先日、直木賞を受賞した河崎秋子さんの事を存じておらず、道東で羊飼いをしながら書かれていると聞いて、道産子なら一つは読んでみようと思ってコレを手に取ってみました。
最初の2つ読んで、この人は文才がある、と感じました。
短めのお話なのに濃いというか、長い期間を描いてるのに薄っぺらい感じがせず、そして心理描写等も織り込んで、結構心動かされました。
特に2章目のミンクのお話が凄く良かった。
「ゴールデンカムイ」をちょっと連想させる明治頃の北海道の開拓民や新しい事業で成功したり戦争で失ったり・・のお話や現代等それぞれ時代は色々です
蛹の家
養蚕業が札幌で一時盛んだったとは知りませんでした。
最後にここが「桑園」と聞いて、ええー!そうだったのね、と土地勘があるだけに、しみじみしちゃいました。
頸、冷える
道東の茨散沼
ミンクが毛皮の為に、かつて道東で一時飼われていた・・・というのは初耳でした。
物語の構成も良くて
★以下ネタバレ★
タクシーでやってきた男が、このミンク業をしていた人なのかな?と思いきや、ミンクを逃がしてしまった少年のその後だったとは・・・。
ミンクを全て失ってしまった男性のその後はどういう人生だったのか・・・
短編なのが惜しいです。もっとこれで長いお話が読みたかった
外来種なのに北海道に野生化していついたミンクがいるのは事実なんですってね。 以上
翠に蔓延る
北見のハッカ農家のお話
一時世界一を誇ったハッカの産地だったことは知っていたし、浮き沈みの話も以前何かで見たことがありましたが、なんだか物悲しいです・・。
南北海鳥異聞
うわわ・・・ これはキツイ。
羽毛を取るのに、こんな事をしていたとは・・
鳥を殴り殺すのが楽しいみたいな感覚はぞっとしました・・・
うまねむる
腕の良い蹄鉄業の父を持つ息子。
馬が足をやられたら安楽死させて死なせる・・っていうのは昔聞いて衝撃でした。
土に贖う
江別のレンガ工場のお話
これも割と最近ですが、江別がかつて赤いレンガを盛んに作っていたというのを知りました。
ここのレンガは作るのが大変で正確に作らないと捨てになる品が出やすく壊れやすく、労力が必要なんですね・・・。
温む骨
銀行員(拓銀かなあ・・・)だった男が陶芸をしているお話
道庁の前にレンガロードが出来たそうで、いつか見てみたいな。
土に贖う 2019/9/5 河崎秋子
大藪春彦賞受賞第一作!
明治時代の札幌で蚕が桑を食べる音を子守唄に育った少女が見つめる父の姿。「未来なんて全て鉈で刻んでしまえればいいのに」(「蛹の家」)
昭和初期、北見ではハッカ栽培が盛んだった。リツ子の夫は出征したまま帰らぬ人となり、日本産ハッカも衰退していく。「全く無くなるわけでない。形を変えて、また生きられる」(「翠に蔓延る」)
昭和三十五年、江別市。装鉄屋の父を持つ雄一は、自身の通う小学校の畑が馬によって耕される様子を固唾を飲んで見つめていた。木が折れるような不吉な音を立てて、馬が倒れ、もがき、死んでいくまでをも。「俺ら人間はみな阿呆です。馬ばかりが偉えんです」(「うまねむる」)
昭和26年、最年少の頭目である吉正が担当している組員のひとり、渡が急死した。「人の旦那、殺してといてこれか」(「土に贖う」)など北海道を舞台に描かれた全7編。
最初の2つ読んで、この人は文才がある、と感じました。
短めのお話なのに濃いというか、長い期間を描いてるのに薄っぺらい感じがせず、そして心理描写等も織り込んで、結構心動かされました。
特に2章目のミンクのお話が凄く良かった。
「ゴールデンカムイ」をちょっと連想させる明治頃の北海道の開拓民や新しい事業で成功したり戦争で失ったり・・のお話や現代等それぞれ時代は色々です
蛹の家
養蚕業が札幌で一時盛んだったとは知りませんでした。
最後にここが「桑園」と聞いて、ええー!そうだったのね、と土地勘があるだけに、しみじみしちゃいました。
頸、冷える
道東の茨散沼
ミンクが毛皮の為に、かつて道東で一時飼われていた・・・というのは初耳でした。
物語の構成も良くて
★以下ネタバレ★
タクシーでやってきた男が、このミンク業をしていた人なのかな?と思いきや、ミンクを逃がしてしまった少年のその後だったとは・・・。
ミンクを全て失ってしまった男性のその後はどういう人生だったのか・・・
短編なのが惜しいです。もっとこれで長いお話が読みたかった
外来種なのに北海道に野生化していついたミンクがいるのは事実なんですってね。 以上
翠に蔓延る
北見のハッカ農家のお話
一時世界一を誇ったハッカの産地だったことは知っていたし、浮き沈みの話も以前何かで見たことがありましたが、なんだか物悲しいです・・。
南北海鳥異聞
うわわ・・・ これはキツイ。
羽毛を取るのに、こんな事をしていたとは・・
鳥を殴り殺すのが楽しいみたいな感覚はぞっとしました・・・
うまねむる
腕の良い蹄鉄業の父を持つ息子。
馬が足をやられたら安楽死させて死なせる・・っていうのは昔聞いて衝撃でした。
土に贖う
江別のレンガ工場のお話
これも割と最近ですが、江別がかつて赤いレンガを盛んに作っていたというのを知りました。
ここのレンガは作るのが大変で正確に作らないと捨てになる品が出やすく壊れやすく、労力が必要なんですね・・・。
温む骨
銀行員(拓銀かなあ・・・)だった男が陶芸をしているお話
道庁の前にレンガロードが出来たそうで、いつか見てみたいな。
土に贖う 2019/9/5 河崎秋子
大藪春彦賞受賞第一作!
明治時代の札幌で蚕が桑を食べる音を子守唄に育った少女が見つめる父の姿。「未来なんて全て鉈で刻んでしまえればいいのに」(「蛹の家」)
昭和初期、北見ではハッカ栽培が盛んだった。リツ子の夫は出征したまま帰らぬ人となり、日本産ハッカも衰退していく。「全く無くなるわけでない。形を変えて、また生きられる」(「翠に蔓延る」)
昭和三十五年、江別市。装鉄屋の父を持つ雄一は、自身の通う小学校の畑が馬によって耕される様子を固唾を飲んで見つめていた。木が折れるような不吉な音を立てて、馬が倒れ、もがき、死んでいくまでをも。「俺ら人間はみな阿呆です。馬ばかりが偉えんです」(「うまねむる」)
昭和26年、最年少の頭目である吉正が担当している組員のひとり、渡が急死した。「人の旦那、殺してといてこれか」(「土に贖う」)など北海道を舞台に描かれた全7編。
「泥臭くそしてとても力強い、それ一本やりのちょっと不器用な作家さん」という認識でしたが、この『土に贖う』で少し印象が変わったような気がします。
とは言え、重い作風なので、なかなか一気に制覇とは行かず、少しづつ読み進めています。
http://todo23.g1.xrea.com/book/keyword.html?key=%E6%B2%B3%E5%B4%8E%E3%80%80%E7%A7%8B%E5%AD%90
コメントありがとうございます
さすがですねー、以前より沢山河崎さんの本読まれていらっしゃったとは。
まだ私は一作しか読んでいないのですが、泥臭く力強いっていうのは確かにそう感じました。
タイトル作の「土に贖う」およびラストの陶芸のお話は続きものだったんですね。
他も読んでみたいと思って、さっそく適当に一冊リクエストした処です。
未読の作家さんです。
なんだか濃そうな本ですね。
私の父が北海道出身なんで、なんか他人事で読めなさそうです^^;
ん、覚悟が出来たら読みたいです。
この本、短編が幾つか入っていて、1つをサクっと10分くらいで読めたから、挫折するかも・・って思ったけど大丈夫でした。
このところ、挫折本が多くてまいってるのよ。この前も4冊借りて来て読めたのが1冊のみ。分厚い本とか周りくどい難しい本、文字の小さい本は、もう無理。
そうでしたよねー。わぐまさんのお父さんや家の母世代を思うと、大変だったんだろうなあ・・・と思う。