l'isle et potori

イルと灯鳥 ごはんとものとのまわり

根のもので春のツマミ

2011年04月13日 | オフごはん
久しぶりのやすみらしい休み。

フランスで料理人をしている友人が一時期国で

一緒に過ごしたので

頭の中の流れがいつもと違うことになったのがきっかけで。


日野春の駅まで送ったあと、

清里まで車を走らせた。

パティスリーで立ち話。

食材の話あれこれ、

この状況において考えることあれこれ。


清里へ行った目的は

フォトアートミュージアムで

この時期毎年恒例の、

ヤングポートフォリオ展。

写真家などの選考委員によって選ばれ、

この美術館に収蔵される作品の展示。

年々、技巧的な物よりドキュメンタリーなものが

多く選ばれているように見える。

作品が選ばれたフォトグラファーたちのコメント文も

印象に残る。

バングラデシュなどアジアで撮影されたものが目を引く。

今、日本中でたくさんの人が思いを巡らせているであろうこと。

「満たされず、かつ満ち足りている人々。」

「自分にとっての幸せ、大切なことは何か。」



明るいうちに家に帰ろうと決めて

途中でビールを買って山の家に帰宅。

岩手で造られた銀河高原ビールを片手に

ウッドデッキの階段に腰掛けて

ウールのブランケットに包まれ山に向かう。

次第に濃くなる蒼。

左を見れば薄いブルーグレイの八ヶ岳。

右上を見上げれば、上弦の月。

正面に迫る山の際の樹々が

人の群れのように一本一本生きて存在している。

こんなに静かな視線は久しぶり。


満足してリビングに戻り

用意していた簡単なつまみ。

銀河高原ビールをグラスに継ぎ足し。

武川の直売所で買った

ヤーコンをマスタードと塩とオリーブオイルと酢で和えたサラダ、

自然薯を薄くスライスして佐渡の藻塩とワサビオイルをかけたもの。

お昼が遅かったからこれでじゅうぶん。

冬に甘みと旨味を増した根のものを

生き生きした力をそのままに

生でいただくと

暖かさと寒さが一日の中で同居する今日という日にピッタリ。

真原の桜がようやく咲き始めました。

一日ごとに姿を変える桜並木をくぐりながら

日々を大切にしようと思う日々です。







東北の味覚

2011年04月07日 | イル日記
青森県出身、仙台で7年を過ごしました。

あまり頻繁に帰省しないのですが、

なんとなく去年の秋に

正月には行こうと決めていて

実家のある八戸と

盛岡、花巻、仙台を旅して帰って来ました。

東北の酒や海産物や農産物を堪能し

調味料や乾物やお菓子をお土産に買って来ました。


先ほどネットのニュースで見つけた記事では

岩手の酒蔵の方が

お花見で岩手の酒や東北の産物を楽しんで消費してくださいと

呼びかけているという。

こんな形で復興を助けて

元気な人が元気でいて

しっかりエネルギーを充足させることは

決して不謹慎ではないと思う。


ぽとりでも

東北の魅了的な食を提供することもできるかもしれないと

考えたりもします。


支援の形、いろいろありますね。

最近気になるのは、

直接的な支援ができなくてもどかしい思いをしている人たちが

しんどくなっているののによく接すること。

それぞれに役立つ形は違う。

冷静に機をみて

それぞれのやり方とタイミングで。

まずは自分へのケアが出来てこそ

最大限の力を発揮できる。

被災した家族や友人やそのまた家族や友人を

支える

揺るがない強さを持ち続けたい。

日々たくさんの情報が飛び込みます。

いろんな人の意見もあるから

吟味しなければ。

離れているからこそできること

ここにいるから

自分たちだからできることを

時間を大切にしっかりと。


震災発生後 私が変わったこと

時間を大切にするようになった。

仕事はもちろん

暮らしのこと、

おしゃべりの時間、

休む時間もしっかりと。

長期的にふるさとと関わり続けるために

時間も物もお金も大切に

目の前の物をしっかりやって行きたい。


私個人はこんな感じです。


そしてぽとりではスタッフ募集しています。

家庭の事情で山梨を離れるスタッフがいるため。

彼女の結婚式が先日ぽとりで行われました。

列席のお客様は減ってしまいましたが

新しい家族の出会い、

和やかで素敵な会になりました。

ぽとりにとっては

新旧スタッフ揃っての嬉しい仕事、

大切な仲間の新たな人生の誓いに

皆で立ち会うというすばらしい時間でした。

大切な人が一同に会することの

喜びを実感する新しい始まり。


ずっと壊れていた看板が

二人の大工系友人の手で

すっきりと形を取り戻しました。

穏やかに営業しております。

天気のいい日は

ガラスのドーム、陽だまり広場を客席に。

お日様の暖房で、気持ちいい。

ストーブ無しでもあったかくって

冷たいドリンクのオーダーも多いです。

時々 まぶしすぎて

席の移動をすることもありますが。

昨年より大夫遅いけど

少しずつ桜の開花を見つけます。

大学の時に毎年花見で羽目をはずした

仙台の西公園は

今年はどんなだろうかと想像はするけど、

日本の春のはじめの象徴、桜は

力一杯咲いて日本列島を染めてゆく。

見逃さないで、この息吹を。