涙の理由
~人はなぜ涙を流すのか~
重松清 茂木健一郎
私が次に涙を流すとき、それはどういう時なのか意識してしまうかもしれない。
その人がわかる手掛かりになるような見方もできる。
わかりやすい考え方で、そういう見方をしていることが
自分の中にもあるのだなと、そんなことを思いました。
意識していなかったことが
意識を持ち出すと、客観的に見られるようになる。
「琴線に触れる」涙を流す、その瞬間のこと
予期せぬことが起こる時に、真実の涙がこぼれる。
なぜ、今自分は泣いているんだろう
人生の中で、そういう瞬間はそう簡単にはやってこないだろうと思う。
~おそらく、若いうちの涙は、自分が主役の涙なんだよ。自分のため、自己中心的な涙なんだよね。
「俺」が悔しいとか、「俺」が嬉しい。でも、年をとると、「何か」や「他人」を見て、泣くようになるよね。
「自分が」というよりも、「おう、頑張れよ少年」とか「おばあちゃん頑張って」が増えてくる。俺は優しくなったと
自分でも思う。~
抜粋(重松氏の言葉)
~・・・・・その瞬間、私たちの不完全なそして限りある命が、何者かによって許される。そんな素敵な奇跡のかたちが
私たち人間の涙なのだと思う。今後の自分の人生の進路をも照らし出す、光となるもの。・・・・~
抜粋(茂木さんのあとがきより)
簡単に「泣ける」風潮にある、今の世の中のかたちを危ぶんでいる。
安きに流されないで生きるための、何かヒントのようなものがあると思った。
そして、真の涙は人生において、突然迫ってくるものなのかなとも思う。
自分を失くしてしまうように流れる涙もあるだろう。
その時には涙が流れなくて、時間をおいて、何かの機会にふと溢れ出す涙もある。
涙について追及してみると様々なことが浮かび上がる。
深く考えてみる
見つめてみる
そんな機会を得られたと、読んでみて、そんなことを思いました。