
松本大洋さんのお母さんってことに興味を持って、工藤直子さんの「ねこはしる」を読んでみました。図書館で検索したら、本じゃなくて、紙芝居しか置いて無くて(誰も借りてないのか新品!)、ちょっと恥ずかしいような、何年ぶり??って思いつつ、借りて来ました。工藤直子著 保手浜孝(画)3990円 (立派な厚紙24枚仕様)
いや~~なかなかどうして、とても良い作品でした

あとがきに、工藤直子さんが、昔黒猫を飼っていて、家族同様に暮らしていたこと、ある日いなくなってしまって、随分探したが見つからなかったこと・・などが書かれていました。工藤さん及び松本さんの作品には、よくネコが登場するので、きっとお好きなんだろうな~と推察です。
他にも 「こどものころにみた空は」(詩は工藤さんで、絵は松本大洋さん)、「のはらうた」、「おしゃれねこ」、そして旦那さん(松本大洋さんのお父さん)の松本東洋さんの「ここは宇宙一番地」を借りて来ました。世界各国の音楽に詳しい「中村とうよう」さんという方がいらして、昔から雑誌で、彼の音楽レビューとか楽しく読んでいて、そのせいか、とうようと大洋がごっちゃになって、中村大洋って、たまに間違って言っちゃいます(^_^;)

「こどものころにみた空は」は、凄く良かったです。私は、こういう詩、好きです。
上の写真で、見開きで電信柱と電線の絵の本です。
誰でもが子供の頃にいた風景や、感じてた事や、もう忘れていた事柄が、色々あって、とても懐かしくなりました。
だいたい見開き2ページに、さらさら・・っと書かれた詩なのです。これも松本大洋さんと、どこか通じる処とかあるなぁ~ほんと親子って感じがすっごくしました。所々大洋さんの挿絵がさりげなく入っていて、これ読んで、砂のトンネルを両側から友達と堀りっこしていて、ある瞬間、貫通する、あの時の嬉しさを思い出しました。
「のはらうたⅠ」
これも、なかなか良い詩集でした。手にすっぽりおさまる小さな本、昆虫や動物などのお話が、ポツポツと載せられていて、それぞれの名前がとても可愛いんです。
言葉のテンポもなんとなく良くて、春や秋の日に、のんびり縁側でゴロゴロしながら読みながら昼寝しちゃいたい感じの本です。
「おしゃれねこ」とお父さんの「ここは宇宙一番地」は、普通でした。
工藤直子さん プロフィール

1935年11月2日、台湾に生まれる。お茶の水女子大学中国文学科卒。コピーライターとして博報堂に入社、女性コピーライターの草分け。しかし、サラリーウーマンに疲れて退職し、日系2世らに日本語を教える仕事をしにブラジルへ。その長い航海の体験が名作「ともだちは海のにおい」を生んだ。帰国後、染めや織りなどの手仕事と詩人との両方を始める。一人息子の松本大洋さんは、母親のことを「なおさん」と呼ぶ。
「てつがくのライオン」『ともだちは海のにおい』他、多数。主に動植物や風景を主人公に詩や童話を書く。工藤直子 リスト
そういえば、昔、家の子供が小さい頃好きだった「だんまりこうろぎ」を翻訳したのって、工藤さんだったんです。
幾つか工藤さんの本を読んで、息子も凄いが、母も凄い人であり、2人はさすがに親子だわ~と(何か世界観?モノを見る目?が似てる)凄く納得したのでした。お父さんの東洋さんも、頭の良さそうな人だな~って思いました。難しいことを解りやすく表現されるのが上手で、理系の父と文系の母の元、大切に育てられたんだろうな~と推察です。



ラストは魚を口に入れて走り、大きな池に放してあげるのかと思って読み進めたら、違いました。
あの終わり方はすごいですよね。
本の方も是非読んでみたいです。
私もまさか、ああいう展開になってしまうとは、全く予想もしていなくて、びっくりしました。
「ひとつになる」って言葉ではありますが、シンプルに考えると、えー!って展開なんですよね・・・
でも、それって、一番避けたい展開なのに、あえて、それを選んだわけで・・・。とにかく、すごいなーと思いました☆
あとは、図書館でかりました。
「ともだちは海のにおい」
「ともだちは緑のにおい」
がベストかしら。
先日、新装版を見つけて、そっちもいいな・・・と歯ぎしりしました。
なんというか、タフなとこが、心のカンフル剤みたいで好きです。
松本大洋さんは・・・10冊ありました。
その画力は、たとえば100年後、フランスあたりの美術館で飾られていてもおかしくないくらい、同じ日本人であることを誇りに思うレベルにあると思っています。
特に自分のスタイルを見つけてからの彼の絵は、怖いくらいです。
あの、エゴン・シーレみたいなセクシーな指の一本一本。
もう、高みにいるのに、進化し続け、とうとう、顔のパーツが輪郭から放り出されて・・・
どこまで疾走し続けるのでしょうか。
言語感覚も脊髄を支配してゆくんですよね。
「祇園精舎の
のように
「血反吐くまで
血便吐くまで
と書くつもりが、ああ、もう、血便は吐きたくない・・・何というミス!
本当に松本大洋を愛している人間にあるまじきミス!
まあ、とにかく・・・あの、二人とも好きです。
奥さんの冬野さほさんのコミックはご覧になったことありますか?
パソコンを支配出来る日はくるのか・・・
血ヘド吐くまで走り込め
と書きたかったのに、もう、ああ・・・
馬鹿丸出しで失礼しました。
次は佐藤多佳子さんのほんの方にお邪魔します。
次こそ、ノーミスで失礼のない文を・・・
また来て下さって、嬉しいですー☆
> 「ともだちは海のにおい」
これ、私も、この記事書いた直後、図書館で借りて読みました。
長新太さんの、さし絵も可愛かったです。
もしや、牧場主さんのおっしゃっている、新装版とは何時のなのかな?
> 「ともだちは緑のにおい」
は、まだ読んでいないんです。
牧場主さん、松本大洋さんの本も10冊お持ちだとか。
家も結局、ほとんど全部揃えてしまいました・・・
> 同じ日本人であることを誇りに思うレベルにあると思っています。
ほんと、ほんと。その通りですね。
> 特に自分のスタイルを見つけてからの彼の絵は、怖いくらいです。
あっ、私もそれ感じます・・。あまり絵の事とか詳しいことは解らないのですが、青い春の時は、そんなに凄いって思わなかったのだけれど、段々凄くなってった気がします。
そういや、家の母が、(←全然松本大洋さんのこと知らない)「エゴン・シーレみたいな雰囲気の絵だね」と大洋さんのマンガ見て言ってました。なるほど、ちょっと似てる部分もあるかな~って。
奥さんの冬野さほさんのマンガも2コですが持ってます。実は私自身は、絵がお洒落でカワイイな~って思うだけで、バシっと響いてくる部分が無いのですが、家の娘が、絵も内容も凄く気に入ってるみたいで、何度も読み返しているみたいです。
私は、牧場主さんが書き出して下さった部分を含んでいる「ピンポン」が特に大好きです。
ミスなんて全然気にしなくて平気ですよ(^O^)
映画倉庫の方は、一番下にパスワード(自分の好きな数字4ケタとか)を入れておけば、投稿された後でも、編集ボタンを押して、何度でも変更可能な機能がついてるんですが、こちらgooの方は、そういう機能がついて無いんです。ついてると良いのにな~って思います。
佐藤多佳子さんのところ、楽しみに待ってます~
正直にいうと、分かるようで分からなかったです。
私達読者は、アーティストが二人何かしら関係があると、たとえば二世にどのように影響を及ぼしたかという視点から完全に自由になることが出来ません。
私が奥さんの冬野さほさんのことを尋ねたのは、「GOGOモンスター」
という作品で、冬野さんの絵と、松本さんの絵を完全に独立して見ている方がいたんです。
私は区別が出来ないので、冬野さんの絵を引いて鑑賞したいと思ったからなんです。
何故、このことにこだわるかというと、たまに、親の七光りをトラウマにしすぎたり、アイデンティティーにしすぎたりしている、ナイーブな方がいらっしゃると、ああ、受け手である私はあなたと対等で、あなたを傷つけるつもりはないので、どうぞ、あなたの活動をしてください、あなたにアートがある限り、見守り続けます、と言いたくなってしまうんですね。
でも、うーん、前述しましたが、やっぱり、共通点を見出すという視点自体も正当だし、松本さんも工藤さんも別に出来ることならひた隠しにしたい、と言うタイプでもなさそうだし、いいか・・・
というわけで、共通点。
うーん、うーん、やっぱり、言語化しにくい。
松本さんの輪郭はとらえることが出来る。
絵とか、言葉とか。
でも、世界は・・・言葉にした途端、ほろほろと、それは、違うという確信以外、崩れていってしまって。
私に受け止める器がないのがもの凄く切ないです。
で、冬野さんの作品は、そうですか、latifaさんはバシッとこなくて、娘さんが何度も読み返す・・・
うーん、どうしよう・・・
「ともだちは海のにおい」「ともだちは緑のにおい」は新装版も長新太で、ページがライラックのような色で、文字も黒ではありませんでした。(記憶によると)
私が持っているのは、表紙以外にカラーはないです。
ええと、お尋ねしたいのですが、私のお邪魔するペースはしつこいですかね?
こっちは初めてということもありますが、文量とか、フェイバリットを営業したくなる思いが重いとか、もしあれば教えていただけると上手い距離感がつかめるのですが。
佐藤多佳子はまた次回。
「GOGOモンスター」家にありますよ♪
絵も素敵、内容も深くて、好きですよー。
でも、冬野さんがどこを描いているのか?とか、私は、分けて見ることはしてなかったです。
お友達で、そのあたり、ハッキリ解る方、すごいですねー!!
松本大洋さんとお母さんの共通点?は、どこか、なんとなく通じる部分があるような・・・って感じでした。
別々のアーティストである親子を比べちゃうのは、正直、ナンセンスですね^^ つい、世間の人は(私含めて)比べたくなっちゃうものですが
新装版の差、教えて下さって、ありがとうございました。私が見た本は、やっぱり表紙カバーだけが水色っぽいカラーで、中の挿絵は白黒だけだったと記憶しています。文字は何色だったかな?多分黒だったと思います・・。
松本大洋さんの作品で、子供が「死」に対して特別な思いというか、凄く怖いと思ってる部分にとても共感してしまうんです。今ではなくて、私が幼い頃、あんな感じのこといつも思ってブルーだったのです。
ところで、来て下さるペースについてですが、しつこいだなんて、全く思っていませんよ、かえって嬉しい位ですよ。
いつでも、気が向いた時に、毎日でも、8ヶ月間とかブランクあこうが、お好きに気軽に遊びに来て下さいまし~~☆ 私は、何でも、大歓迎です!!
共通点、言語化してみます。
(他人の言葉を借りるとこが情けないですが)
「自分達の友情の関係を祝う」間柄。
それを「至福」だと感じる力。
「 」内は「スラムダンクな友情論」で齋藤孝がペコとスマイルに対して使った言葉です。
シロとクロの関係も一括りにするのは乱暴ですが、特別な他者(場合によっては唯一の)ポストにお互いを置いて、片方が沈んだり、浮いたりしますが、最後は笑います。
工藤直子の「ねこはしる」では、どうも食べることが何だか極端すぎて、ひとつになる?カニバリズムと紙一重?と、変に囚われてしまい、時間がかかりましたが、他の作品で重なったものがあったので、つかめました。
アジサイとカタツムリは、あまりおしゃべりしなくてもいい。
お互いに(そばにいるなあ)と感じているだけで、なんだかうれしい。
「ぼくたちの散歩」より
「こころのなかにも、こころのそとにもあんたがいて、ぼく、げんきがでるよ」
「そう。ぼくも、きみがたくさんいる感じでからだじゅう、にぎやかだ」
「ともだちは海のにおい」より
latifaさんの「ひとつになる」がストンときました。
シンクロニシティ。
私達の世界で一番よく使う言葉、それは、
ともだち。
「死」に対する特別な恐怖。ああ~、そうそう、ブルーでした。
何か、言葉にできなくて、困ってましたね。
右向いても、左向いても、答えがなくて。
でも、もう、その気持ちを思い出せません。
ああ、詩のことって、映画やドラマと違って、あんまり人とお話できなかったんで、つい、人んちで独りよがりに営業しちゃいましたよ。
ごめんなすって。
佐藤多佳子・・・?つ、次・・・
そうですね。牧場主さんのおっしゃること、説明、その通りだと思います☆
松本さんにしても、工藤さんにしても「ともだち」「友情」への思いと信頼?は、凄く強いものを感じます。最近は、あまりその辺りを信じたくても信じられない様な学校生活を送って来てる子も結構多いみたいですが・・・。
牧場主さんは、子供の頃のあのブルーな気持ちは、もう思い出せないんですね
私は、今でもかなりリアルに思い出せるんですよ。家の母が小学校2年生の時の担任に、家庭訪問の時に、私が死のことばかり悩んでいることなどを、相談していたことや、それを影でこっそり聞いていた自分のシーンとか、クッキリ思い出せたりします。
全然謝られることなんて無いですよ。
また、いつでも気軽に、どんどんお話して下さい。気の効いたこと全然言えなくて情けない私ではありますが、またお話出来るのを楽しみにしています