
老婦人が食・住が得られ介護もしてもらえると知り、刑務所に入りたいと策を練るというストーリー。人気作品で、回って来るのにかなり待ちました。
その間、この作家さんの別の本を読んでみようと思って、「ランチ酒」や「三千円の使いかた 」等を先に読んでしまったんですけれども、そちらも面白かったです。
この小説、私が想像していたのとは、かなり違った方向にお話が進みました。
とても面白かったのですが、ブラックなものを覚悟して読み始めた為、ほのぼの系なお話にちょっぴり気抜けしちゃった感も。
とはいえ厳しい現実と将来が見えない不安を描いてはいるものの、悪意や悪人が出て来ないので、読んでいて暗い気持ちにはなりませんでした。
みんな良い人ばかりで上手く行き過ぎじゃないか?って気も少々しましたが、読み終わった時の後味は良いです。
主人公の桐子さん(なにげに「さん」をつけたくなる人でした)は、良い人よね。真面目で几帳面だし控え目だし、こういう人には幸せになってもらいたいと思いました。
★以下ネタバレ★
仲良くなった女子高生雪菜。親が不仲で、それぞれ別の恋人がいるらしい。その両親に仕返ししたいとのことで、刑務所に入りたい桐子に雪菜は誘拐狂言を提案してくる。しかし失敗してしまい、雪菜の親から会う事を禁じられてしまう。でも渡すはずだったぬか漬けのところに、新しい携帯の電話番号を書いて入れてくれてた!(まるで恋人レベルよね。76才のおばあちゃんと女子高生が、こんなに仲良くなるってのが奇跡的)
あと、オフィスビルで働いているいつも冴えない風貌の若い男性久遠が、実はこの会社の経営者だった!ってのは、びっくり。彼も助けてくれるし。ラストは久遠のビルのお掃除を会社を通さず直で、かつ若干時給が上がって働く。アパートの周りをお掃除で月に5000円の家賃値引き、などなど、みんなに助けられながら出来るだけ今のまま暮らしてみようって事になりました。
あと、桐子さんと一緒に仲良く幸せに暮らした親友トモ。(もっとトモが長生きしてくれたらよかったのになあ) 彼女がモラハラな夫を食事でじびじびと早死にする様に仕向けていた、っていうオチ。これと同じのを以前何かで見た事があったので(もう何で見たのか読んだのか思い出せない)そう驚きませんでした。でもトモの息子の妻さんが気配りの出来る良さげな人で良かったわ。以上
そうそう、パチンコ屋で知り合いになったおじさんたちから紹介された詐欺師的女性のセミナーは面白かったわ。全財産を奪うのではなく2割程度にする。etc... へえー!と感心してしまった。
そのセミナーに参加していたのかもしれないダンディ三笠さんの詐欺彼女。
彼女にぞっこんに入れあげていた彼が、彼女がいなくなった(騙された事も)ショックで、別人の様に老いてしまいましたよね・・。桐子さん彼の事密かにちょっと好きだったのよね・・・。
一橋桐子(76)の犯罪日記 原田ひ香 2020/11/10
内容(「BOOK」データベースより)老親の面倒を見てきた桐子は、気づけば結婚もせず、76歳になっていた。両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らしているが、貯金はない。同居していた親友のトモは病気で先に逝ってしまった。このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。ある日、テレビで驚きの映像が目に入る。収容された高齢受刑者が、刑務所で介護されている姿を。これだ!光明を見出した桐子は、「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。
原田ひ香
「ランチ酒」「ランチ酒 おかわり日和」
「三千円の使いかた 」
その間、この作家さんの別の本を読んでみようと思って、「ランチ酒」や「三千円の使いかた 」等を先に読んでしまったんですけれども、そちらも面白かったです。
この小説、私が想像していたのとは、かなり違った方向にお話が進みました。
とても面白かったのですが、ブラックなものを覚悟して読み始めた為、ほのぼの系なお話にちょっぴり気抜けしちゃった感も。
とはいえ厳しい現実と将来が見えない不安を描いてはいるものの、悪意や悪人が出て来ないので、読んでいて暗い気持ちにはなりませんでした。
みんな良い人ばかりで上手く行き過ぎじゃないか?って気も少々しましたが、読み終わった時の後味は良いです。
主人公の桐子さん(なにげに「さん」をつけたくなる人でした)は、良い人よね。真面目で几帳面だし控え目だし、こういう人には幸せになってもらいたいと思いました。
★以下ネタバレ★
仲良くなった女子高生雪菜。親が不仲で、それぞれ別の恋人がいるらしい。その両親に仕返ししたいとのことで、刑務所に入りたい桐子に雪菜は誘拐狂言を提案してくる。しかし失敗してしまい、雪菜の親から会う事を禁じられてしまう。でも渡すはずだったぬか漬けのところに、新しい携帯の電話番号を書いて入れてくれてた!(まるで恋人レベルよね。76才のおばあちゃんと女子高生が、こんなに仲良くなるってのが奇跡的)
あと、オフィスビルで働いているいつも冴えない風貌の若い男性久遠が、実はこの会社の経営者だった!ってのは、びっくり。彼も助けてくれるし。ラストは久遠のビルのお掃除を会社を通さず直で、かつ若干時給が上がって働く。アパートの周りをお掃除で月に5000円の家賃値引き、などなど、みんなに助けられながら出来るだけ今のまま暮らしてみようって事になりました。
あと、桐子さんと一緒に仲良く幸せに暮らした親友トモ。(もっとトモが長生きしてくれたらよかったのになあ) 彼女がモラハラな夫を食事でじびじびと早死にする様に仕向けていた、っていうオチ。これと同じのを以前何かで見た事があったので(もう何で見たのか読んだのか思い出せない)そう驚きませんでした。でもトモの息子の妻さんが気配りの出来る良さげな人で良かったわ。以上
そうそう、パチンコ屋で知り合いになったおじさんたちから紹介された詐欺師的女性のセミナーは面白かったわ。全財産を奪うのではなく2割程度にする。etc... へえー!と感心してしまった。
そのセミナーに参加していたのかもしれないダンディ三笠さんの詐欺彼女。
彼女にぞっこんに入れあげていた彼が、彼女がいなくなった(騙された事も)ショックで、別人の様に老いてしまいましたよね・・。桐子さん彼の事密かにちょっと好きだったのよね・・・。
一橋桐子(76)の犯罪日記 原田ひ香 2020/11/10
内容(「BOOK」データベースより)老親の面倒を見てきた桐子は、気づけば結婚もせず、76歳になっていた。両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らしているが、貯金はない。同居していた親友のトモは病気で先に逝ってしまった。このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。ある日、テレビで驚きの映像が目に入る。収容された高齢受刑者が、刑務所で介護されている姿を。これだ!光明を見出した桐子は、「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。
原田ひ香
「ランチ酒」「ランチ酒 おかわり日和」
「三千円の使いかた 」
>みんな良い人ばかりで上手く行き過ぎじゃないか?って気も少々しました
バッカスレディと比べて書いてたので、誰しもブラックを想像しちゃいますよね。バッカスを観た後に落ち込んでしまって、とてもお口直しが欲しかった私でした。
確かに、トモがモラハラな夫を食事でじびじびと早死にする様に仕向けていた、という話は引き合いに出されました。笑い話で、添加物だらけの美味しい食事を提供し続けると、嫌な夫を早く天国へやれると講演会などで、ひところ良く聞いた記憶があって、私も同様に感じました。
期待度が高くてがっかりさせたかしら?
いえいえ、とても面白かったですよ!
原田さんという作家さんも、この本をきっかけに知る事が出来たし、教えて下さって、とても嬉しく思っています。
そういえば、しずくさんは温かい気持ちになる作品がお好みな感じ、します!
私は、そういうのも勿論好きなのですが、結構ブラックなモノも好きだったりします。毒されているのかも・・・。
そういえば、詐欺セミナーの話は面白かったというと不謹慎かもしれないんですが、なるほどな~と私も感心しました。
トモさんが旦那さんを死に追いやった手法(?)は、私は朝井まかてさんの『草々不一』の中の「一汁五菜」で読みました。
大奥の料理人である武士の、復讐劇を描いた作品で、「ひぇぇ~、こんな手段があるんだ~」と驚いたので、記憶に残ってます。
詐欺セミナー、読んでおいて良かったって思いました。将来自分もカモにされたり巻き込まれる可能性だってあるし。
まだ10代後半とか若い時に読みたかったかも(いや、詐欺しようと思ってるわけじゃなくて)
>朝井まかてさんの『草々不一』の中の「一汁五菜」
それは未読なのですよ。でも興味が湧いてきちゃった。お話して下さってありがとう!
ということは、私が読んだ小説と、まかてさんのと、本作と、少なくとも3つはあるのね。
他にも使われてるかもしれないし、割とメジャーなトリック?なのかしらね。