ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.123
(2025.5.21 報告)
(「中国・CELAC フォーラム」 要約)
・ 5月13日に「中国・CELACフォーラム」が行われて「北京宣言」が採択された。今回は、外相とCELACの代表に加えてブラジル、チリ、コロンビアの大統領が参加した。 / 習近平国家主席は、開会演説で、国際的な緊張の高まり、ブロック間の対立、一国主義と保護主義の傾向の高まりに直面して、グローバル・サウスの主要なメンバーである中国とラ米カリブ諸国が団結を維持し強化する必要性を強調し、またグローバル・ガバナンス・システムの改革推進のために協力する必要性を強調した。
・ 「北京宣言」では、「世界の急速な変化の中で、このフォーラムがCELAC加盟国と中国との協力を強化するための最も重要なプラットフォームのひとつになった」ことが指摘され、「グローバル・サウス諸国の連帯した役割」が強調された。 / 「主要分野における協力のためのCELAC・中国共同行動計画(2025~27年)」が提起され、協調して対処することを目指すとしている。 / 「国連憲章及び国際法の目的と原則に従って行動し、地球規模の課題に対処するため、主要な分野において協力する」ことが表明され、「相違、紛争、衝突の平和的解決を支持」している。また、国連安保理を改革する必要性が指摘されている。 / 気候変動や食料問題への対処も強調されている。【下に「北京宣言」の全訳あり】
・ 「中国・CELAC フォーラム」は、2015年1月に第1回閣僚会議が北京で開催されて、今年は10周年。この10年で、中国とラ米カリブ諸国の協力関係は、実りある成果を数多くもたらしてきた。 / 外交関係では、台湾と断交し中国と国交を樹立した国がさらに増えた。17年にパナマ、18年にドミニカ共和国とエルサルバドル、21年にニカラグア(再開)、23年にホンジュラス(これで33ヵ国のうち26ヵ国)。 / 経済関係では、中国がラ米カリブ諸国全体で第2位の貿易相手国。チリ、ブラジル、ペルーにとっては第1位。現在中国は、チリ、ペルー、コスタリカ、エクアドル、ニカラグアとFTA(自由貿易協定)を締結している。 / 「一帯一路」構想には20ヵ国以上が参加。人的交流、文化交流も盛んにおこなわれている。等々。
【CELAC(ラ米カリブ諸国共同体)は、2010年に故チャベス大統領が提唱し、米国とカナダ以外のすべての米州諸国33カ国で構成して11年12月に結成。】
(4月9~11日 CELAC首脳会議 要約)
・ 4月9~11日、CELAC首脳会議がホンジュラスの首都テグシガルパで行われ、「テグシガルパ宣言」が採択された。 / 「宣言」では、「この地域のすべての国を結集する政治的調整メカニズムとしてCELACを強化する」ことが確認され、「国連憲章及び国際法の目的と原則を尊重」し、「ラ米カリブ地域を平和地帯とする宣言の完全な正当性」と「国際法に反する一方的な強制措置の実施を拒否する」ことが強調されている。
・ トランプ政権による経済制裁強化、広範な輸入関税導入、移民の取り締まり強化の中で、CELACの首脳たちは、団結と共同での対応の必要性を強調した。 / ブラジルのルーラ大統領は、ラ米カリブが歴史上最も重大な時期のひとつを迎えていることを強調し、世界的な不安定化の中でのラ米カリブの結束と、民主主義、気候変動対策、経済統合を優先課題とした。 / ベネズエラのマドゥーロ大統領は、地域の結束を強調し、いっそう効果的な対応確保のためCELAC事務局の創設を提案。 / キューバのディアス=カネル大統領は、国際法を無視した米国の単独行動と強制措置を糾弾し、違いを超えた地域の連帯と団結を主張し、地域統合をこれ以上遅らせるべきではないと主張。気候変動への対応強化も。 / ホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領は、CELACは単なるフォーラムではなく、解放のためのツールとなるべきだと指摘。 / コロンビアのペトロ大統領は、トランプ米大統領が課した関税に対抗するため各国が結束してブロックとして行動することを提案。 / メキシコのシェインバウム大統領は、ラ米カリブの結束と制裁の拒否を主張し、移民問題の構造的原因に注意を向ける必要を強調。地域経済サミットの開催を提案。 / 習主席は、祝辞の中で、中国とラ米カリブ諸国を含むグローバル・サウスが力強い勢いで成長していることを指摘し、中国とラ米カリブ諸国の関係は国際的な激動の試練を乗り越え、新たな段階に入ったと指摘。
・ また、5月に予定されている「CELAC・中国サミット」への意欲が表明された。
―― ―― ―― ―― ――
(「中国・CELAC フォーラム」)
People's Daily Online(人民日報英語版) May 14, 2025
Bridging continents: China-LAC relations reach new heights
(大陸間の架け橋: 中国・LAC諸国の関係が新たな高みへ)
今年は、「中国・CELAC(ラ米カリブ諸国共同体)フォーラム」設立10周年にあたる。近年、中国とLAC(ラ米カリブ)諸国間の協力は、ビジョンから行動へ、青写真から実りある成果へと発展してきた。 / このフォーラムは、中国とLAC諸国にとって、政治的相互信頼の強化、発展戦略の整合性確保、そして国民間の交流促進のための重要なプラットフォームとなり、中国とLAC諸国の関係を新たな段階へと導く上で積極的な役割を果たしている。 / 政治的相互信頼 中国とLAC諸国は、互いの核心的利益と主要な関心事の保護に尽力し、主権と領土保全の擁護において断固として相互に支持し合っている。 / ・中国は、2017年にパナマ、2018年にドミニカ共和国、さらにエルサルバドル、2023年にホンジュラスと外交関係を樹立し、2021年にはニカラグアとの外交関係を再開した。 / ・これまでに中国は、この地域の16か国と様々な形態のパートナーシップを構築してきた。なかでもブラジルは、中国と戦略的パートナーシップを構築した最初の国であり、LAC諸国として初めて中国と包括的戦略的パートナーシップを構築した国である。 / 貿易 ・2012年以降、中国は、LAC諸国にとって第2位の貿易相手国であり、現在ではチリ、ブラジル、ペルーにとって最大の貿易相手国となっている。 / ・中国は、2005年以降この地域で5つのFTAを締結しており、チリ(ラ米カリブ諸国との初めてのFTA締結)、ペルー、コスタリカ、エクアドル、ニカラグアと締結している。 / ・双方の協力は、経済貿易、金融、インフラといった従来の分野から、エネルギー、デジタル経済、航空宇宙といった新興分野へと拡大している。 / 「一帯一路」協力 ・20カ国以上のLAC諸国が、様々な協力覚書に署名することで「一帯一路」構想に参加している。 / ・中国が建設したペルーのチャンカイ港は、2024年11月に開港し、輸送時間の短縮とコスト削減が期待できるため、LACとアジアを結ぶゲートウェイとして機能している。 / インフラ協力に加えて、双方は人材育成と交流にも力を入れている。 / 人的交流 ・LAC地域では、中国語や中国文化を学ぶことが人気を集めており、26カ国に68の「孔子学院」や教室が設立されている。 / ・中国南部の深圳とメキシコの首都メキシコシティを結ぶ直行航空路線が2024年5月に開設された。これは現在、中国からLACへの唯一の直行路線である。 / ・中国は、LAC地域の7カ国と相互ビザ免除協定を締結している。
Granma(スペイン語) may 14, 2025 07:05:14 Author: Hua Xin* | internet@granma.cu
Historical ties that shorten distances (距離を縮める歴史的な絆)
中国は、ラ米カリブ諸国と戦略的パートナーシップを強化するため、協力していく。 / 中国とLAC諸国の協力:相互利益と共有利益 新時代の幕開け以来、習近平国家主席は、中国とラ米カリブ諸国の関係を非常に重視し、自らその発展を主導してきた。2013年以降、習近平国家主席は6回にわたりラ米カリブ諸国を訪問し、この地域の多くの指導者を中国に迎え、二国間および多国間の場で緊密な会談を行い、両国関係が平等、互恵、革新、開放、人民の幸福という新たな段階に入るよう共に推進してきた。 / 深まる政治的信頼 2014年7月にブラジリアで開催された「中国・ラ米カリブ首脳会議」において、習近平国家主席は、初めて中国とラ米カリブ諸国の運命共同体構築を提唱し、広く肯定的な反応を得た。 / 近年、中国とラ米カリブ関係は新たな飛躍を遂げ、同地域の26カ国が中国と外交関係を樹立した。 / キューバと中国は、西半球で初めて二国間レベルで運命共同体を構築している。中国・ブラジル関係は、より公正な世界とより持続可能な地球のための運命共同体の共同構築というレベルにまで高められた。また、ベネズエラとは「全天候型・全天候型の戦略的パートナーシップ」を確立した。 / 共通の発展を促進 この地域では20カ国以上が「一帯一路」構想に加盟し、10カ国が中国との協力計画に署名し、5カ国が中国の自由貿易パートナーとなっている。 / 2024年には、中国とラ米カリブ諸国間の貿易額は10年前の2倍となる歴史的な5,184億米ドルに達すると予想されている。 / 中国は、この地域で200件以上のインフラ整備プロジェクトを実施し、数百万人の雇用を創出している。 / 「中国・ラ米カリブ諸国文明対話フォーラム」は7回開催された。中国は、ラ米カリブ諸国に1万7,000人の政府奨学金と1万3,000人の研修生を受け入れている。 / 自己強化のための団結 中国とラ米カリブ諸国の関係の起点であるキューバは、「中国・ラ米カリブ・フォーラム(CCF)」発祥の地でもある。2014年1月、ハバナで開催された第2回「ラ米カリブ・サミット」で、フォーラム設立に関する特別宣言が採択された。 / 同年7月、習近平国家主席とラ米カリブ諸国の指導者たちは、協力を促進するための政治的コンセンサスを表明し、フォーラムの設立を共同で決定した。2015年1月には、CCFの第1回閣僚会合が北京で開催された。 / 過去10年間、国家元首による戦略的外交指導と双方の共同努力の下で、CCFは、閣僚級会合、「カルテット」対話、国家コーディネーター会合といったメカニズムを構築し、3回の閣僚級会合と31分野のサブ・フォーラムを含む100以上の活動を成功裏に開催してきた。 / ブロック間の対立の激化、世界的な関税戦争の再燃、世界における不確実性と不安定性の高まりの中で、中国とラ米カリブ諸国は、フォーラム第4回閣僚会合を通じて、連帯と協力を強化し、共に課題に立ち向かう意志を世界に示した。 / 中国は、「中国・ラ米カリブ・フォーラム」の枠組みにおいて、ラ米カリブ諸国と協力し、戦略的連携を強化し、互恵的な協力を深化させ、真の多国間主義を推進し、一方的行動と武力政治に反対し、「中国・ラ米カリブ諸国運命共同体」の構築を推進することで、激動の世界にさらなる確実性、安定、そして前向きなエネルギーを注入していく。 * 中華人民共和国駐キューバ大使
teleSUR May 13, 2025 Hour: 12:06 pm
Petro Calls for a Dialogue Among Civilizations at the CELAC-China Forum
(ペトロ大統領、CELAC-中国フォーラムで文明諸国間の対話を訴える)
5月13日、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、国民国家モデルを超越し、世界の未来のための政治的、歴史的、人類学的な基盤として「文明間の対話」を包含する新たな国際協力パラダイムを通じて、人類の進むべき道を再考するよう呼びかけた。 / ペトロは、米国の政治学者サミュエル・ハンチントンが提唱した「文明の衝突」理論に異議を唱え、その代わりに中国が提唱し推進する統合的ビジョン、つまり、文化の違いは対立・紛争の原因ではなく、政治的主体としての人間の集団的発展の源であるというビジョンを提唱した。 / コロンビア大統領は、CELAC-中国会議が「正しい道、すなわち文明間の対話、人類の発展、そして生命の無条件の擁護と促進の道を歩んでいる」と自信を持って宣言できると楽観的な見方を示した。 / 平和は人類の結束の果実 【略】 / 脱炭素化におけるラテンアメリカの役割 ペトロは、気候危機への対応の緊急性を改めて強調し、前進への鍵となるのはクリーン・エネルギーによる脱炭素化だと述べた。
GOV.CO Cancillería(外務省)
Declaración de Beijing de la Cuarta Reunión Ministerial del Foro China-Celac 2025-05-13
(中国・CELACフォーラム第4回閣僚会議「北京宣言」 2025年5月13日)
https://www.cancilleria.gov.co/newsroom/news/declaracion-beijing-cuarta-reunion-ministerial-foro-china-celac 【https://www.cancilleria.gov.co/】
【全訳】
1. ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)加盟国と中華人民共和国は、2025年5月13日、「共に発展と振興を計画し共同で未来を共有する中国・ラ米カリブ共同体を築く」という理念の下、北京で「CELAC・中国フォーラム(FCC)」第4回閣僚会合を開催し、政治的対話、協力、相互理解の強化に向けたコミットメントを再確認する目的で意見交換を行なった。
2. 中国の習近平国家主席と、各国首脳、コロンビア共和国のグスタボ・ペトロ大統領、ブラジル連邦共和国のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領、チリ共和国のガブリエル・ボリッチ・フォント大統領の出席に感謝する。
3. 我々は「CELAC-中国フォーラム」設立10周年を祝う。過去10年間、双方は、共同の努力と南南協力を通じて、主権平等、尊重、多元主義、開放性、互恵の原則に基づき、二地域協力において実りある成果を達成してきた。世界のさまざまな地域との多様な関係が存在する中で、我々は、ラ米カリブ諸国と中華人民共和国の間の二地域協力を拡大するためのプラットフォームとして「CELAC-中国フォーラム」を強化するために、開放性と包摂性をもって引き続き努力する意志を改めて表明する。
4. 我々は、世界の急速な変化の中で、このフォーラムがCELAC加盟国と中国との協力を強化するための最も重要なプラットフォームのひとつになったと確信している。我々は、グローバル・サウス諸国の連帯した役割を強調し、各国の強みと能力を結び付けながら、近代化と持続可能な開発を推進するための努力を調整する意図を再確認する。
5. 我々は、「主要分野における協力のためのCELAC・中国共同行動計画(2025~2027年)」で提起された可能性を考慮し、関係当事者の関心事項について協調して対処することを目指し、共通の原則に基づいてそれらを分析する意向を表明する。
6. 我々は、国連憲章及び国際法の目的と原則に従って行動し、地球規模の課題に対処するため、主要な分野において協力する意思があることを改めて表明する。我々は、経済、社会、環境の側面において、持続可能で包摂的かつ均衡ある発展を達成するためには、地域協力と多国間協力が不可欠であることを確認する。
7. 我々は、持続可能な開発が世界の人々の共通の願望であることを強調し、インフラ、連結性、科学技術革新、エネルギー転換、貧困削減などの分野で相互学習を深めるため、政府間の交流を促進する意欲があることを表明する。双方は、それぞれの社会の特性とニーズに合った開発モデルの探求において相互に支援していくという約束を再確認する。
8. 双方は、世界平和を守り、友好と協力を強化し、地球規模での共同の発展を促進するための相互の貢献を認識する。我々は、ラ米カリブ地域を平和地帯と宣言したこと、並びにラ米カリブ地域における核兵器禁止条約を認識していることを改めて表明する。
9. 我々は、ブラジルが提案した「飢餓と貧困に対抗するグローバル同盟」の創設や、中国が提案した「グローバル開発イニシアチブ(GDI)」、「グローバル安全保障イニシアチブ(GSI)」、「グローバル文明イニシアチブ(GCI)」など、いくつかの国が参加している様々なイニシアチブに注目している。
10. 我々は、地域統合、持続可能なインフラ開発、連結性、協力プロジェクトの実施のための、適切な条件を促進するイニシアティブを継続的に推進することの重要性を評価する。我々は、両地域の一部における経済的・社会的発展を支えてきた「一帯一路」イニシアティブの関係者の貢献を確認する。
11. 我々は、国際法を擁護し、国連憲章の目的と原則を推進することの重要性に同意する。我々は、国家間の平等、主権の相互尊重、領土保全の原則を守る。我々は、相違、紛争、衝突の平和的解決を支持し、他国の内政への不干渉を尊重し、国際関係における武力による威嚇や行使、一方的な強制措置の実施に反対し、より民主的な国際秩序の促進に尽力する。中国と外交関係を維持しているCELAC加盟国は、「一つの中国」原則へのコミットメントを再確認する。
12. 我々は、21世紀の現実に適合するようグローバル・ガバナンスの制度を改革することの緊急性を改めて強調する。我々は、国連安全保障理事会を、より代表的、民主的かつ効果的なものとし、その構成が地球規模の課題により適切に対応できるようにし、ラ米カリブ諸国を含む発展途上国の代表性と発言力を強化することを目的として、国連安保理を改革する必要性を認識する。その改革は民主的な協議に忠実でなければならない。
13. 中国は、これまで国連が擁立した9人の事務総長のうち、ラ米カリブ地域出身者は1人しかいないことを考慮し、ラ米カリブ地域の出身者が国連事務総長の職に就くべき時が来たという同地域諸国の立場に留意する。
14. 我々は、平和な世界と包括的で互恵的な経済のグローバル化を主張する。この点に関し、我々は、すべての国々、特に発展途上国の共通の優先事項に対処するためのグローバル経済ガバナンスの必要性を強調する。我々は、公正で透明性が高くルールに基づく多国間貿易システムへの支持を再確認する。[1]
[1] コスタリカ共和国政府はこの条項に反対。
15. 我々は、国際金融システムを改革し、より効率的で、より公平で、今日の世界により調和したものとし、国際公約を果たすための資金ギャップを埋める上で中国やラ米カリブ諸国を含む発展途上国が直面する課題に対応できるようにすることを求める。
16. 我々は、経済のグローバル化を通じて、ラ米カリブ諸国と中華人民共和国の間の協力を深め、連結性を向上させることを目指している。我々は、経済の安全性を高め、開発のための資金調達の課題に対応するために努力する。
17. 我々は、すべての関係者に対し、共通だが差異ある責任という原則とそれぞれの能力を尊重し、これらの手段を新たな貿易障壁を設けるために利用することなく、気候変動に関する国際文書への参加を検討するよう求める。ラ米カリブ諸国、小島嶼発展途上国(SIDS)、内陸国などの、発展途上国の特殊な状況を考慮する必要がある。
18. 我々は、「国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)」のラ米カリブ地域における開催を歓迎する。この会議は2025年11月10~21日にブラジルのベレンで開催され、気候変動との闘いにおける我々の共同の取り組みを強化する機会となる。この脈絡で、我々は、多国間主義、国際協力、そして気候レジームのすべての柱の強化へのコミットメントを再確認する。我々は、また、気候変動の影響に対処し、公正かつ衡平な移行を進めるための発展途上国の努力を支援するため、損失・損害基金や緑の気候基金を含め、これまでのCOPで設立された気候関連基金を全面的に運用し、十分な資金を投入することの重要性を強調する。
19. 我々は、コロンビアのカルタヘナでの第2回「農地改革・農村開発国際会議+20(ICARRD+20)」を歓迎する。この会議は、国連食糧農業機関(FAO)の支援を受け、南南協力を促進するとともに、中国の農村振興戦略などの経験についても検討する。
20. 我々は、国連の枠組みにおいて「国家管轄権の及ばない区域における海洋生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(BBNJ)」が採択され署名が開始されたこと、また、チリが同協定の事務局をバルパライソ市に置くことを申し出たことに留意する。
21. 我々は、人工知能(AI)などの新興かつ変革的な技術のガバナンスは、包括的かつ正当な議論を確保するために、国連を中心に据える必要があると断言する。
22. 我々は、すべての人々の平等、すべての女性と女児のエンパワーメント、ジェンダー格差の解消、子ども、高齢者、障がい者、先住民、農村コミュニティ、アフリカ系住民、脆弱な立場にある人々の権利の保護を含む人権の促進に尽力し、平等、発展、世界平和に貢献する。
23. 我々は、あらゆる形態および現れのテロリズムを非難し、テロリズムをいかなる宗教、人種、民族、国籍とも一方的に結びつけることを拒否する。我々は、国際法と相容れない目的のためにテロ対策の努力が悪用されることに警告を発し、テロ対策における国際協力への我々のコミットメントを再確認する。
24. 我々は、誠実さは共通の価値観であると信じている。また、国際組織犯罪、麻薬や化学物質の原料となる物質の密売、違法な武器取引、人身売買、移民の密輸、汚職、違法採鉱などの犯罪を防止し、これらと闘うことが、正義、経済成長を促進し、法の支配を守るために不可欠であると信じている。我々は、関連する国際協定に従い、司法と法執行の協力、相互の実践の改善、この分野における共同行動を含む協力強化を約束する。
25. 我々は、ハイチ共和国の安定に対する我々の強い支持を再確認し、包括的な開発アプローチを通じて、ハイチの政治的、経済的、社会的状況の正常化に資する人間の安全保障の環境の再構築に向けたハイチの努力に対し、国際社会及び国連と協力しながら、それぞれの能力の範囲内で断固たる貢献をするとことを約束する。
26. この会議に参加した「ラ米カリブ諸国議会(PARLATINO)」、「中米議会(PARLACEN)」、「ラ米カリブ経済委員会(ECLAC)」、「ラ米カリブ開発銀行(CAF)」、「ラ米カリブ経済システム(SELA)」、「ラ米カリブ社会科学部(FLACSO)」などの地域諸組織に感謝する。中国は、ラ米カリブ諸国と中華人民共和国の間のオープンで包括的で全面的な協力ネットワークを構築するため、CELAC加盟国との合意のもとに、これら及び他の地域諸機関との対話と協力に臨む意向を改めて表明する。
27. 我々は、この会議の肯定的な諸結果に満足の意を表明する。CELAC加盟国は、中華人民共和国の準備に感謝する。中国は、加盟国の参加を促進したCELACの暫定議長国ホンジュラスとコロンビアに感謝の意を表明する。
28. 我々は、2028年の次回の「CELAC・中国フォーラム」会議の開催に関して、引き続きコミュニケーションを維持することに合意した。
※ アルゼンチン共和国は、CELAC-中国フォーラム第4回会合の閣僚総会を欠席し、これらの文書の採択には参加しなかった。
Plensa Latina (Voces del Sur Global) mayo 13, 2025 1:16 pm TeleSURtv
Xi respalda que países latinoamericanos y caribeños rechacen interferencias externas
(習近平主席はラ米カリブ諸国が外部からの干渉を拒否することを支持)
習近平中国国家主席は、「中国・ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)閣僚フォーラム」第4回会合の開会演説で、ラ米カリブ諸国が「外部からの干渉を拒否する」ことを支持すると表明した。 / 中国国家主席は、支持を表明した後、CELAC加盟国に対し「それぞれの国情に合った発展の道を歩む」よう促した。 / 北京での会議には、外相やCELACの代表のほか、ユニークなところでは、ブラジルのルーラ・ダ・シルバ、チリのガブリエル・ボリッチ、輪番議長国であるコロンビアのグスタボ・ペトロが出席する。 / 中国の指導者によれば、中国とラ米カリブ諸国は「グローバル・サウスの重要なメンバー」であり、地政学的緊張の高まり、ブロック間の対立、「一国主義と保護主義の傾向の高まり」に直面して、団結を維持しなければならない。 / 習主席は、「我々はラ米カリブ諸国と協力し、国際システムをしっかりと守り、国際問題や地域問題について声を一つにして発言していく」と強調した。 / また、「地政学的な激動と対立」に直面する中、「発展と再生は我々の固有の権利であり、公平と正義は我々の共通の願いだ」と述べ、「真の多国間主義を実践し、国際的な公平と正義を守り、多極化を促進するためにグローバル・ガバナンス・システムの改革を推進する」ために協力することを強調した。 / 中国と同地域との貿易額が昨年初めて5,000億ドルに達したことを指摘し、中国はラ米カリブ諸国の「核心的利益と懸念」に影響を及ぼす問題に関して、引き続き相互支援を促進していきたいと表明した。 / 習主席は、中国が同地域に約92億ドル相当の信用枠を提供し、安全保障と法執行の分野での協力を強化すると発表した。また、「さまざまな分野で交流を強化し、主要な国際問題や地域問題に関する意思疎通と調整を強化しなければならない」と述べ、今後3年間で中国がCELAC加盟国の政党指導者300人を中国に招き、「統治に関する経験を交換」すると発表した。 / 会議の主な議題は「電力相互接続と再生可能エネルギー」と「貿易統合」である。この2つのテーマは、ラ米カリブにおける中国の2つの主要目標、「新シルクロード(BRI)プロジェクト」(一帯一路)の推進と、リチウム、希土類元素、石油、銅など同地域の貴重な天然資源へのアクセス確保に合致する。
Plensa Latina (Voces del Sur Global) mayo 12, 2025 12:42 pm 新華社
China-CELAC: China ofrece una plataforma de cooperación científica para beneficio de los pueblos
(中国-CELAC: 中国は人々の利益のために科学協力プラットフォームを提供)
「科学は人々のものであり、協力こそが科学を伝える最善の方法だ」と、約10年にわたり中国に滞在し、脳の謎の解明に貢献してきた著名なキューバ人神経科学者ペドロ・バルデス・ソーサは語った。 / 「中国には、学術的発展に適した場所だけでなく、ラ米カリブ諸国、さらには世界に貢献できるプラットフォームも見つかるだろう」と、同氏はラテンアメリカの若手研究者へのメッセージに記した。 / 「中国-CELACフォーラム」10周年を記念して、キューバ神経科学センターの共同設立者でもあるキューバ人教授は、アジアの国とラテンアメリカ大陸の間に科学と感情の架け橋を築くことに貢献したいという希望を表明した。 / 2024年末には、「一帯一路」構想の枠組み内で、「中国・キューバ神経工学・脳コンピューター・インターフェース研究所」の設立が承認された。 / 同氏は、中国とラ米カリブ諸国間の科学協力の最も有望な将来の方向性は、学問分野の障壁や制度上の制約を打ち破り、「基礎研究、産業応用、社会サービス」の統合プラットフォームを確立する可能性にあると強調した。 / 同氏は、「ラテンアメリカには強力な知的資源があるが、富裕国の政策や優位性を考えると、われわれはしばしば独自の戦略を立てる必要がある」と語った。
teleSURtv.net 12 de mayo de 2025 (スペイン語)
CELAC-China: Presidente Petro confirma adhesión de Colombia a la Ruta de la Seda
(CELAC-中国: ペトロ大統領、コロンビアの「一体一路」への加盟を確認)
グスタボ・ペトロ大統領は、大統領として初の中国公式訪問で、コロンビアが「一帯一路」(シルクロードとも呼ばれる)構想への参加に署名することを確認した。
Orinoco Tribune April 23, 2025 Últimas Noticias
Petro to Travel to Beijing to Lead CELAC-China Forum
(ペトロ大統領、「CELAC‐中国 フォーラム」を主導するため北京へ)
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、4月21日、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」フォーラムと中国の第4回閣僚会合に出席するため、5月に北京を訪問すると発表した。 / サラビア外相は、中国のラテンアメリカ担当特別代表である邱暁奇とテグシガルパで会談した。両氏は、ペトロ大統領の出席のもと、5月13日に北京でCELAC・中国外相会合を開催することを確認した。 CELACの指導部トロイカの他の2カ国(ホンジュラスとウルグアイ)も出席する予定。 / 2014年に複数の分野にわたる開発と協力を促進するために設立された「CELAC‐中国 フォーラム」は、米国との貿易戦争による世界的な不確実性の中、コロンビアのリーダーシップの下、今年は特別な意義を持つ。
【「CELACの指導部トロイカ」というのは初めて。 / 今回の首脳会議でマドゥーロ大統領は事務局の創設を提起した。】
―― ―― ―― ―― ――
(4月9~11日 CELAC首脳会議)
Venezuelanalysis April 14, 2025 Ricardo Vaz
Latin American Leaders Preach Unity Against Trade Wars and Mass Deportations at CELAC Summit (ラ米諸国首脳、CELAC首脳会議で貿易戦争と大量国外追放に反対し結束を訴える)
ラ米カリブ諸国・首脳会議は、同地域における米国の外交政策に強い反対の姿勢を示した。 / ドナルド・トランプ政権が経済制裁を強化し、広範な輸入関税を導入し、移民の取り締まりを強化する中、地域の指導者たちは、団結の必要性と共同での対応の必要性を強調した。 / 「CELACは、提案と共通の行動をもって強力な連合体として共に一つの声をあげれば、多くのことを達成できるだろう」と、ニコラス・マドゥーロ大統領は述べた。 / マドゥーロ大統領は、電話会議で地域の指導者たちに語りかけ、現在の課題に立ち向かい、米国による新たな「帝国主義的支配」の試みに対抗するため、CELACに対し「自らを改革する」よう求めた。 / 「今日、全世界に対する攻撃がある。180カ国に対する貿易戦争は、西側諸国のグローバリゼーションの終焉を意味するものだ」と付け加え、さらに、関税に反対し、ベネズエラ、キューバ、ニカラグアに対する制裁に反対するよう強く求めた。 / ベネズエラの指導者は、地域のイニシアティブのより効果的なフォローアップを確保するため、CELACに事務局を設置することを改めて提案した。 / ルーラ・ダ・シルバ大統領は、今この瞬間は「我々が意見の相違を脇に置くことを要求している」と主張した。「歴史は貿易戦争に勝者はいないと教えている」「我々の経済が強ければ強いほど、このような一方的な行動から守られることになる」と断言した。 / クラウディア・シェインバウム大統領は、「ラ米カリブは各国政府と国民に団結と連帯を求めている」との見解を改めて表明した。彼女は、地域の指導者に対し、貿易、科学技術開発における共同イニシアティブの構築を強く求めた。 / ラテンアメリカの移民の擁護 ワシントンによる移民に対する取り締まりの強化も、このサミットにおいて地域指導者の注目を集めた。 / 「我々は、人種差別、人権侵害、そして米国への移住を余儀なくされたラテンアメリカの人々を犯罪者として扱うことを拒否する」とシェインバウムは述べ、移民問題はその構造的な原因に目を向けて取り組む必要があると強調した。 / ベネズエラ人移民はトランプ大統領の2期目において特に標的とされており、ホワイトハウスは「トレン・デ・アラグア」ギャングの脅威を理由に、1798年の「外国人敵対者法」を発動してベネズエラ人を取り締まろうとしている。
【「ブエノス・アミーゴス」(https://note.com/buenos_amigos/n/n69398221ad74)に全訳あり】
Peoples Dispatch April 11, 2025 by Pablo Meriguet
In the face of new geopolitical challenges, CELAC proposes greater unity
(新たな地政学的課題に直面し、CELACは更なる結束を提唱)
数ヶ月にわたる準備と3日間にわたる最高レベルの外交会議を経て、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」第9回首脳会議は、同地域の33カ国が参加し、4月11日にホンジュラスのテグシガルパで閉幕した。 / この会議は、「テグシガルパ宣言」と呼ばれる共同合意で閉幕し、加盟33カ国のうち30カ国が署名した。アルゼンチンとパラグアイは、米国以外での地域統合の試みを拒否する極右派ハビエル・ミレイと右翼サンティアゴ・ペーニャの外交政策に沿い、この合意への署名を拒否した。 / ニカラグアは、キューバとベネズエラの防衛を支持しないこと、そしてパレスチナ人虐殺を明確に非難しないことは不適切であるとして、この文書への署名に反対した。【ニカラグアの声明がWorkers World(April 18, 2025)に。https://www.workers.org/2025/04/85132/】【以下、テグシガルパ宣言の要点などは省略】
Granma april 10 Author: Miguel Díaz-Canel Bermúdez
Let us not delay any longer the integration dreamed and fought for, from Bolivar to this day
(ボリバルの時代から今日に至るまで夢見て闘ってきた統合をこれ以上遅らせるべきではない: キューバ大統領ディアス・カネル)
キューバ共産党中央委員会第一書記兼共和国大統領ミゲル・マリオ・ディアス=カネル・ベルムデスによる、2025年4月9日、ホンジュラスのテグシガルパで開催された「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」第9回首脳会議における演説(「革命67年」)
現米国政権は、移民、麻薬取引、国際貿易、気候変動といった問題において、一方的な姿勢を特徴とする攻撃的な政策を打ち出している。 / 米国政府は、他国の秩序を尊重することなく、一方的な強制措置の実施を脅迫し、正当化しようとしている。脅迫、嫌がらせ、政治的操作を、我々の国々に対する常套手段にしようとしている。 / 移民の強制送還は、その多くが劣悪な方法で厳重警備の刑務所に送られ、適正手続きを尊重することなく、有罪の証明もなく、過酷な抑圧環境下で無差別に行われている。こうした慣行は、容認できない権力の濫用であり、ラ米カリブ諸国の市民の基本的権利の侵害である。 / グアンタナモのキューバ領土内の不法占領地にある海軍基地は、再び移民の投獄に利用されている。 / パナマ運河など、パナマ人が主権を行使するインフラを支配しようとする試みも行われている。 / 米国がモンロー主義に回帰すると宣言したことに対しては、団結によってのみ対処できる。それは、創設の諸原則と歴史的遺産を軸とした、まだ初期段階だが既に実質のある、強力で結束力のあるCELACということに等しい。(拍手) / 我々は、ここで、2015年にコスタリカで開催されたCELAC第3回首脳会議においてラウル・カストロ・ルス陸軍大将が述べた言葉を改めて強調する。「多様性の中での統一、結束した行動、そして違いの尊重は、今後も我々の第一の目的であり、避けられない必要条件である。」 キューバは、この精神に基づき、共通の利益と目標を違いよりも優先し、真の地域共同体として行動することで、現在の課題に立ち向かうことを提案する。 / 協力を拡大し、各国に有益なプロジェクトを特定し、地域経済の相互補完性を活用することが急務である。そのためには、立場を一致させ、この共同体の歴史的コンセンサスを守り、各国が関心を寄せるその他の課題について共通のビジョンを確立することが不可欠である。 / 国際的なフォーラムで声をひとつにして発言することは、常に、すべての国の主権的平等を尊重する民主的で公正かつ公平な国際秩序の確立を求める途上国の闘いに対する重要な貢献となるだろう。 / 気候変動への対応を強化するため、私たちは一刻も早く行動を起こさなければならない。ますます壊滅的なハリケーンの被害に苦しむ、荒廃したカリブ海地域からこのことを訴える。 / 60年以上にわたり最も残酷な形で強化されてきた経済・金融封鎖による人的・物的影響に抵抗してきた国を代表して、私たちは、国際法の原則と規範に違反する、開発途上国への一方的な強制措置の即時停止を要求する。 / 米国政府は、キューバ国民を窒息させ、残酷で違法な経済戦争で政情不安を煽り、武力による政府と憲法秩序の転覆を促そうと躍起になっている。 / これに加えて、キューバが50カ国以上に提供している医療協力プログラムに対する悪名高いキャンペーンが展開され、キューバの連帯活動と、それがラ米カリブ諸国および世界中の何百万もの人々の生活に与えている前向きで重要な影響について、虚偽の非難を浴びせている。 / 帝国主義が我々を再植民地化しようとし、諸国の領土保全を脅かそうとする中、この地域における武力行使とその威嚇を断固として一致団結して拒否すれば、CELACは重要な役割を果たすことができる。 / 2014年にハバナで開催された第2回CELAC首脳会議で採択された合意に基づき創設された「中国・CELACフォーラム」は、中国と地域間の多面的な関係を協議し深化させるための効果的な場として、長年にわたり充実してきた。 / 我々は、5月に北京で開催されるフォーラム閣僚級会合を歓迎する。我々は、この会合が不確実かつ複雑な世界情勢の課題に取り組む機会となることを考慮し、全ての関係者と共に会合の成功に向けて取り組んでいく。 / キューバは、CELACを強化し、国際舞台におけるラ米カリブ諸国の位置付けを再構築するための統合に向けて、常に最前線に立っていく。 / 脅威が重なり合うこの時代の重大さは、団結した力を倍増させることを必要としている。団結だけが私たちを救うことができる。ボリバルの時代から今日に至るまで、「私たちのアメリカ」の最も勇敢な息子たち娘たちが夢見て闘ってきた統合を、これ以上遅らせるべきではない。
Misión Verdad 10 Abr 2025 (スペイン語)
Presidente Maduro reivindica la integración y la multipolaridad en la Celac
(マドゥロ大統領、CELACの統合と多極化を訴える)
「新たな植民地主義、新たな奴隷制は、〝我々のアメリカ″にとって選択肢ではない。唯一の選択肢は、真の解放に向けて団結して前進することだ。」これは、ニコラス・マドゥーロ大統領が「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」第9回大統領首脳会議で行なった発言の一つである。 / 大統領は、安全上の理由からホンジュラスの首都テグシガルパには出席しなかったが、ドナルド・トランプ米大統領が推進する最近の移民・貿易政策に対する地域的な懸念が議題の中心となった会議で、テレビ会議方式で演説を行なった。 / 大統領は、CELACが直面している課題を強調し、「我々の組織は、自らを改革し、現在経験している時代に創造的に適応しなければならない」と訴えた。多様性の中の統一は「さまざまな潮流や意見の間の素晴らしい対話のおかげで可能になった」と付け加えた。 / より強力になることを目指す提案 ベネズエラ大統領の発言の核心は、トランプ大統領が大規模な懲罰的関税の導入を通じて宣言した潜在的な貿易戦争を特徴とする複雑な地政学的現実の中での団結であった。 / マドゥーロ大統領は、「団結は義務であり、我々が貢献してきた遺産の上に築かれなければならない」と述べ、CELACを活性化することを提案した。 / ・経済、保健、教育、科学、技術の各閣僚による合同評議会を再活性化する。 ・タイムリーなフォローアップと会議能力の提供を目的として主導する事務局の設立。 / ベネズエラ大統領によれば、CELACには、ラ米カリブが多極化した世界の現実の動向に焦点を当て、独自の発言力を持つ地政学的な拠点となるために、主要な問題に対処する強力な構造が必要だという。 / 攻撃に直面しての自己改革 マドゥーロ大統領の団結へのこだわりには明確な背景がある。 / ・キューバ、ニカラグア、ベネズエラに対する違法な制裁と強制措置は「多形態の侵略の一形態」であり、世界180カ国に対する貿易・関税戦争のエスカレート、彼が「西洋グローバリゼーションの終焉」と呼んだものである。 ・1798年の「外国人敵性法」をベネズエラ移民に適用することは、国際的に公法および人権に反すると考えられている。これは「ファシズムとナチズムの時代以来の、米国の移民民族に対する最も深刻な文明的侵略」であると大統領は述べた。 / トランプ大統領の一連の関税措置は、「ここ数十年の間に、新たな勢力、新たな国、新たな地域の経済発展によって出現した多極化世界に終止符を打つために、覇権的な経済・商業モデルを押し付ける手段だ」と糾弾した。 / さらなる団結への道を切り開くことで、何百万人ものラ米カリブの人々の生活の質が向上し、移住が労働者階級とその家族にとって悲劇的な選択肢となるのを防ぐことができるだろう。さらに、地域協力は、西側諸国のエリートによる強制の影響を受けにくいより強力な市場を確立することで、地域経済を強化するだろう。 / マドゥーロは、多極化の概念がこの地域にとって必要不可欠なものであり、進むべき道であると訴えた。彼は、演説の中で、独立と統合とともに多極化を中心的な位置づけとし、世界システムの再編の中で影響力を持つ単一のブロックを構築するには、これらが必須の要件であると指摘した。
Orinoco Tribune April 10, 2025
Xiomara Castro Reaffirms CELAC’s Role as a Space for Latin American Unity
(シオマラ・カストロ大統領、ラ米統合の場としてのCELACの役割を再確認)
ホンジュラスの首都テグシガルパで、シオマラ・カストロ大統領のリーダーシップの下、第9回CELAC首脳会議が開幕した。 / サミットでは、参加者は、世界経済を景気後退のリスクにさらしているドナルド・トランプ米大統領が開始した関税戦争や移民問題などの世界的な課題を含む、主要な地域的課題について議論した。 / 4月9日に開催されたサミットでは参加者全員が5月に予定されている「CELAC・中国サミット」への参加に意欲を示した。 / 「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」は、33カ国、6億人の住民からなる連合体であり、「米州機構(OAS)」の代替として注目されている。 / ホンジュラス大統領でありCELAC暫定議長を務めるシオマラ・カストロは、開会演説でCELACのこれまでの活動実績を強調し、変化する世界秩序の中で、新自由主義の枠組みを超えた地域統合の再構築を訴えた。 / カストロ議長は、演説の中で、CELACが象徴的なジェスチャーにとどまらず活発に活動していることを強調し、「分断と包囲の中で」団結を維持することの難しさを認めつつも、その必要性を強調した。 / 彼女は、ドナルド・トランプ政権下のアメリカ帝国が「対話なしに諸国の経済地図を書き換える措置を講じた」ことを例に挙げ、主権国家に押し付けられた新自由主義秩序を痛烈に批判した。 / カストロ議長は、また、キューバに対する米国の植民地封鎖を糾弾し、キューバが教師、科学者、医師の世界的な貢献を果たしていることを強調した。ベネズエラ、ニカラグアを支持し、アルゼンチンのクリスティナ・フェルナンデス前大統領とアルゼンチンのマルビナス諸島領有権主張を支持するとともに、イスラエルによる継続的なジェノサイドに苦しむパレスチナ人に連帯を示し、「侵略戦争を阻止」するための集団行動を促した。 / グローバル資本の圧力に言及し、この地域が「犠牲地帯」となることを拒否し、「希望、文化的多様性、政治的多元性の大陸」としてのアイデンティティを受け入れるよう強く求めた。団結の必要性と重要性を強調して、ワシントン・コンセンサスを痛烈に批判した。 / 複雑な地政学的状況の中で、「CELACは平和地帯として尊重されなければならない」と訴え、集団主権を守るための重要なメカニズムとしての役割を強調した。締めくくりのメッセージでは、急速に変化する世界においてラ米カリブ諸国が自らの運命を切り開かなければならないという責務を強調した。
【「ブエノス・アミーゴス」(https://note.com/buenos_amigos/n/n69398221ad74)に全訳あり】
teleSUR April 10, 2025 Hour: 8:00 am
CELAC’s Declaration Rejects Unilateral Coercive Measures
(CELACの宣言、一方的な強制措置を拒絶)
「テグシガルパ宣言」が、33カ国のうち30カ国によって採択された。宣言の最終版を採択しなかった3カ国は、アルゼンチン、パラグアイ、ニカラグアであった。 / ニカラグアは第9回首脳会議参加者に宛てた書簡の中で、CELACの設立原則への支持と、主権国家に対する恣意的な制裁の断固たる拒否を再確認した。 / 「テグシガルパ宣言」の全文は以下のとおり。
第9回首脳会議のためテグシガルパ市に集まったCELACの首脳、政府高官、および高官は、地域が直面する現在の課題に鑑み、以下のとおり宣言する。
1. 過去の首脳会議で採択された宣言の遺産に基づき、この地域のすべての国を結集する政治的調整メカニズムとしてCELACを強化するというコミットメントを再確認する。
2. 国連憲章及び国際法の目的と原則の促進と尊重、国際協力、民主主義と法の支配、多国間主義、全ての人権の保護と促進、自決権の尊重、内政不干渉、主権及び領土保全に基づき、ラ米カリブ地域を平和地帯とする宣言の完全な正当性を強調する。同様に、国際貿易を制限するものを含め、国際法に反する一方的な強制措置の実施を拒否する。
3. これまで国連事務総長は9名在任したが、ラ米またはカリブ諸国出身者はわずか1名であり、女性が事務総長に就任した例はないことを想起し、国連事務総長のポストにこの地域出身者が就任するのは時宜にかない適切であるとの共通の信念を確認する。
4. 共通の関心事項に関して、多国間フォーラムでのCELACの共同介入を調整することの重要性を強調する。
5. ホンジュラス共和国がCELACの臨時議長国(PPT)として行なった活動に対し、その功績を評価する。食料安全保障、女性、教育、コーヒー、エネルギー、金融協力、気候変動、人々の移動といった分野における努力と経験を共有するために、ハイレベルの会合を開催したことを強調する。
6. 第79回国連総会の傍ら、臨時議長国ホンジュラスが招集した会議での進展を確認し、CELACの、他の国々や地域グループとの協力関係を深めるための政治対話を継続する意思を再確認する。
7. コロンビア共和国を本メカニズムの次期臨時議長国(2025~26年)として歓迎し、同国がCELACの活動のために特定した優先事項を確認する。主な分野は以下の通り。エネルギー(エネルギー転換及び相互接続)、人の移動、保健及びその自給自足、食料安全保障、環境及び気候変動、先住民及びアフリカ系住民、科学技術及びイノベーション、連結性とインフラ、貿易及び投資の強化、国際組織犯罪、教育、ジェンダー平等など。
8. ハイチ共和国の安定に対する強力な支持と、各国の能力に応じ、国際社会及び国連と連携し、包括的な開発アプローチにより、ハイチ共和国の政治的、経済的、社会的状況の正常化に向けた人々の安全保障環境の再構築に向けた努力を支援するという確固たる決意を再確認する。
teleSUR April 10, 2025 Hour: 7:29 am
CELAC Has an Important Role in Keeping Regional Peace: President Xi
(CELACは地域の平和維持に重要な役割を担う: 習近平国家主席)
習主席は、中国とラ米カリブ諸国の関係は国際的な混乱の試練に耐えてきたと述べた。 / 祝辞の中で、習主席は、今日の世界は1世紀で例を見ないほどの急速な変化を経験しており、中国やラ米カリブ諸国を含むグローバル・サウスは力強い勢いで成長していると述べた。 / CELACは、独立、自立、団結による強靭さを堅持し、地域の平和と安定の維持、発展と協力の促進、地域統合の推進において重要な役割を果たしてきた、と。 / 中国とラ米カリブ諸国の関係は国際的な激動の試練を乗り越え、平等、互恵、革新、開放、そして国民への具体的な利益を特徴とする新たな段階に入ったと述べた。 / 双方は、政治的信頼を深め、実務協力を拡大し、人的交流を強化し、双方の国民に利益をもたらし、南南協力の模範を示していると述べ、中国は地域諸国と協力して、中国・ラ米カリブ運命共同体の構築に向けた新たな進展を推進する用意があると表明した。 / 今年、中国は、北京で「中国・CELACフォーラム」第4回閣僚級会合を主催する。
teleSUR April 9, 2025 Hour: 10:12 pm
Lula da Silva Advocates for Latin American Unity at the IX CELAC Summit
(ルーラ・ダ・シルバ大統領、第9回CELACサミットでラテンアメリカの結束を訴える)
ブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領は、CELACサミットでラ米カリブの結束を訴え、世界的な不安定化の中、民主主義、気候変動対策、経済統合を優先課題とした。 / ルーラ大統領は、ラテンアメリカが歴史上最も重大な時期の一つを迎えていると強調した。演説の中で、ルーラ大統領は、時代遅れの勢力圏を復活させようとする試みは国家の自治を脅かすと強調し、各国に対し、相違点を脇に置いて共通の課題に取り組むよう促した。 / ルーラ大統領は、民主主義の擁護、気候変動対策、そして経済統合の推進に重点を置いた3本柱の行動計画を概説した。
teleSUR April 9, 2025 Hour: 7:48 pm
Claudia Sheinbaum Promotes Agenda of Unity and Economic Well-Being at CELAC
(クラウディア・シェインバウム大統領、CELACで結束と経済的繁栄の指針を推進)
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は、CELACでラ米カリブの結束を訴え、制裁を拒否し、公平性、クリーンエネルギー、社会正義のための地域経済サミットの開催を提案した。
teleSUR April 9, 2025 Hour: 2:45 pm
Honduran President Xiomara Castro Opens the 9th CELAC Summit
(ホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領、第9回CELAC首脳会議を開会)
カストロ大統領は、CELACは単なるフォーラムではなく、解放のためのツールとなるべきだと指摘した。 / ホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領は、4月9日、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」第9回首脳会議を開会した。
teleSUR April 9, 2025
CELAC: Colombian President Proposes United Fight Against U.S. Tariffs
(CELAC: コロンビア大統領、米国の関税に対抗する団結した闘いを提案)
4月8日、テグシガルパで、コロンビア大統領グスタボ・ペトロは、ドナルド・トランプ米大統領が課した関税に対抗するため各国が「ブロックとして行動し」「世界に門戸を開く」ことを提案した。 / コロンビアは4月9日にCELACの暫定議長国を務める。 / 「第一に、ブロックとして行動すること。第二に、世界に開かれること。だからこそ、11月にCELACと欧州連合(EU)の会議が開催される」と、ペトロ大統領は記者団に述べた。 / 4月9日、CELACはテグシガルパで首脳会議を開催する。米国がラ米カリブ諸国からの輸入品に10%の関税を課すことで貿易戦争を仕掛けている最中である。ただし、ベネズエラとニカラグアはそれぞれ15%と18%のより高い関税が課される。 / ペトロ大統領は、5月にCELACと中国との会合も開催される予定だと述べた。また、関税問題に対処するため、CELACとアフリカ諸国、そしてペルシャ湾岸諸国との会合を「後日」開催する予定だと述べた。