[個人史]: 病院にて
診察の順番の声がかかるのを待っていたときの事だ。
唯一空いていた 一番奥の席(丸イス)に座ると 正規の長いすに並ぶ多くの患者さんたちの様子が良く見渡せた。
様々な表情や思いを抱いて待つ人々の中に 何人かの障害者の方々がいた。
前の患者さんの診察が終わった時、 近くにいた一人の女性が スッく と立ち上がった。 そして 介助されながら診察室から出てきた女性に向かって名前を呼んだ。
親しく話すその様子からすると 互いに遠くに住んでいる 視覚障害者同士が 病院で偶然に再会したらしい。 しかも久々の再会らしいのだ。
私は 驚くやら感心するやらで 声だけで認識できる視覚障害者の能力に すっかり恐れ入ってしまった。
<気になる事>
彼女たちが近況を述べ合っているとき、 呼びかけた女性が 「またお給料下がるのよ」 と訴えた。 いま仕事をしていないというもうひとりが 「どうして? 景気良いんじゃないの?」 と念を押すと、
「そうなの。 景気は良いんだけれど 私たちの給料はまた下がるのよ」 と話すその言葉を私は見逃せなかった。
詳細を耳にする前に 私の診察が始まってしまったのだが、
とにかく 景気が良いはずの日本で いまだに給料が下がる グループ(組) しかも 障害者 がいる事を知った日となった。
(記)
診察の順番の声がかかるのを待っていたときの事だ。
唯一空いていた 一番奥の席(丸イス)に座ると 正規の長いすに並ぶ多くの患者さんたちの様子が良く見渡せた。
様々な表情や思いを抱いて待つ人々の中に 何人かの障害者の方々がいた。
前の患者さんの診察が終わった時、 近くにいた一人の女性が スッく と立ち上がった。 そして 介助されながら診察室から出てきた女性に向かって名前を呼んだ。
親しく話すその様子からすると 互いに遠くに住んでいる 視覚障害者同士が 病院で偶然に再会したらしい。 しかも久々の再会らしいのだ。
私は 驚くやら感心するやらで 声だけで認識できる視覚障害者の能力に すっかり恐れ入ってしまった。
<気になる事>
彼女たちが近況を述べ合っているとき、 呼びかけた女性が 「またお給料下がるのよ」 と訴えた。 いま仕事をしていないというもうひとりが 「どうして? 景気良いんじゃないの?」 と念を押すと、
「そうなの。 景気は良いんだけれど 私たちの給料はまた下がるのよ」 と話すその言葉を私は見逃せなかった。
詳細を耳にする前に 私の診察が始まってしまったのだが、
とにかく 景気が良いはずの日本で いまだに給料が下がる グループ(組) しかも 障害者 がいる事を知った日となった。
(記)