「“ありのまま”の自分に気づく」 小池龍之介 角川SSC新書
私の昨今のテーマ、「ありのまま」この言葉に引き寄せられて借りてきました。
そして一気に読みました。
くどいくらいに、ありのままの自分とは・・・が書かれています。
自己肯定、自己承認、孤独について、渇愛について・・・
なかなか鋭く人間というものに切り込んでいきます。
目からうろこと思うことあり、また、人によっては、もうそこは乗り越えて自分を生きている
そんなことも感じました。
私くらいの年齢になってくると、ある程度は自分というものが完成されて
どこか、揺るがなく、達観して生きている人も多くなってくる
そう感じているので、人間洞察は、このような本を読んで、完結していく
私の中では、そういう納まり方をしました。
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小池龍之介さんは、雑誌の特集記事にも色々と書かれていて
馴染みのある方になっています。
わかりやすいですね、お話が。なのでぐいぐい読み進んで行きます。
養老孟司 著 「こまった人」 中公新書
養老孟司氏の本も、何かしら手元に置いておいて、ぷらっと読むのに向いています。
肩の力が抜けていて、それでいて目から鱗が落ちるようなそんな視点にはっとさせられます。
~ 遺伝学の常識だと思うが、全体として見れば、生まれてくる子どもの性質に、大きな変わりはない。
私個人の意見はもっと極端で、四万年前の人類であるクロマニヨン人でも、現代人とほとんど変わらないと
考えている。骨を見れば、そうとしか思えないからである。それ以前のネアンデルタール人になると
骨ではっきり区別ができる。それなら頭の中身も相当違っていて不思議はない。しかしたかが
百年や千年では、人は変わりはしないのである。
生まれてくる子どもは昔とほとんど変わらないのに、現代の若者が以前と変わってきたとすれば
それは社会が変わってきたからだということになる。言い換えれば、子どもが育つ環境が変わったので
ある。環境を変えたのは大人だから、若者に変化が生じたのは、大人のせいに決まっている。
~中略~子どもが育つ環境が激変したことは、いうまでもないであろう。これだけ変えたのに、
よくまともに育っているなあ、人間の適応力は大したものだ。私はむしろそう思っているくらいである。・・・・
~中略~
・・・・自分は変わる。それも大人が教えなくてはいけないことであろう。変わる前の自分にとって、
世の中が真っ暗であることはありうる。しかし、自分が変われば、その同じ世の中が明るく見える。
いつも世の中が暗く見えているなら、それは自分が固定し、進歩していないというだけのことである。
それを「本当の自分」などと思い込んだら、なるほど、自殺するしかあるまい。希望は自分が変わることに
あるので、世の中が変わることにあるのではない。世の中に比較すれば、自分個人なんてゴミの一粒である。・・・・
「こまった人」(人生安上がり)より一部抜粋
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「本当の自分」というもの。それを意識し過ぎると生きにくさを感じるもの。
うまく行っている時には、自惚れてみたり、そうでなければ生きることが苦しいと思ったり。
「本当の自分」は錯覚である。養老さんはそう言い切ります。
こうであるという世の中の常識に風穴を開けてくれるようである。
母が、「養老孟司の本は(図書館で借りられる限り)ほとんど読んだ。」
そう言っていたので、さて読んでみましょう、ということで読んだのが始まりでした。
自分の考えに一つの待ったを入れてくれる
また読んでみよう、そう思えるのが養老孟司さんの本です。