし、あまりに強引過ぎる設定等色々と不満はあるのですが、基本的に前作「48時間」がとても好きなので再びこのコンビを見ることができて満足しております。「前作が好きなので、この続編は許せない」という続編映画も沢山ありますが、不思議と本作についてはそれは感じませんでした。世間一般的な評価と比べると点数は甘いです。

泥臭く犯人を挙げる事に執念を燃やす刑事ドラマは最近ではすっかりなくなってしまったと思います。見たいと望んでいる人も少なく完全に時代遅れなのかもしれません。それだけにこのような映画が好きな私にとっては貴重な存在だったりします。

前作から8年後の続編ですが、その間にニック・ノルティとエディ・マーフィの役者としての力関係が逆転してしまったので、それが作品にも色濃く出ていたと思います。その影響もあってか地味な殴り合いが減った代わりに、派手な銃撃戦やビルから飛び降りたり、車で映画館を強行突破したりと大袈裟なアクションシーンが増えたように感じました。三人の悪役については、容姿的にどう見ても悪人にしか見えないので迫力がありました。よく見つけてきたなと思います。

その他の問題点については色々と指摘されているのでここではあえて取り上げません。あくまでこのシリーズが好きだということでこの点数です。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


48時間 PART2 帰って来たふたり

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

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インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

2008-09-17 14:05:25 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ニール・ジョーダン
キャスト トム・クルーズ、ブラッド・ピット、キルスティン・ダンスト、スティーヴン・レイ、アントニオ・バンデラス、クリスチャン・スレーター
1994年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、ホラー

【あらすじ】
ジャーナリストのマロイの前に、自分は吸血鬼だと名乗る男ルイが現れる。そして彼は、自分を吸血鬼にしたヴァンパイアのことを話す。その吸血鬼レスタトは、共に永遠の命を生きる相手としてルイを選んだが…。

【感想】
意地の悪い言い方をすれば、人気爆発で飛ぶ鳥を落とす勢いだったブラッド・ピットがトム・クルーズと共に美形の吸血鬼役を演じて、これなら嫌でも公開前から話題になるだろうなという話題先行型の映画です。
このタイプの映画は評論家やアンチ人気俳優によって事前に酷評される傾向がしばしば見受けられるのですが、本作は意外と評判は悪くなかったと記憶しています。私自身不思議と印象に残っている映画です。

200年以上生き続けているヴァンパイアが記者からその生い立ちに関する取材を受けるので「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(洋題も同様)というタイトルがついていますが、シナリオ上、このインタビューについてはラストを除いてほとんど重要ではありません。なぜこのタイトルなのか少し理解に苦しむ所ではあります。

役者に目を向けてみると、ヴァンパイア役についてはブラッド・ピットよりもトム・クルーズの方がはまっていたと思います。ここはやはり貫禄の違いでしょうか。また子役でキルスティン・ダンストが出ていますが、子供なのにやけにおばさん臭い顔をしているので、20年経っても成長せずに子供のままという設定にはとても合っていたと思います。この人も年齢の割りにキャリアが長いですね。他にもアントニオ・バンデラスやクリスチャン・スレーターが脇役ですからとにかく役者が豪華な映画でした。

一方で、映像そのものがあまり綺麗ではなかったのが残念です。吸血鬼映画は人物は当然として、衣装や建物を含めた映像に華やかさが求められると思うからです。
豪華キャストなので間口は広い映画であることは間違いありません。コッポラの「ドラキュラ」よりはこちらを薦めます。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

ワーナー・ホーム・ビデオ

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キングコング(1976)

2008-09-11 16:14:22 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ジョン・ギラーミン
キャスト ジェフ・ブリッジス、ジェシカ・ラング、チャールズ・グローディン、ジョン・ランドルフ、ルネ・オーベルジョノワ、ジョン・ローン
1976年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、SF、パニック、リメイク

【あらすじ】
石油ショックの影響で、ペトロックス社のウィルソンは南太平洋に新たな油田を求めて、調査船を進めていた。最終目的地は、その所在すら明らかではないスカル島である。もう1人、このスカル島をめざす男がいた。密航者として乗船していた大学の動物学者プレスコットである。彼はスカル島には巨大な動物が棲息していると推測し、自分の目で確かめようとしていた。

【感想】
2005年版と比べると、確かに作り手の愛着やこだわりのようなものはそれほど感じませんが、その分ドライな雰囲気が漂っており、人間のエゴが前面に押し出されていると思います。これはこれでいいのではないでしょうか。

アメリカに無理やりつれて来られたキングコングが殺されてしまうシーンは本作の方が残酷ですね。(ただし戦闘機が倒されたのを大喜びする主人公には少し引きました。一応、人が殺されているのにそのリアクションはないだろうと・・・)またコングと先住民の関係をきちんと描いているのも好感が持てました。

ヒロインについては、個人的にナオミ・ワッツよりも本作のジェシカ・ラングの方が好きです。初めて知りましたが、彼女は本作がデビュー作品とのこと。ここでチャンスを掴んだのを足場にブレイクしていったのでしょう。

2005年版の方が完成度は高いですが、無人島に行く理由なども微妙に違うので時間があるのであれば比較してみるても面白いと思います。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


キングコング (1976) (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第4弾)

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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めぐりあう時間たち

2008-09-10 18:55:29 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 スティーヴン・ダルドリー
キャスト ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ、スティーヴン・ディレイン、エド・ハリス、トニ・コレット、クレア・デインズ
2002年 アメリカ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
1923年のロンドン郊外、『ダロウェイ夫人』をしたためる作家ヴァージニア・ウルフ。1951年のロサンゼルス、『ダロウェイ夫人』を愛読する主婦ローラ。そして、現在のニューヨーク、ダロウェイ夫人のような生き方をしているクラリッサ。別々の時代、別々の場所に生きる3人の女性の一日が交錯する。

【感想】
1923年のニコール・キッドマン、1951年のジュリアン・ムーア、2001年のメリル・ストリープ それぞれの女性達が人生に苦悩するさまを描くと同時に、異なる時代が複雑に絡み合うように構成させています。

古くは「ゴッド・ファーザー PARTⅡ」から見られるような手法です。ただし序盤が説明不足なのがきつい。冒頭にそれぞれの年代が字幕で出るのですが、この年代(もちろん場所もです)が離れていることを正確に掴んでおかないと、以降わけがわからなくなるでしょう。私自身が普段映画を見るときに年代が字幕で出てもそれほど意識することはないので前半は少し混乱しました。途中までメリル・ストリープの話は小説の話の内容をそっくりそのまま映像化したものだと勘違いしていましたので。

先に紹介した通り、3つの時代が絡み合っていてその秘密が後半にかけて明らかになっていくわけですが、驚きや斬新さは特に感じませんでした。ただ「3人がどうなってしまうのか」という点については楽しめたと思います。

軽くネタバレさせていただきますが、ジュリアン・ムーアの息子とリチャードの関係が途中の演出でバレバレだったので、その段階でシナリオとしての興味を失ってしまいました。そのため「ジュリアン・ムーアのお婆さんメークやニコール・キッドマンの鼻は無理があり過ぎだよな」というようなことに感心が移ってしまいました。

確かにこの後半2つの時代は重なっているのですが、1923年との関わりについては微妙です。接点と言えば、ヴァージニア・ウルフの小説の読者であったことと原作者と似たような人生を歩んだということ位でないでしょうか。

悪くはないのですが、私には全体的に面白味に欠ける内容でした。付け鼻でアカデミー賞というのも納得できません。文句ばかり書いてしまいましたが、主役3人の女優のファンであれば、見て損はないでしょう。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


めぐりあう時間たち DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組)

アスミック

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恋人たちの予感

2008-09-03 10:52:10 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ロブ・ライナー
キャスト ビリー・クリスタル、メグ・ライアン、キャリー・フィッシャー、ブルーノ・カービイ、ハーレイ・ジェーン・コザック、トレイシー・ライナー
1989年 アメリカ
ジャンル:コメディ、ラブストーリー

【あらすじ】
サリーがはじめてハリーに出会ったのは、大学卒業後NYに向かうまでのドライブ。歳月が過ぎ、空港でばったり再会した2人は「何でも話せる異性の友達」というスタンスを崩さずに接し、お互いの恋人についても相談し合う仲。だが、それぞれが独り身になった時、二人の関係は微妙なバランスに……。

【感想】
最近では見かけることがめっきり少なくなってしまった元「ロマンティック・コメディの女王」メグ・ライアンですが、彼女の代表作として知られているのが本作です。髪型とかいかにも80年代風なのが時代を感じる所でもあります。

以前、鑑賞したは10年以上前だったので、覚えていたのは喫茶店でメグ・ライアンが周囲の客にお構いなしで、あえぎ声を出して絶頂に達するシーン位だったのですが、今回久しぶりにテレビで放送していたので見直してみました。

昔はこの作品をかなり高く評価していたのですが、自分がこの映画の主人公達と近い年代になってくると少し違った見方をしてしまいます。酒に酔っているような時ならともかく、日常会話的に「そんな会話はしないよなあ」と思ってしまうのです。こういう映画を楽しめなくなっている自分に気づかされますね。自由の国アメリカならではなのかもしれません。

それはともかく根底にあるテーマが「男女間に友情は存在するか」というものなので、興味本位的に楽しめると思います。最後の最後で大逆転なのは少し不自然に感じましたが、ロブ・ライナー が出した結論には納得しています。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


恋人たちの予感 (特別編)

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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コン・エアー

2008-08-29 18:18:36 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 サイモン・ウエスト
キャスト ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、ジョン・マルコヴィッチ、スティーヴ・ブシェミ、ヴィング・レームズ、コルム・ミーニイ、ミケルティ・ウィリアムソン、レイチェル・ティコティン、モニカ・ポッター
1997年 アメリカ
ジャンル:アクション

【あらすじ】
妻を護るために殺人を犯したポー(ニコラス・ケイジ)は、8年の刑期を終え、愛する家族の元へ帰るべく連邦保安局の空輸機に乗ったところを、サイラス(ジョン・マルコヴィッチ)ら囚人グループたちにハイジャックされてしまう。ポーは外部の連邦保安官ラーキン(ジョン・キューザック)の協力を得ながら、サイラスらと壮絶な闘いを繰り広げていく。

【感想】
良くも悪くもハリウッド製アクション映画のど真ん中に位置するような映画だと思います。あまり深く考える必要もなく、楽な気分で派手な銃撃戦や爆発、破壊、カーチェイスetcをまとめて楽しめます。

本作を面白いと思うかはその時に気分に大きく依存するでしょう。アクション映画に食傷気味の時に見れば、「ハリウッドはこんな映画しか作れないのか」と思うだろうし、逆に久しぶりに派手なアクション映画を見たいと思う時ならそれなりに期待に応えてくれるでしょう。ちなみに私は後者だったので比較的点数は高めです。
内容は犯罪者を護送する専用機が、囚人にハイジャックされるといういかにもありふれた内容です。アクション映画はわかりやすさが重要だと思うので、これはこれでいいと思います。逆に複雑だとイライラさせられるので。

長髪のニコラス・ケイジはそれだけでキャラが濃いです。しかし、なぜそこまでして大して仲がいいとも思えない友人を助ける必要があったのかが理解に苦しみます。これだと残された家族が気の毒になります。家族は二の次なのですね。いかにもご都合主義的なわけですが、確かにあの場面で飛行機から降りてもシナリオとしては成り立たなくなってしまうので仕方がないのかも知れません。
深く考えてはいけない映画ですね。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


コン・エアー 特別版

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

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地下室のメロディー

2008-08-28 17:25:21 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 アンリ・ヴェルヌイユ
キャスト アラン・ドロン、ジャン・ギャバン、ヴィヴィアーヌ・ロマンス、ドラ・ドール、ピエール・コレ
1963年 フランス
ジャンル:ドラマ、サスペンス

【あらすじ】
刑期を終え出所した老ギャングのシャルルは青年・フランシスと周到な計画を立て、カジノの現金を強奪するが…。

【感想】
映画そのものよりも使われている曲の方が有名かもしれません。
「これぞフランス映画」といったテイストであるため、サスペンスとしての完成度ではなく、あくまで独特の雰囲気を楽しむ映画なのだと思います。個人的には好きです。

ただ文句を言わせてもらうと、前述した通り、サスペンスとしてはヒッチコック等とどうしても比べてしまうので、その点での完成度は低いと思います。
金庫に進入するまではなるほどと思ったのですが、その後がいけないと思います。

疑問点1:シャルルはどうやって現場にかけつけたのか?正面からでは入れないし、楽屋には顔のしれたフランシスしか入れないはずで(そのために雇われたのですから)、もし入れたとしてもダクトを通るので時間がかかるはず。

疑問点2:金を奪ったあとどうやって脱出したのか?入るのにあれだけ苦労したのだから、現金を持って出るのはそれ以上に大変だったはず。その間に警報鳴らされるでしょう。
疑問点3:奪った現金の受け渡し場所をなぜ人通りが多く目立つプールサイドにしたのか?しかも普通ならバックは入れ替えて出てくると思います。

これらはシャルルが間抜けだったで済まされないと思います。
あくまで雰囲気を楽しむ映画ということでの点数です。世間的には名作扱いされていると付け足しさせていただきます。
*写真はカラーですが、当方はモノクロ版しか知りません。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


地下室のメロディ

紀伊國屋書店

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羊たちの沈黙

2008-08-26 13:33:47 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ジョナサン・デミ
キャスト ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス、スコット・グレン、アンソニー・ヒールド、テッド・レヴィン、フランキー・フェイソン、ケイシー・レモンズ、ブルック・スミス、トレイシー・ウォルター
1991年 アメリカ
ジャンル:ホラー、サスペンス

【あらすじ】
女性を誘拐し、皮を剥いで殺害する連続殺人事件の捜査を任命されたFBI訓練生のクラリス。彼女に与えられた任務は9人の患者を惨殺して食べた獄中の天才精神科医レクター博士に協力を求め、心理的な面から犯人に迫ることだった。レクター博士は捜査に協力する代償に、彼女自身の過去を語らせる。息詰まる心理戦の果てに導き出された答えとは──?

【感想】
説明不要なほど有名な作品ですが、点数が低いのはワケありです。
どれだけ完成度が高く、斬新なシナリオの映画だったとしても、どうしても自分の好みに合わない映画というのは誰にでもあるわけで、残念なことに本作はそれに該当してしまうからです。

誰が見てもレクターのインパクトは強烈だし、ある凶悪事件の解決に別の事件で逮捕された犯罪者からヒントを得る、いわゆるプロファイリングを題材にした映画ですが、シナリオが隅々まで練られており、最後まで緊張感があるため、嘘っぽさは感じません。(ただしあのレクターの脱獄シーンは除く)捜査の進行についてはむしろ実話ではないかと錯覚してしまうかもしれません。ちなみに私が褒めなくても、アカデミー賞主要タイトル5部門受賞ですので折り紙つきです。

つまり完成度が高いのは十分に承知しているのですが、この映画好きかと言われれば、別にそうではなかったりします。やはりグロいのとラストがやや後味が悪いのが、関係しているのかもしれません。(必ずしもそのような映画が嫌いなわけではないのですが・・・)意外と鑑賞側の嗜好に影響される映画なのだと思います。
とはいえ完成度が高いのは認めます。サイコ・サスペンスものとしては代表的な存在なのでとりあえずは押さえておいて損はないでしょう。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

羊たちの沈黙 (特別編)

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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ソウ2

2008-08-23 21:09:56 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ダーレン・リン・バウズマン
キャスト ドニー・ウォールバーグ、ディナ・メイヤー、フランキー・G、エマニュエル・ヴォージア、トビン・ベル、ショウニー・スミス、グレン・プラマー
2005年 アメリカ
ジャンル:ホラー、サスペンス

【あらすじ】
館に集められた8人の男女が、凶悪犯“ジグソウ”が仕掛けた新たなる殺人ゲームの恐怖に晒される。その8人の中には“ジグソウ”を捕らえたエリック刑事の息子も含まれていた。

【感想】
この手の映画の続編としてはよく出来ている方だと思います。
個人的に前作ほど楽しめなかったのは、前作からの固定概念があったこと。つまり「今回も結局はジグソウの思い通りの展開でおしまいなのだろうな」と勝手に思い込んでしまったのが、いけなかったのかもしれません。
オチについてはさすがにここでは書かないのでご自身でご確認していただきたいのですが、多分、大部分の人が前作の方がインパクトがあったと思うはずで、私もその一人です。

グロさについてはちょうどいいくらいだと思います。ちなみに3は悲惨なので未見の方は気をつけた方がいいと事前に警告させていただきます。
またもうひとつの楽しみである脱出するためのトリックについては私は前作の方が好きでした。今回はバリエーションは増えましたが、その分部屋が広いので閉鎖感による恐怖がイマイチ薄れてしまったと思います。

比較ばかりの感想になってしまいましたが、初代を気に入ることができたのであれば、本作も見ておいて損はないと思います。逆の人については、拷問度がアップした本作については・・・。いうまでもないでしょう。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

ソウ2 DTSエディション

角川エンタテインメント

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ミート・ザ・ペアレンツ2

2008-08-14 20:56:46 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督ジェイ・ローチ
キャスト ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ベン・スティラー、バーブラ・ストライサンド、ブライス・ダナー、テリー・ポロ
2004年 アメリカ
ジャンル:コメディ、シリーズ

【あらすじ】
結婚間近のグレッグとパムは、両家の両親を対面させなければならない。しかしそこには一つの問題が…。

【感想】
ロバート・デ・ニーロとダスティン・ホフマンの対決はそれだけで最高です。この二人の印象が強すぎて、若い二人の主役の影がかすんでしまいます。結婚の話だったという事実すら完全に忘れてしまう程です。これでもしアル・パチーノがいたら凄かっただろうなと思いますが、実は「スカー・フェイス」のテレビ画面が映し出されるので間接的には出演しているのが最高に笑えます。作り手は何を望んでいるのかよくわかっていると思います。

これだけでも十分なのですが、個人的にこれ以上に驚かされたのは母親役のバーブラ・ストライサンドが「ファニー・ガール」のファニー役だった人ことを今、ここで感想を書いていて知ったことです。このギャップはきつすぎでした。「ファニー・ガール」を見た人は本作は絶対に見ないほうがいいでしょうね。外見的にも、裏切られるものが大きいかもしれません。おばさん女優の若い頃の姿は楽しめると思います。

内容的には前作と比べると、キャストが豪華であることは言うまでありませんが、ギャグもそれほどきつくないのでとっつきやすいのが好印象です。結婚して子供まで出来てハッピーエンドですので、シナリオ的にも消化不良感はありません。
2の方が絶対に面白いと思います。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


ミート・ザ・ペアレンツ2 スペシャル・エディション

角川エンタテインメント

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アイドルワイルド

2008-08-06 15:55:15 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ブライアン・バーバー
キャスト アンドレ・ベンジャミン、アントワン・A・パットン、テレンス・ハワード
2006年 アメリカ
ジャンル:ミュージカル

【あらすじ】
禁酒法が施行されている1930年代のアメリカ南部アイドルワイルド。ギャングの叔父に育てられた音楽とギャンブル好きのルースターは、ギャングが経営するクラブ“チャーチ”で人気No.1のシンガー。一方、彼と幼なじみのパーシヴァルは、優れた才能を持ちながらも地道な活躍に甘んじているピアニスト。そんなある日、クラブのオーナーが殺害され、以来ルースターは店の経営に振り回される羽目に。対照的にパーシヴァルは、クラブの契約シンガー、エンジェルに楽曲を提供したことがきっかけで脚光を浴び始める。やがて、ルースターとパーシヴァルに互いの夢を賭けた運命の夜が訪れるのだが…。

【感想】
「アウトキャスト」というヒップホップ・デュオについてはその存在を知りませんでした。もし彼らに関する知識が事前にあったのなら印象も違うものになっていた可能性があります。

本作は黒人系のミュージカルですが、類似作品について色々考えて見ましたが、他に思い当たる物は出てきませんでした。オリジナル性が高く、インパクトはあったと思います。特に最初のミュージカルシーンの躍動感あるダンスと力強いボーカルは見事でした。その印象が強かったためか以降、少しダレてしまいましたが、それでも最後まで楽しめました。ただラストで首を吊って死のうとしたときは焦りましたが・・・・。もしあれで終わっていたら「ダンサー・イン・ザ・ダーク」だったと思います。

役者については先に紹介した通り、アンドレ・ベンジャミンは本業は歌手なので、言ってしまえば演技については素人なのですが、特に気にはならなかったです。少なくとも日本人の英語レベルではわからないと思います。

ミュージシャンを起用しただけのPV映像をみせることが目的の音楽映画とは違うとはっきりと断言しておきます。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

アイドル・ワイルド (ユニバーサル・セレクション2008年第4弾) 【初回生産限定】

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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キンキーブーツ

2008-08-02 18:51:53 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ジュリアン・ジャロルド
キャスト ジョエル・エドガートン、キウェテル・イジョフォー、サラ=ジェーン・ポッツ、ニック・フロスト
2005年 イギリス、アメリカ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
チャーリー・プライスは伝統ある靴工場の跡取り。しかし、婚約者のニックの尻に敷かれている優柔不断な彼は、彼女とロンドン転勤を機に田舎町ノーサンプトンと重い責任から逃げ出す。ところが、ロンドンに到着するやいなや父親の訃報が届き、プライス社の4代目に就任することになってしまった。ノーサンプトンへに戻ったチャーリーを待っていたのは、職人たちの解雇だった―。

【感想】
「ガイアの夜明け」とかでやってそうな話の映画版(実話)です。ちなみに私は「キンキーブーツ」という靴の存在自体を知りませんでした。

ある小さな田舎の靴工場が、長年会社を引っ張ってきたオーナー社長に死なれ、海外の品質は粗悪だが安価の大量生産品に太刀打ちできずに倒産の危機を迎えてしまいます。そのため息子がそれを乗り越えるために必死に知恵を絞り、従業員をまとめようと説得するのですが、嫌でも中国製に負ける日本の町工場を連想させられるため、とても共感が持てます。同様の立場にある人なら勇気づけられるでしょう。
ただし、オカマ向けのニッチな市場に光を見出すという設定は、どうしても例えとしては品がなく、「そこまでするか」というような抵抗感を少しだけ持ってしまったのですが、実話なので仕方がないところです。

また従業員が息子について行くことを決めたシーンは作品上、重要度が高いと思うのですが、「前社長が実は工場を売却しようとしていた」という話を、こっそり話していたつもりが、マイクのスイッチが入っていて周りに聞かれてしまったというのも少し嘘くさいです。多分作り話でしょう。このあたりは脚色があってもかまわないのでもう少し、リアルにかつ説得力があるように作って欲しかったです。
ラストのショーがヒヤヒヤなのは「リトル・ミス・サンシャイン」を思いださせてくれます。

基本的には素直に感動できる良作です。ご安心を。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


キンキーブーツ

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

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ビバリーヒルズ・コップ2

2008-07-28 18:54:09 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 トニー・スコット
キャスト エディ・マーフィ、ブリジット・ニールセン、ジャッジ・ラインホルド、ジョン・アシュトン、ロニー・コックス、ユルゲン・プロフノウ、アレン・ガーフィールド、ディーン・ストックウェル
1987年 アメリカ
ジャンル:コメディ、アクション、シリーズ

【あらすじ】
再びローズウッドとタガードと合流したアクセルは、武器の密売組織の摘発に乗り出したが…。

【感想】
このシリーズはテレビで放送しているとついつい見てしまいます。もう何回見ているか自分でもわからないのですが・・・・。
前作同様「そんな警察いてたまるか」という感じなのですが、今回はアクセルだけでなく周りの警官までもが、アクセルに洗脳されてしまったのか、相当な無茶しています。そもそも実はビバリーヒルズの警官ではないというのが全てを物語っていると思います。

特に印象的なのは生コンを積んだ大型車を勝手に借りてきて犯人を追いかけるのですが、その道中で他のパトカーを見事に破壊してしまいます。後から上司に聞かれても本当のことは言いません。「ありえねえ」と呆れてしまいますが、これ以外にも他人の別荘に無断で住み込んだり、元大統領を名乗ってタダで飲み屋に入るなど挙げたらキリがありません。あまりに無茶な行動が目立ちます。確かに笑えるには笑えるのですが、悪ふざけしすぎではないかと最近では思うようになりました。
前作はしょぼかったアクションが大幅に強化されたのはよかったです。むかつく所長の結末も爽快でした。

全体的には安心して楽しめる続編という評価です。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆


ビバリーヒルズ・コップ2 スペシャル・コレクターズ・エディション

パラマウント ジャパン

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007/美しき獲物たち

2008-07-24 16:14:28 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ジョン・グレン
キャスト ロジャー・ムーア、クリストファー・ウォーケン、タニア・ロバーツ、グレース・ジョーンズ、パトリック・ボーショー、デズモンド・リューウェリン、ロバート・ブラウン、ロイス・マクスウェル
1985年 イギリス、アメリカ

【あらすじ】
イギリスが開発した最新の軍事防衛システム用のマイクロチップがKGBに流出。その裏には、世界最先端のエレクトロニクス産業の社長ゾリンが関わっているとの情報を得たボンドはアメリカに渡り、彼に接近するのだが……!

【感想】
ロジャー・ムーア最後の出演作品として有名ですが、地味な所では「ドクター・ノー」から数えて14作品全てに出演してきたマネーペニー役であるロイス・マクスウェル(昨年9月に死去)の最後の出演作品でもあります。最初の頃の出演作品と比べると随分と老けたなと思いますが、ストーリー的に重要でなくても作品にはなくてはならない存在だったと思います。最後に華やかな衣装を着せて登場させたのは、本作が最後だったからだそうです。粋な計らいだと思います。

主演のロジャー・ムーアに話を戻しますが、この頃既に57歳ということで、「そんな御老体でアクションなんかできるのかよ」と心配してしまいますが、スタントが頑張っているおかげでなんとか見れる映像になっています。降板した理由は本人曰く「これ以上やったら殺される」ということですが、冗談には聞こえないところが笑えます。また本作はロジャー・ムーア自身があまり気に入っていないそうで、雑誌に「この役には400歳、歳を取りすぎていた」とコメントしています。でも雰囲気的に当時としてはボンド役はこの人意外に見当たらないというのがリアルタイムでは知らない私にも伝わってきます。代わりたくても代われないので最後まで責任を果たしたのでしょう。変な作品が多かったですが、お疲れ様でしたといいたいです。

キャラ的にはクリストファー・ウォーケンの悪役は線が細くてイマイチでした。その一方でメイデー役のグレース・ジョーンズの見た目のインパクトは強烈でプロレスラーかと思う程です。悲惨な結末にも驚かされましたが、そんな彼女さえくどいてしまおうとするボンドにはそれ以上に笑えました。

デュラン・デュランの主題歌もよかったです。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

美しき獲物たち (デジタルリマスター・バージョン)

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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