l'isle et potori

イルと灯鳥 ごはんとものとのまわり

嬉しい

2013年06月24日 | オフごはん
今日はバザール店に寄った少しの時間で

最初の店の時のお客さんに再会。

その前やその後に会った友人知人達の

それぞれの乗り越えた別れの話と

これからの共にいる可能性の話を。

今日はさりげなく実り多い。


l'isle

好きなもの

2013年06月24日 | イル日記


思春期に入った頃から心に浮かんだ事を書き留めて置くのが好きで、

そのほとんどを引っ越しの度に箱ごと連れて来ている。

その初めの、たぶん中学に入ったばかりの時に

意識してつくった丸文字で小さなかわいいノートに書いたのが

好きなもの、リスト。

例えばバナナチップとかコーヒーとか

忌野清志郎とか桃井かおりとか

牛乳とかストライプとか。

かわいくいたいのと

大人になりたいのが混在した1ページ。

それから私的な書き物を続けている間はずっと

こんな風に見られたいとか

近づきたい人との共通点を作りたいとか

こんな世界が好きだからこれも好きで当然とか

そんな自意識で

好きなものを選ぶ事もあったのかもしれない。

年齢を重ねる毎に社会的立場も変わっていき、

この数年を振り返ると

どれも嫌わないように務めていたかもしれない。

食べ物の好みも、

わざわざ何が好きかと訊かれたら答えられない。

ごく最近になって、

料理に頻繁にレモンを使っている毎に気づき

あたしレモンが好きなのかも、と言ったら

身近な人が、そうだよあなたはレモンが好きだよと言った。

自分では好きとか嫌いとか

激しさが落ち着いて丸くなったと感じていたけど

それを意識する余裕がなくっているだけで

案外まわりの人たちは

私が何を好んで何を嫌がるのか

わかりやすいじゃんって言うのかもしれない。


好きなものはいつでも変わる事があるのに、

かつて好きだったものやことを

まだ変わらず、私の好きなものだと思い込んでいることもある。

と、考えてみたけど好きなものは減ってはいないかも。

使い方や関わり方が変わっただけで。

逆に興味のわかなかったものを好きになったのはたくさんある。

似合う服もさすがに変わって来た。


憧れること、心地よいこと、自分らしいこと。

好きにはいろんな理由があっていい。


今の私。

憧れるのは手仕事の布、情感溢れるピアノやバイオリンの音楽、こざっぱりした部屋。

心地よいのは麻やオーガニックコットンの布、静けさ、調和的に賑やかな時間、目でする会話。

自分らしいのは重ね着の布遊び、おしゃべり、組み合わせの妙(料理においても空間作りにおいても)。


そして最近気づいたのは

好きと欲しいの関係性。

欲しいと思っているのと違う部分が満たされたら、

それほど欲しいとも感じなくなっていることがある。

確かに好きなことであるのは変わらないのだけれど

それを欲する裏の事情が満たされたら

好きなまま求めなくなることができる。

例えば、いい例かはわからないけれど

とても美しいハイヒールの靴に憧れていたとして

いつも履いているペタンコ靴が心地よく、いつも、素敵ねって褒められていたら

ハイヒールは眺めているだけで済んだり、

とても好きな人が自分のことをずっと好きでいてくれるのか確信がもてない時は

いつも会いたくて仕方ないのに

今のお互いの気持ちが通じ合っていると

会わなくても自分の時間を楽しめるようになる、とかね。


物質と関係と環境と状況が複雑に絡み合って

好きは変わらなくても

欲しいは大きくなったり小さくなったりするものだと思う。

だから今強く好きだと思うことを

今存分に味わうようにしたい。



l'isle