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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

(ベネズエラ連帯) ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.72 ペルー

2022-12-23 | ラテンアメリカ
ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.72
( 2022年12月22日)


(ペルー要点)
・ ペルー人民の全国的闘争は、外出禁止令や国家非常事態の発令を無視し、軍と警察による激しい弾圧にもかかわらず、拡大・発展しながら持続している。 / 闘争の全国的指導部はまだ形成されていないようだが、共通して4つの要求(カスティージョの解放と大統領への復帰、現反動議会の閉鎖、新たな総選挙の早期実施、新憲法制定議会の創設)が掲げられている。 / 各地の有力組織を中心に、また自然発生的に、多くの人々が闘いに加わっている。
・ 米帝国主義の関与が暴露されている。 / クーデター2日前の12月5日、在ペルー米国大使リサ・ケンナが、その前日に国防相になったばかりのグスタボ・ボビオと面談していた。12月6日にはボルアルテと会い、ケイコ・フジモリとも対話。 / ケンナは、元CIAエージェントで、トランプ政権下で国務省の事務次官やポンペオ国務長官の上級補佐官を務めていた。 / 米国防省の軍事支援・諮問グループ(MAAG)の作戦担当官マリアーノ・アルバラードも中心的人物のひとりで、ペルー軍将官と緊密に連絡を取っていた。 / 米国はクーデターの翌日12月8日にボルアルテ政権を承認。
・ クーデター政権の“大統領”ボルアルテは、カステージョ政権発足当初からの閣僚。「ペルー・リブレ」党員だったが、22年1月、自分は「ペルー・リブレ」のイデオロギーを受け入れたことはないと述べ、同党から追放された。その後も、閣僚、副大統領として政権にとどまり続けていた。
・ クーデターを糾弾しペルー人民の闘いに連帯する国際的な運動も拡大している。 / ハバナで第22回会合を開いたALBAは、その最終宣言でクーデターを拒否し、選挙で選んだカスティージョ大統領の政府を守ろうとするペルー人民を支持し、それへの弾圧を糾弾している。
・ 議会を支配し軍と警察およびその他の国家諸機関を掌握している反動勢力は、昨年7月のカスティージョ政権発足の時から一貫して政権攻撃を続けてきた。 / 反動勢力による攻撃が続いている下で、与党「ペルー・リブレ」は6月末~7月に分裂。党首セロンが政権の右傾化を非難してカスティージョに離党要求(「7.14 報告」参照)。 / その後、反動攻勢がいっそう強められてきて、今回の事態に。

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(ペルー)

teleSUR Published 21 December 2022
Peru: Former Defense Minister is Appointed Prime Minister 
(ペルー: 国防相が首相に)
水曜日(12/21)、ディナ・ボルアルテ大統領はルイス・アルベルト・オタローラを首相に任命した。彼は今日まで防衛相を務めていた。 / この2週間、オタローラは26人の市民を死亡させた弾圧作戦を指揮してきた。 / ボルアルテは、ホルヘ・チャベスを新国防相に任命した。彼はすでにマルティン・ビスカーラ大統領(2018-2020年)の政権時代にその機関を率いていた。

teleSUR Published 21 December 2022
The Peruvian Congress Approves Early Elections for April 2024
(ペルー議会、2024年4月の早期選挙を承認)
議員たちは、2023年12月に総選挙を行うべきとしたディナ・ボルアルテ大統領の提案を見送った。 / 火曜日(12/20)、賛成93票、反対30票、棄権1票で、ペルー議会は総選挙を2024年4月に繰り上げることを承認した。

Peoples Dispatch December 20, 2022 by Zoe Alexandra
“We are here to support our President”: Peruvians resist the coup
(「私たちは大統領を支持するためにここにいる」:クーデターに抵抗するペルー人たち)
カスティージョを支持する人々が、カスティージョの勾留されているバルバディージョ刑務所を監視している。 / そこにいる人々は、ペルーの政治システム、「買収された」司法、「嘘つき」メディア、「腐敗した」右翼議会について議論し、議会での議論、国中で起きている動員、街頭で直面している弾圧について、「Whatsapp」や「Facebook」から常に最新情報を共有している。彼らは、また、土地や尊厳ある雇用、質の高い教育など、この国で生き残るための自分たちの闘いについての話も共有する。彼らは交代でメガホンで唱和し、独立系メディアの放送を流して状況を説明する。 / 第4の権力、メディア バルバディージョ刑務所の外にいる人々の間では、クーデターと反クーデター・デモの犯罪化の条件を作り出したメディアの役割について、多くの会話が交わされている。カスティージョ政権が発足してからの1年6カ月間は「攻撃ばかりだった」という。 / クーデターに対する2週間の大規模な抗議活動の間、ペルーの主要メディアは抗議者を「破壊者」「犯罪者」「テロリスト」「麻薬密売人」と呼び、抗議者が武器を使用し犯罪集団とつながっているとする検証されていないレポートを掲載し、常に抗議活動によって引き起こされる日常生活の混乱を強調してきた。 / これは、こうした大規模な反クーデター・デモに対する残忍で暴力的な弾圧と同時に起きている。同国の人権団体によると、警察の弾圧により少なくとも26人が死亡し、そのうち8人は20歳未満である。 / 弾圧、汚名、犯罪化にもかかわらず、ペルーの人々は、クーデターとディナ・ボルアルテの事実上の政府に対する憤り、抗議者たちに対する人権侵害や、カスティージョの投獄に対する憤りを表明するために、街頭にとどまる決意を固めている。

teleSUR Published 20 December 2022
Peruvian Congress To Reconsider Holding Early Elections
(ペルー議会、早期選挙の実施を再検討へ)
賛成94票、反対25票、棄権5票で、火曜日(12/20)午前、ペルー議会はディナ・ボルアルテ大統領が送った総選挙の前倒し法案の再検討を承認した。

teleSUR Published 20 December 2022
85 Percent of Peruvians Support Early Elections 
(ペルー人の85%が早期選挙を支持)
日曜日(12/18)、フランスのコンサルティング会社IPSOSは、ペルー人の85%が早期の大統領選挙に賛成しているという世論調査を発表した。 / しかし、インタビューに応じた人々の62%は、当局が新たな総選挙を招集する前に、政治システムの重要な改革を実施する必要があると考えている。 / この調査は1,216人を対象に行われ、誤差は2.8%で、サンプルは全国レベルで代表的なものであることが示されている。

teleSUR Published 20 December 2022
Peruvian Social Movements Willing to Continue Regional Protests
(ペルー: さまざまな社会運動が各地域の抗議活動を継続する意志がある)
「アヤクーチョ人民防衛戦線」とその他の社会諸組織は、ディナ・ボルアルテ大統領の辞任と総選挙の実施を要求するため、火曜日(12/20)からストライキと道路封鎖を実施するようペルー人に呼びかけた。 / 全国各地での抗議と動員の中、議会本会議は、火曜日(12/20)に2023年への選挙の繰り上げに関する議論を再開する。

teleSUR Publicado 19 diciembre 2022 (スペイン語・機械翻訳)
Presidenta de Perú anuncia reestructuración del gabinete
(ペルー大統領、内閣改造を発表)
ディナ・ボルアルテ大統領は、早期選挙とペドロ・カスティージョの釈放を求める抗議デモで少なくとも25人の死者を出した同国の政治危機を背景に、ペドロ・アングロ首相の解任を発表した。

teleSUR Published 19 December 2022
Peru: Relatives of the Victims of Repression Ask for Justice
(ペルー: 弾圧の犠牲者の親族が正義を求める)
土曜日(12/17)、弾圧によって殺されたペルー人の親族は、愛する人の棺とともにアヤクーチョの首都ウアマンガの中央広場まで行進し、死者の責任者に対する制裁とディナ・ボルアルテ大統領の退陣を要求した。

teleSUR Published 19 December 2022
25 Peruvians Murdered in a Week of Intense Repression
(激しい弾圧の1週間で25人のペルー人が殺害される)
国民への暴力的な弾圧に同意できないと述べて12月16日に辞任した閣僚会議議長と教育・文化相の後任として、火曜日(12/20)には新しい役人を任命する予定である。

Perú Libre 17 diciembre 2022 Por VLADIMIR ROY CERRÓN ROJAS (スペイン語)
LIBERTAD PARA CASTILLO, NUEVAS ELECCIONES Y ASAMBLEA CONSTITUYENTE
(カスティージョに自由を、新しい選挙と憲法制定議会を)
【by 「ペルー・リブレ」党首ウラジミール・セロン】
ペドロ・カスティージョは、右翼クーデターの犠牲となり、要求の正当な手続きを踏まず、利害関係者への事前通知もなく、弁護権もなく、大統領特権を持っていたのに不法逮捕され、弾劾権もなく、2時間足らずで職を追われた。警察の兵舎で18ヶ月間拘束され、少なくとも10年間刑務所に入る可能性がある裁判を待っている。 / この出来事は、彼の自由を求める国民的抗議を引き起こした。国民は、大統領になった最初の農民としての彼の姿に、人種差別と抑圧的な階級の虐待の犠牲者としてのペルー人自身を重ね合わせている。 / ペルー南部から始まった全国的な反乱は、数時間のうちにすべての地域に広がっていった。 / このような状況の中で、人々は、議会の閉鎖、新しい選挙の要求、新しい憲法を起草するための制憲議会の設立という3つの要求からなる綱領を発表した。 / 議会閉鎖の要求が出されているが、実は、この政府のシステムはすでに時代遅れなのだ。私たちは不安定な構造に直面しているが、民主主義において形式と内容の変革を可能にする唯一のメカニズムである制憲議会がなければ、それを変えることはできない。私たちが再び軽蔑することになる議会を選ぶためだけに選挙に行くことは意味がなく、それは抑圧者の手に乗ることである。 / 新しい憲法を起草するための制憲議会の設置に同意するかどうかを国民に問う国民投票を伴うことが必要だ。

Plensa Latina December 17, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Peruvian police raids opposition groups and peasant union
(ペルー警察、野党グループと農民組合を手入れ)
ペルー警察は、本日(12/17)、「ペルー農民連合」と左翼2政党の本部が共有している施設を家宅捜索した。そこに居るとされている、テロの疑いで告発した農民を探すため。 / 目撃者によると、「新ペルー運動」と「社会党」が事務所を構え、農民組合もあるこの建物に、50人の警官が踏み込んだという。

Common Dreams December 16, 2022 BRETT WILKINS
Death Toll From Peru Protests Tops 20 as 'Coup' Government Extends Castillo's Jail Term
(ペルー: 抗議デモによる死者は20人を超え、「クーデター」政府はカスティージョの服役期間を延長した)
ペルーの人権擁護者たちは、金曜日(12/16)、ペドロ・カスティージョ大統領の失脚と拘置によって引き起こされた全国規模の抗議デモで、死者が21人に上ったことを明らかにした。彼の公判前禁固期間は高等裁判所によって18カ月に延長された。 / 早期選挙が抗議活動を静めるのに十分でないことは明白になりつつある。10日連続で、ペルー人民は全国の市や町の通りに出て、多くの人がカスティージョに対する「クーデター」を非難し、彼の即時釈放、選挙で選ばれなかったディナ・ボルアルテ暫定大統領の解任、議会の解散、新しい選挙を要求している。 / デモ参加者は、銃弾、警棒、ガス弾、外出禁止令を無視し、水曜日(12/14)に発令された30日間の国家非常事態(集会や国内を自由に移動する権利を停止する措置)を無視した。

teleSUR Published 16 December 2022
Constitutional Reform to Advance Elections Rejected in Peru
(ペルーで選挙を前倒しするための憲法改正が否決される)
ペルー議会は、憲法改正法案を賛成49票、反対33票、棄権25票で否決した。 / 憲法改正法案は、2023年の早期総選挙実施や大統領・国民議会議員の任期の短縮を認めるものであった。 / 憲法改正に必要な賛成票87票、または国民投票に必要な賛成票66票に達しなかったため、「憲法改正法は承認されなかった」とホセ・ウィリアムス議会議長は述べた。
【5年ごとの総選挙は憲法で定められているため、選挙の前倒しには憲法改正が必要(87票以上)。議会で過半数66票の賛成で国民投票実施を可決し、国民投票で承認へという道もある。】

INTERNATIONALIST 360° on DECEMBER 15, 2022
ALBA-TCP: A Successful Integration Project in Troubled Waters
(ALBA-TCP:トラブルが多い所で成功した統合プロジェクト)
【ペルーの箇所のみ。】今日(12/15)、ハバナでの第22回会合を終えた「米州ボリバル同盟–人民貿易協定(ALBA-TCP)」は、ラ米カリブで最も成功した統合プロジェクトのひとつである。 /【中略】 / サミットの焦点は、この不安定な時代における連帯を強調し強化すること、つまり、左翼勢力の優勢を生かしつつ、この地域の寡頭制(複数)の敵対性の高まりに対処することであった。ペルーで展開された政治危機は、振り子がいかに早く揺れ動くかを示す一例である。ALBA加盟国は、最終宣言で、「我々は憲法上の大統領ペドロ・カスティージョに対して右翼勢力が作り出した政治的罠を拒否する。そして投票によって選んだ政府を守るペルー国民に対する法執行機関による弾圧を否定する」と明言したのである。

YAHOO! ニュース 12/16(金)
ペルー、アルゼンチンなど4カ国大使召還 前大統領拘束が波紋
ペルーで急進左派カスティジョ前大統領が反逆容疑などで拘束された問題で国内の激しい抗議行動が続いているが、外交面でも波紋が広がっている。15日にはボルアルテ新政権のアナ・セシリア・ゲルバシ新外相が、カスティジョ氏拘束を批判したアルゼンチンとメキシコ、ボリビア、コロンビアの中南米左派政権4カ国から大使を召還した。 / 中南米ではボリビアと、やはり左派政権のキューバとベネズエラ、ニカラグアがキューバ首都ハバナで会談し、断固としてカスティジョ氏を支持するとした上で、「右翼勢力が生み出した政治的枠組み」は認めないとの姿勢を明らかにしている。 / 一方、ボルアルテ政権に対しては米国やカナダが承認。中南米の左派政権でもチリが承認しているほか、ウルグアイやコスタリカ、エクアドルなども同様の措置を取っている。

teleSUR Published 15 December 2022
Peru Summons Ambassadors for Interference in Internal Affairs
(ペルー、内政干渉で各国大使を召還)
ペルーは、アルゼンチン、ボリビア、コロンビア、メキシコによる「内政干渉」を主張し、今回の大使の召還という行動を起こした。 / ペルーの外相は、これらの諸国の大統領がペドロ・カスティージョへの支持と承認を表明したため、ディナ・ボルアルテ大統領と共にこの決定を下したと述べた。

teleSUR Published 15 December 2022
Peru: 18 Months in Prison Against Former President Castillo
(ペルー: カスティージョ前大統領に18ヶ月の投獄の判決)
ペルー司法権(PJ)は、ペドロ・カスティージョ前大統領(2021-2022)に対し、反乱罪などの疑いで18ヶ月の予防拘禁を課した。

Peoples Dispatch December 15, 2022 by Tanya Wadhwa
Peruvians continue to resist as anti-coup protests enter second week
(反クーデターのデモが2週目に入り、ペルー人民は抵抗を続けている)
非常事態に逆らい、警察や軍の残忍な弾圧に耐えながら、ペドロ・カスティージョ前大統領に対する議会のクーデターを拒否して、数万人のペルー人が街頭で抵抗を続けている。 / 12月7日以降、ペドロ・カスティージョ大統領の釈放と復職、議会の閉鎖、新しい選挙、立憲議会による新しい憲法を要求し、各地で抗議行動を続けている。 / 先週からペルー人は街頭に立ち、解任後に違法に逮捕されたカスティージョ前大統領の即時釈放と復職を要求している。また、現在11%の支持率の議会の実質的な解散も要求している。市民はまた、右翼寡頭政治に有利な現在の新自由主義憲法に代わる新しい憲法を起草するための立憲議会の招集も要求している。 / 農民組合、農民・先住民運動、社会的諸権利や女性の権利の団体は、これらの要求を推進するために、12月13日から無期限の全国ストライキに入った。いくつもの学生組織や教員組合も抗議行動に参加している。 / 右翼と政治同盟を結んで政権を担当することになったディナ・ボルアルテ新大統領の政府は、大規模な動員が行われている地方の州を軍事化して抗議行動に対応している。12月12日、ボルアルテはいくつかの州で「非常事態」を宣言し、市民の移動と集会の自由を制限した。 / 警察と軍は、銃器や催涙ガスを使用して、これらの抗議行動を激しく弾圧している。
カスティージョの手紙 カスティージョ前大統領は、自身のツイッターで公開した書簡によって、弾圧の停止を求め、ボルアルテ大統領を非難した。 / 「我が国民に対する重大な虐殺行為を考えると、国民の流血を止めるために、国家警察と軍隊が武器を置くことを強く求める。Ms. ディナ・ボルアルテ、自分が占めている立場をわきまえなさい」とカスティージョは書いている。 / 彼は「不当に恣意的に拘束された」「反乱や陰謀の罪など犯してはいない」と述べた。そして、「国民の信頼、努力、闘争、親近性」に感謝し、私は「決して辞任したり、私を大統領職に導いた国民の大義を放棄したりはしない」と誓った。 / カスティージョは、検察庁の措置を拒否し、「米州人権委員会(IACHR)」に彼の権利を保護するよう求めた。 / 「もうたくさんだ! 虐待や屈辱が続いている。今日、彼らは18ヶ月の公判前勾留で再び私の自由を妨害している。・・・私の同胞の愛と支援に多大な感謝。人民を救うのは人民のみ」と、カスティージョは書いている。 / カスティージョは、自分が「ペルー奥地の忘れられた男女、200年以上も放置されてきた被差別民によって」選ばれたことを想起し、就任以来、右翼野党が多数派の議会が「このような国民の決定を拒否することに一分の隙もなかった」ことを非難した。
国際的な懸念 12月12日、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領、ボリビアのルイス・アルセ大統領は、「ペルーで最近起きた、ホセ・ペドロ・カスティージョ・テローネス大統領の解任と拘束という出来事に対して深い懸念」を表明した。
カスティージョに対する長い議会クーデター 保守政党が多数を占めるペルー議会は、2021年7月末の大統領就任直後から、カスティージョの打倒と政権の不安定化を絶えず試みてきた。そして12月7日、過去1年半の間に2度の弾劾訴追に失敗した後、彼らはその目的を達成することに成功した。 / 長年にわたって大統領の権限を剥奪し、立法府をペルーの最高権力者とする法律を成立させてきた議会は、12月12日、さらに前進し、カスティージョの大統領特権を剥奪する法案を承認し、検察庁が彼を刑事訴追できるようにした。 / しかし、ペルー人民は、民主主義の回復と強化に取り組むことを宣言している。カスティージョの予備拘束の延長を受けて、全国の社会運動と労働組合は抗議行動の強化を呼びかけた。12月15日、カスティージョの支持と彼らの要求の擁護のために全国的な動員を呼びかけた。 / 国防相アルベルト・オタロラは、ペルーで30日間にわたる国家レベルの非常事態の発令を発表した。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.12.17 Saturday)に全訳あり】

teleSUR Published 15 December 2022
Social Organizations Call for a National Strike in Peru
(ペルー: 社会的諸組織が全国ストライキを呼びかけ)
ペルー労働総連合(CGTP)、ペルー農民・農村戦線(FARP)、人民国民会議(ANP)、その他の社会・政治団体は、ディナ・ボルアルテ大統領を拒否し、ペドロ・カスティージョ前大統領を支持して、全国ストライキを呼びかけた。

Struggle La Lucha December 15, 2022 Ben Norton
2 days before coup, U.S. ambassador in Peru, veteran CIA agent, met with defense minister
(クーデター2日前、CIAのベテラン・エージェント在ペルー米国大使が国防相と面会)
【国防相をはじめとする反動勢力とボルアルテの行動は逐一米帝の承認や指示によっていることがよくわかる。 / MR online(12/18)に「Peru coup: CIA agent turned U.S. ambassador met with defense minister day before president overthrown」として転載。】
元CIAエージェントで在ペルー米国大使リサ・ケンナは、選挙で選ばれた左翼のカスティージョ大統領に対するクーデターの2日前に、ペルーの国防相と会見していた。 / 国防相はカスティージョに反旗を翻すよう軍に命じた。 / このクーデターにより、ペルー全土で大規模な抗議デモが発生した。選挙で選ばれたわけでもない政権は残忍な暴力を解き放ち、警察は多くのデモ参加者を殺害してきた。 / 米国政府は選挙によらないクーデター政権を断固として支持した。クーデター政権は全国に「非常事態」を宣言し、軍隊を街中に配備して抗議活動を鎮圧しようとした。 / メキシコ、アルゼンチン、ボリビア、コロンビア、ホンジュラス、ベネズエラ、キューバ、カリブ海諸国など、ラテンアメリカのほとんどの政府は、ペルーの選挙によらないクーデター政権を批判し、承認さえ拒否している。 / トランプ政権下、ケンナは国務省の事務次官も務め、CIAのトップを務めたこともあるマイク・ポンペオ国務長官の「上級補佐官」を務めていた。 / 2022年12月5日、ケンナは、前日にペルー国防相に正式に就任したグスタボ・ボビオ・ロサスと面会した。そのわずか2日後の12月7日、右翼が支配する議会は、憲法113条を利用してカスティージョに対する議会クーデターを起こしたのである。 / 2022年9月の支持率がわずか7%だったペルー議会による、わずか1年余りの間に3回目のクーデターの試みである。 / クーデターを阻止したいカスティージョは、議会の解散を試みることで対抗した。これはペルーの憲法134条によって、妨害行為があった場合に認められている。 / ボビオ国防相は直ちに大統領の行動を糾弾した。彼は、3日間しか務めていなかった職を辞するビデオを公開した。そのビデオの中で、ボビオは、ペルーの軍隊に対して、カスティージョ大統領を支持しないこと、議会を解散させようとする試みには反対するようにと告げた。 / ボビオが軍に大統領への反抗を命じたのに対し、米国政府は即座にカスティージョを攻撃した。元CIA捜査官で現大使のケンナは、「米国は議会の職務遂行を妨げるカスティージョ大統領による憲法外の行為を断固として拒否する」とツイートしている。 / ケンナはペルーの憲法134条について言及しなかった。 / カスティージョが議会の解散に動いたとき、彼は134条を引用し、それが「一時的な」閉鎖に過ぎないことを明らかにした。大統領は、新しい議会選挙はできるだけ早く行われると述べた。 / ケンナ大使は、このような背景をすべて無視した。その代わりに、大使は、「米国はカスティージョ大統領に対し、議会を閉鎖しようとする試みを撤回し、ペルーの民主的機関が憲法に従って機能するように強く要請する」と宣言したのである。その後、在ペルー米国大使館は、ケンナの発言と全く同じ内容の公式声明を発表した。 / これは、ペルーの腐敗した右翼が支配する議会がカスティージョ大統領を打倒し、国家安全保障局が裁判なしで彼を逮捕することを許可するものであった。 / カスティージョが投獄されたわずか数時間後、オリガルヒ支配の議会は彼の副大統領であるディナ・ボルアルテを国の指導者に任命した。ボルアルテは議会で、「国民統合政府を樹立するための政治的休戦」、つまり右翼との協定を作ると約束した。 / ボルアルテは2022年1月、カスティージョが選挙戦を共にした左派政党「ペルー・リブレ」から除名されていた。彼女は、社会主義政党の「イデオロギーを受け入れたことはない」と堂々と宣言していた。 / クーデター翌日の12月8日、国務省はボルアルテの選挙によらない政権にゴム印を押した。 / ペルーの人々は、選挙で選ばれた大統領に対するクーデターを非難して、通りを埋め尽くしていた。ペルーの警察は暴力で応戦し、厳しく取り締まり、何人ものデモ参加者を殺害した。 / 12月14日、クーデター政権は30日間の国家「非常事態」を発令し、夜間外出禁止令も宣言する可能性があると述べた。同時にクーデター政権は、カスティージョを適正な裁判も受けず、「予防的刑務所」に18ヶ月間収監する予定であると発表した。 / クーデター政権がこのような権威主義的な発表をするわずか1日前に、元CIA工作員の現米国大使は、ペルーの選挙によらない指導者ディナ・ボルアルテと会い、ワシントンの全面的な支援をあらためて表明している。

Peoples Dispatch December 14, 2022 by Vijay Prashad, José Carlos Llerena
The US egged on the coup in Peru 
(米国がペルーのクーデターを煽動した)
3度目の弾劾訴追を前にしたペドロ・カスティージョによる議会解散の動きは、米国からの支援を伴った圧力キャンペーンの結果であるようだ。 / 2022年12月7日、ペドロ・カスティージョはオフィスに座っていた。彼の弁護士は、カスティージョが議会での解任動議に勝利することを示すスプレッドシートに目を通した。カスティージョが議会の挑戦を受けるのはこれで3度目だが、彼の弁護士やアドバイザー(アニバル・トーレス元首相ら)は、世論調査においてカスティージョが議会に対して優位に立っていると話した(彼の支持率は31%に上昇し、議会の支持率はわずか10%程度であった)。 / カスティージョは、この1年間、彼を嫌う寡頭政治層から絶大なプレッシャーを受けていた。12月7日、彼は報道陣に「議会を一時的に解散させ」、「異例の緊急政権を樹立する」と発表した。この措置は彼の運命を決定づけた。カスティージョとその家族はメキシコ大使館に急いだが、その前にスペイン大通り沿いで軍に逮捕された。 / なぜカスティージョは議会解散という致命的な手段をとったのだろうか。ルイス・アルベルト・メンディエータをはじめとする彼のアドバイザーたちにとって、午後の投票でカスティージョが勝つことは明らかだったのに。 / 2021年7月の当選以来、大統領選の対立候補であったケイコ・フジモリとその仲間は、彼の大統領就任を阻止しようとしてきた。彼女は、米国政府やその情報機関と密接な関係を持つ男たちと一緒に行動していた。彼女は12月6日にペルーのグスタボ・ボビオ国防相に会い、翌日にはカスティージョの議会解散の動きに対して糾弾のツイートを送った(12月8日、米国政府はケンナ大使を通じてカスティージョ罷免後のペルー新政府を承認している)。 / この圧力作戦の中心人物は、実質的な米国防省の駐在官として機能している軍事支援・諮問グループ(MAAG)の作戦担当官マリアーノ・アルバラードだったように見える。アルバラードのようなペルー軍将官と緊密に連絡を取っている人物が、カスティージョへの攻撃にゴーサインを出したと言われている。カスティージョが大統領官邸を出る前に最後に取った電話は、米国大使館からだったと言われている。友好国の大使館に逃げ込むよう警告された。それは、彼が弱い立場であるように見えるようにした。

teleSUR Published 14 December 2022
Boluarte Militarizes Peru and Declares State of Emergency
(ボルアルテがペルーを軍事化し、非常事態宣言を発令)
ペドロ・カスティージョの解任に端を発した大規模な抗議行動を封じ込めるため、ディナ・ボルアルテ大統領は水曜日(12/14)に30日間の非常事態を宣言した。

Peoples Dispatch December 08, 2022 by Tanya Wadhwa
Coup in Peru: President Pedro Castillo overthrown by conservative Congress
(ペルーでクーデター: ペドロ・カスティージョ大統領、保守派議会により倒される)
【「2022.12.15 報告」では、後の方の「メキシコ大統領、ボリビア大統領、ホンジュラス外務省、コロンビア大統領の、カスティージョを支持する言明」は省略した。その省略部分の、特に議会クーデター直前に訪れたコロンビア大統領ペトロの言明は興味深いので追加。】
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、自分に対する議会のクーデターを非難し、「反民主主義には反民主主義で対抗できない」と強調した。 / 「ペドロ・カスティージョは、・・・自分を選んだ人々の動員を達成することなく、政治的・民主的な自殺に導かれることを許した。・・・すでに国会でクーデターが起きていた。しかし、彼ら(カスティージョたち)は、自分たちを選んだ国民から隔離されたまま、宮殿に閉じこもったままなのだ。ペドロ・カスティージョが、民意を無視した解任を決定した議会の解散を可能にするペルー憲法の条文を利用しようとしたのは、まちがいなく誤りだった。反民主主義には反民主主義で対抗することはできない。提起された制度的危機と真の代表権の不在を解決するのは、他の誰でもない、ペルーの人々にかかっている」と、ペトロは一連のツイートの中で書いている。

Multipolarista(M/P) 2022.12.13 By Ben Norton
Mexico, Argentina, Bolivia, Colombia back Peru’s President Castillo, condemn ‘anti-democratic harassment’ 
(メキシコ、アルゼンチン、ボリビア、コロンビアがペルーのカスティージョ大統領を支持、「反民主的な嫌がらせ」を非難)
メキシコ、アルゼンチン、コロンビア、ボリビアは、ペルーのペドロ・カスティージョ大統領を支持する共同声明を発表し、米国の支援を受けた右翼クーデターの後、彼は「反民主的な嫌がらせ」の犠牲者であると述べた。 / カスティージョは、ペルーの一院制議会を支配する悪名高い腐敗した右翼野党が主導した12月7日のクーデターで打倒されたが、議会への支持率は7%から11%である。 / 米国務省と米国が支配する米州機構(OAS)は、このクーデターを公然と支持した。選挙で選ばれたわけでもなく、議会と協力して大統領宣言をしたディナ・ボルアルテを支持している。 / メキシコ、アルゼンチン、ボリビア、コロンビアは、「ペルー共和国のホセ・ペドロ・カスティージョ・テロネス大統領の解任と拘束に至った最近の出来事に対して深い懸念を表明する」と共同声明に書き込んだ。 / 「世界にとって、カスティージョ・テロネス大統領が選挙当日から反民主的な嫌がらせの犠牲になっていたことは“ニュース”(新たにわかったこと)ではない」としている。この嫌がらせは1969年の「アメリカ人権条約」に違反するものだと強調した。 / カスティージョをペルーの唯一の民主的、憲法上の大統領として承認するよう求めた。 / ペドロ・カスティージョの正当な大統領就任の当初から、経済的・政治的エリートの利益のために、彼に対する対立と敵意の環境が維持されてきた。 / AMLOは、ペルーのクーデターを企てた議会を解散させるというカスティージョの決断に言及している。 / コロンビア初の左翼大統領グスタボ・ペトロも同様に、「ペドロ・カスティージョは、ラ・シエラ(アンデスの山岳地帯)出身の教師であり、民衆によって選ばれたために、初日から追い詰められてしまった」と書いている。「私がペドロ・カスティージョに会ったとき、彼ら右翼反対派が大統領官邸に侵入して、彼の妻と娘を拘束しようとしていた」とペトロは回想する。「彼はとても心配して私を迎えてくれた。議会クーデターがすでに進行していたのだ」とコロンビア大統領は語った。 / ボリビアのルイス・アルセ大統領も、クーデター当日、「当初からペルーの右翼は、より多くの包摂と社会正義を求める下層の国民によって民主的に選ばれた政府を転覆させようとした」と公に警告している。 / ボリビアのエボ・モラレス前大統領は、自身も2019年にアメリカの支援を受けた右翼クーデターで打倒されたが、今回のクーデターは、「ペルーの寡頭制と米帝は、組合組織者や先住民指導者が国民のために働くために政府に上がることを認めないということを改めて示した」と述べた。 / モラレスは、ペルーの「政治危機」は、フジモリスタ右翼と右翼メディアが永続的に共謀し、投票によって選ばれた政府に対して引き起こされたものだ、その「許しがたい罪」というのは最貧困層の代表であるということだ、と付け加えた。 / モラレスは、「ペルーの右翼による議会クーデターは、我々に深い反省を求める」とツイートしている。 / 「人民によって選ばれた政府は、そのイデオロギー的基盤を捨てたり、その戦闘性から距離を置いたりすべきでは決してない。右翼が民衆運動から出てきた大統領を受け入れると考えるのは、最悪の歴史的誤りである」と注意を促した。 / ペルー国民がクーデターに対して大規模な抗議行動を起こし、カスティージョの釈放、再選挙、新憲法制定を要求すると、モラレスは12月12日にこう書いた。「2019年11月のクーデターにおいて、ボリビアでは下層の人々がクーデター実行犯の武力弾圧に立ち向かった。ペルーでの議会クーデターでは、下層の人々がクーデター計画右翼の弾圧に立ち向かっている。『パトリア・グランデ』(ラテンアメリカ地域の統一を求める運動)は、虐殺された兄弟たちのために正義を要求する」と。 / モラレスは、12月13日に再びフォローアップし、こう述べている。「私たちは、生命と人権の擁護者たちが、ペルーの先住民の同志たちに対する虐殺を止めさせ、彼らの投票と彼らを代表する民主主義を尊重するよう求めている、その叫びに加わる。民衆の血で手を汚された政府に正当性はない」と。

【アルゼンチン、コロンビア、メキシコ、ボリビア4カ国政府のコミュニケ】
Ministerio de Relaciones Exteriores y Culto. República Argentina. (アルゼンチン外務省)
Comunicado conjunto sobre la situación en Perú 
(ペルー情勢に関する共同コミュニケ)
2022年12月12日(月) (スペイン語から機械翻訳)
アルゼンチン共和国、コロンビア共和国、メキシコ合衆国、およびボリビア多民族国政府は、ペルー共和国のホセ・ペドロ・カスティージョ・テロネス大統領の解任及び拘束に至った最近の出来事について深い憂慮を表明する。 / カスティージョ・テロネス大統領が、当選したその日から、1969年11月22日に採択された「アメリカ人権条約」(コスタリカ条約)第23条に違反する反民主的な嫌がらせの犠牲者となり、さらに前述の条約第25条に違反する司法上の扱いを受けたことは、世界にとって「ニュース」(新たにわかったこと)ではないだろう。 / わが国政府は、上記のプロセスに関与するすべての関係者に対し、投票箱で表明された国民の意思を優先させるよう要請する。これは、「米州人権制度」に謳われている民主主義の概念の範囲と意味を解釈する方法である。 私たちは、制度を構成する人々が、自由な参政権によって表明された民意を覆さないようにすることを強く求める。 / 私たちは、当局がペドロ・カスティージョ大統領の人権を十分に尊重し、前述の条文に謳われている条件で司法保護を保証することを要請する。


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