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「人もいない春」「苦役列車」西村賢太

2011-05-14 | 小説・漫画他

「人もいない春」
6つの短編が納められています。「人もいない春」「二十三夜」「悪夢ー或いは閉鎖されたレストラン」「乞食の糧途」「赤い脳漿」「昼寝る」。

西村さんらしいお話ばかりです^^ しょうもない~!またやっちまったのか? あ~あ、せっかく・・・。という感嘆詞が思わず漏れてしまうけれど、お馴染みなパターンで楽しめます。3つ★

貫太には、サイクルがあるらしいですね(^^ゞ 昔から好みのタイプといえば、優等生タイプの綺麗な女子で、そういった高嶺の女子と、ひどくプラトニックな恋愛をしたくなる時があるというのが、なんとも可愛らしい。

それと、同棲していた女性との日々の様子を描いた作品「昼寝る」が印象的でした。今まで読んだ西村作品が、風俗にばかり行っていた印象があったので、ひとときであってもちゃんと恋人がいて幸せな時期もあった時代の話が書かれていたので新鮮でした。
それにしても、西村さんと交際していた女性、なんて優しい出来た女子なんだろう?と私は思ったわ・・・。真面目で具合が悪くても無理をして仕事を休まない彼女。そんな彼女と自分が病気で寝込んだ時の話が可笑しくも微笑ましかったです。

人もいない春 著者: 西村 賢太 / 2010-06-30
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「苦役列車」
芥川賞を受賞した作品。
今まで幾つか西村作品を読んで来て、本作が特に優れている!とは、正直思わなかったかもしれない。とはいえ、いつもの西村節。まるで「寅さん」を見る時の決まり切った安心感というか、期待通りの内容でした。3つ★
芥川賞を取ったのも、もしかしたら最近の日本の世相とかと重ね合わせる処があったから?と思ったりもして。

本作も、怠惰でダメな男の日常が描かれています。
日雇い現場で知り合った、日下部という同年代の男に好感を持つ貫太。飲み屋や風俗に誘ったりして仲良くなるも、しばらくして日下部に彼女がいると解り、劣等感と嫉妬を感じる様になる。その彼女というのが女子大生で可愛くも無いのに、いい気になりやがって・・と、急に飲み屋で2人の暴言と悪態をついてしまい、日下部達に愛想をつかされるという、いつものお決まりのパターン。

本題作とは別に「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」という短編が入っています。
そちらは、文学賞に選ばれたいという心理が描かれています。

西村 賢太 / 2011-01-26 第144回芥川賞受賞。

「二度はゆけぬ町の地図」

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2 コメント

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苦役列車だった (存在する音楽)
2011-05-15 10:19:52
そういえば、途中まで読みかけて他の本に心を奪われていました。うーん、これをきっかけに読みなおしたいと思いましたが、今読んでいるのを読んでからします♪
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存在する音楽さん☆ (latifa)
2011-05-17 16:39:07
こんにちは、存在する音楽さん
あっ、この本、お手元にあるんですね。
私たちと、ほぼ同世代の作家さんですが、好き嫌いがハッキリ分かれそうな気がします。
私は好きとは言えないけど、有る意味すごいな・・とも思います。
存在する音楽さんは、どういった感想を持たれるかな・・・
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