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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

NNNドキュメント 14「自衛隊の闇 不正を暴いた現役自衛官」(日本テレビ放映)を見て

2014-03-08 | 本・番組・映画など

 「お前だけは、ぜったいに呪い殺してヤル」と海上自衛隊の先輩隊員Oを名指し、遺書を残し自殺した護衛艦「たちかぜ」新人乗組員Tさん。「人権なんて何もない。自衛隊という組織に息子は殺された」と話し、心労こんぱいし、持病を悪化させ亡くなった父親。2005年Tさんの両親が、護衛艦「たちかぜ」全乗務員190人にTさんの自殺に対するアンケートを自衛隊に対して情報公開請求した。自衛隊は、全面黒塗りの「アンケート」90枚を両親に出した。何と自衛隊は「防衛機密」で内容は見せられないというとんでもない回答だった。Tさんの父親が「たちかぜ」の艦長に電話をすると「アンケートは破棄した」と一方的に話し電話を切った。 母親は横浜地裁に提訴して闘った。裁判の中で、Tさんの弁護士が、5メートルの近距離からエアーガンでリンゴに命中させて穴だらけにする先輩隊員Oのやったイジメを再現したが、Tさんの受けたいじめはとんでもない凄惨なものだった。

  2011年1月26日横浜地裁判決は、「自殺は先輩隊員Oの暴力・恐喝と、上司の安全配慮義務違反」として、440万円の賠償をOと自衛隊に命じた。この判決はOや上司らはTさんの自殺までは「予見」出来なかったとして、Tさんへのイジメは認定するが自殺への責任はないとするものだった。「予見可能性」がないという判決だ。賠償金額も440万と信じられないくらいの低額である。母親は、怒りで涙ながらに「上告して闘う」と訴えた。

 ここで転機を迎えた。一審で国側の弁護士役をしていた海上自衛隊三等海佐(幹部自衛官)が、Tさんの弁護士に「海上自衛隊は事実を隠している。ウソをついている。文章を隠している。連絡を取りたい」と書面を送ってきたのだ。三等海佐は、裁判の準備の中で、二等海佐から「Tさんの両親から情報公開請求があったので、アンケートのフォーマット(書式)だけだした」と聞いたことやアンケートの分厚いファイルを見たことを弁護士に話した。三等海佐は2006年に「公益通報」という手段で、海上自衛隊に通報したが、「事実は見あたらない」と無視された。Tさんの母親が二審の東京高裁審議で請求しても,海上自衛隊は「用済みで廃棄」と回答した。国会審議でも沖縄選出の照屋寛徳衆議院議員が「廃棄した日時はいつか?」と当時の神風防衛政務官に問いただすと「用済みで廃棄」としか回答しなかった。三等海佐は2012年4月16日海上自衛隊首席法務官に直接会って「アンケートを隠している」ことを訴えたが、拒絶された。そして、4月18日に東京高裁に「陳述書」を書いた。「海上自衛隊はウソをついたこと認めて、文章を出してください」。そして、2012年6月21日夜、海上自衛隊杉本正彦幕僚長が、突然記者会見を開き、「アンケート」を公開した。海上自衛隊は「隠してはいない。不適切な文書管理をしていた。個人的な事務処理の参考資料になっていた」と事実隠しを否定した。そのアンケートの他にも「事情聴取書」など200点も公開され、公開文書はファイルの厚さで17センチに及ぶ膨大なものだった。

 2008年海上自衛隊の護衛艦「さわぎり」裁判で乗務員の遺族の二審での逆転勝訴で、三等海佐が、実名でメディアにコメントを書いた。三等海佐の上司が、その記事を見せて、「これお前だよな。お前は組織の中の1人なんだよ。組織の中で組織を訴えてるんだ。非常にまずいよな。自衛隊をやめるべきだ」と 三等海佐を恫喝した。自衛隊の隠蔽体質が露骨に出ていた。2013年11月三等海佐は東京高裁の法廷で拳を握りしめ証言した。その後海上自衛隊は、三等海佐へ「被擬事実通知書」を通知した。「三等海佐が東京高裁へ文書を裏付けるコピーを持ち出した」というものだった。現在(2014年2月24日現在)三等海佐は処分されていない。三等海佐は、Tさんの母親に「お母さん、私に感謝しないでください。組織をよくするためにやっていることですから」と話し、「組織のためではなく、国民のために働いている」と語った。

 2012年83人の自衛官が自殺した。4~5日に1人のペースだ。1994年~2012年に1500人にも達している。「防衛機密」で暴力、恐喝、イジメなどが隠蔽され、やり放題の事態になっているのではないのか。「特定秘密保護法」が施行されれば、計り知れない「事実隠し」が行われていくだろう。「特定秘密保護法」は廃止されるべきだ。
 「たちかぜ」裁判では、東京高裁で二審判決が4月23日(水)にくだされる。

NNNドキュメント 14「自衛隊の闇 不正を暴いた現役自衛官」

NNNドキュメント11 「自殺多発・・・自衛隊の闇 沈黙を破った遺族の闘い」(日本テレビ放映)を観て

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1 コメント

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私も自衛隊いじめの被害者 (安藤寿郎)
2016-04-16 14:05:06
私も自衛隊内部で仕事した時いじめにあいました。その事を告発した貼り紙を
したら名誉毀損とやらで裁判にかけられそうになっています。いじめをしたグループは天下りと官製談合をやってる犯罪グループです。検察と警察にそれを訴えてきたのにそれには取り合わず名誉毀損ばかりを言います。公務員は天下りグループの利益を優先してるとしか考えられません。いじめの被害者で団結する方法はないのでしょうか。
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