「MEMORY」「dele3」本多孝好 感想

まずは「MEMORY」

『MOMENT』『WILL』の続編的小説。
3作目だけ読まずにいたことに気がつき（何故か、この本だけもよりの図書館においてなかった）、今更ですが読みました！隣町から取り寄せてくれたみたいです。
これを読むにあたって、前の2作も再読しました。

読んだ感想はというと、面白かったです。
それぞれの短編の中で、短いながらも綺麗にまとまっていて、心打つシーンがあったりします。

ただ、森野と神田の2人はあまり出て来ません。
他の人物のエピソードで脇からこっそり語られたり、繋がっていたり、という手法を使っています。


★注意　今回はネタバレであらすじや感想を書いています★


言えない言葉
うっかりボクに騙されました。
そうっか、女の子だったのね。
ガチャガチャの中に手紙（ラブレター）を入れて、窓に飛ばすって　笑
ロマンチックで良いですね。でも失敗したら大ごとだーー

君といた
ジーンとしたお話
小学校時代、イジメられていた主人公。
女子のいじめられっ子と2人で狭い体育部屋に閉じ込められたことがあった。
その後、13年が経って、ティッシュ配りのバイト中、その女子とばったり遭遇してしまい、逃げてしまう。
ラストは2人でおしゃべりする。

サークル
森野が所属していたソフトボール部で一緒だった先輩が主人公。
あの頃は輝いていたが、その後会社でリストラ担当になって精神を病んでしまい、鬱病になってしまう。
久しぶりに森野になら会いたいと、商店街に訪ねて行く。

風の名残
神田の留学時代の海外でのお話

時をつなぐ
神田の高校生の頃の初恋の相手は、現在看護師として働いている。
森野が代筆したラブレターの顛末が語られる。
ラスト、森野と神田と赤ちゃんとが3人幸せそうに病院から出る姿を目撃という一文に、やったー！
人気の教師を階段から突き落としたのは、強引に迫られたからだったのですね。

森野と神田のその後が、ちょこっと書かれていて、それが幸せな様子が見えて、嬉しかったです。
後味とても良かったなあ。
もう、このシリーズは打ち止めかな・・・
ちょっと残念ですが・・

MEMORY 2013/9/20 本多孝好
内容（「BOOK」データベースより）
葬儀店のひとり娘に産まれた森野、そして文房具店の息子である神田。同じ商店街で幼馴染みとしてふたりは育った。中学三年のとき、森野が教師に怪我を負わせて学校に来なくなった。

・・・・・・・・・・・・・

「dele3」

そんなに時間が経っていないのに、もうかなり1,2の内容を忘れてしまった状態で３を読みました。

２つのお話が入っていて、まず１つめは「リターン・ジャーニー」

★注意　以下ネタバレ★

ケイが謎のPCを残したまま失踪したと舞さんから聞く。4桁のパスワードが解らない・・・とのこと。
以前仕事で知り合ったネット・プログラミングに詳しい不登校の中学生ナナミに助けてもらって、ケイの居所を突き止めて、乱闘などありつつも、無事救い出し、お仕事も復活、なお話。

ただ、夏目というとんでもない頭脳を持つ人間を日本の外に出さないために、国家機密として大金を払っているという、壮大な内容で、私にはところどころ置いてきぼりな感覚になったのでした。

2つ目のお話は「スタンド・アローン」
通常通りのdeleのお仕事話～♪　
こういう安定の感じが、また元通りに戻って来て嬉しいな。
いつもとちょっと違うのは、前のお話で登場したナナミが参加しているということ。

今回の依頼者は？というと、優しくて誰からも好かれていて、いつも笑顔の中学生の女の子が自殺した。
未成年だったので、父の名前で登録していたのでした。
彼女の学校の友達に会いに行って、色々探る。
新聞部として頑張っていたけれど、一部生徒に嫌われていて、学校裏サイトで悪口を書かれていたことが解ります。また、彼女の両親も、それぞれ問題があったようでした。

彼女の消して欲しかったファイルは、なんと愛犬の虐待の様子でした。
誰にもうっぷんや愚痴を言えない彼女は犬にあたっていたんですね・・・。

またシリーズ4も読みたいです！
そしてドラマ版の続編も、ぜひぜひ作って頂きたい。

dele3 2019/6/14　本多孝好
故人より託されたデータを極秘に削除する会社『dele.LIFE』。その所長、坂上圭司が姿を消した。真柴祐太郎は...


dele、dele2
「at Home」「missing」
「Fine days」「will」「moment」