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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

(紹介)『東京の「教育改革」は何をもたらしたか--元都立高校長の体験から』(中)

2011-11-21 | 大阪「教育基本条例」

(紹介)『東京の「教育改革」は何をもたらしたか--元都立高校長の体験から』(中)
(渡部謙一著 高文研 2011年9月)

 強制や政治介入は教育とは相容れない

 「日の丸・君が代」の強制や教育への政治介入を許さないことについて、私たちは教育が天皇制軍国主義のもとで侵略戦争に利用されたという過去の教訓を強調してきましたが、日本で過去にそうであったから政治介入に反対するというだけでは、十分に事柄の本質を突いていないように感じていました。渡部さんが問題にするのはまさにそのことです。

 渡部さんは、子どもたち一人一人の人格と成長を大切にし、教職員の自主性や教育活動を尊重し、教育の場での民主主義を守るという教育の本質から、強制や政治介入は絶対にやってはならないと、体を張って訴えます。これは教育はどうあるべかという根本問題です。

 「まさに、卒業式・入学式の国旗・国歌問題では、この今日的教育課題が問われている。子どもたちの中に、どれだけ広く、深く、自分以外の人間のことを考えられるかという真の教養を養うこと、一つの価値への同質化・集約を排して、多様な異質の文化、価値、考え方、生き方を認め合い、互いに協調し、共存していく人間を育てること、それこそが今日的教育課題である。」

  渡部さんによれば、子どもたちが身につけるべき「真の教養」とは、「自分以外の人間のことを考えられるか」ということです。
 「多様な異質の文化、価値、考え方、生き方を認め合い、互いに協調し、共存していく人間を育てること」で、皆がイキイキとし、互いに敬意を払える人間的に豊かな社会が生まれるのです。

 ところが、東京都教委の攻撃にさらされ、教育現場には「疲弊と閉塞感」が漂い、活力がなくなり、多くの教職員が精神疾患を引き起こし職場を去ります。東京都で精神疾患で休職する教員の割合の異常な高さからもそれはわかります。
 このようなことでどうして真の教養が身につけられるでしょうか。

※以下のグラフは東京都教育委員会福利厚生部が作成したものです。教育委員会は、東京都の精神疾患発症率が全国平均よりもかなり高いことを認識しながら、その理由として、①本人に「うつ病」に対する知識(病識)が少ない。②まわりが気づかない、など全く自己責任にしてしまっています。
教員のメンタルヘルス対策について
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/fukurikosei/shiryou.pdf

(つづく)

(ハンマー)


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