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ネタバレあらすじ・感想「破局」遠野遥「首里の馬」高山羽根子 芥川賞受賞作品

2020-10-04 | 小説・漫画他
2020年の2作同時芥川賞受賞作品
両方とも、そんなに凄い!とか、面白いとかは感じませんでした・・
でも、それというのも、私は文学に詳しくなく、見る目も力もないので、これら作品の良さや、キラッと光る才能に気がつけないだけとも言えます。

文藝春秋9月号に2作品が載っていたのを読んだので、作者のインタビュー、審査員の先生の声なども載っていたので、単行本を読むより面白かったかもです。
作家さんの人柄とか小説を書く姿勢や影響を与えた物や本なども解って、ふむふむ、なるほどねーって思わされましたよ。

破局
主人公の大学生は、ラグビーや筋トレでマッチョな体を持っていて、基本的にはマナーが良いというか、キチンと礼儀正しい行いを心がけています。
レストランでのトイレで前の男性が便座をあげたまま去った様子にイラっとしたり、女性には優しくしなければとか、彼なりの思考行動があります。

彼には彼女がいたのですが、今はあんまり会えていません。彼女は政治の方に進むという夢があり、それに向かって頑張っていました。
そんな時、新たな大学一年生の灯と知り合います。
灯の方から積極的に家に誘って来ますが、彼女に悪いから・・と断るも、かなり強引に呼び寄せられます。まあ、そんなこんなで、元の彼女と別れ、灯と付き合うようになります。
灯は処女だったのですが、交際を重ねて行くうちに、ありえないほどの性欲?SEX依存症に、さすがの彼もついて行けなくなります。

元彼女と別れた後、ある夜中に終電を逃してしまったから家にいさせて、と元彼女が彼の家にやってきます。今の彼女に悪いから・・と一旦断るんですが、なんだかんだと強引に元彼女が部屋に入ってしまい、何もしないと言ったのに、自分から強引に致してしまうんですよ。
(両方の女性とも、かなり強引に積極的に行動するなあ・・・)

その後、元彼女と灯が偶然会って、お茶を飲むんですが、元彼女が「この前彼の家に泊めてもらった」と言うんですよ(嫌な奴だなあ)

その件やら何やらで、灯が彼につっかかり、一緒にいたお店を出て行ってしまいます。彼は話を聞いてくれ、って追いかけるのですが、全く無関係のそこにいあわせたマッチョな運動部らしき男性が、感情的になってヤバイ様子の彼を引き留めるんですね。そこで格闘になってしまい、マッチョさんは殴られ意識を失って倒れてしまい、そこに警察がやってきて、彼を捕まえてしまう、

ざっとあらすじ的には、こんな風でした。
淡々とした口調で、いまどきの若者(年寄り表現だな)の日常や思考を見せてもらった感じでした。肉を食べるシーンが頻繁に入ったり、友人の膝とか大学生活の様子等もありました。

北海道に旅行に行って、傘に入るシーンが渾身の出来と本人が言っておられました。
私は寒い(多分、モエレ沼公園)から出て、体が冷えているだろう彼女に自動販売機で暖かいものを買ってあげたいと2台の販売機を探すも見つからないってシーンがあって、なんて優しい人なんだろうと感心しましたよ。

藤沢出身の28歳、これから作家人生が長いですね。

破局 2020/7/4 遠野遥
第163回芥川賞受賞

・・・・・・・・・・・・・
首里の馬

高山さんは、文章教室で2018年芥川賞を受賞した若竹千佐子さんとお友達で、お家に泊めてもらったことがあるほど親しい関係っていうのは驚きました。
それにしても、その文章教室の先生の根本昌夫先生って凄いなぁ。3人もの生徒が芥川賞取ってるなんて。
若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」

さて、こちらの小説は、沖縄を舞台にしていて、主人公は若い人付き合いが苦手な女性。
うーん、なんて言ったらいいか、ちょっと不思議なお話です。

沖縄の古びた郷土資料館に眠っている記録をコツコツ整理し、溜めている未名子。
中学生の頃から資料の整理を手伝っています。それは趣味であって、もっぱら生活するための細々とした収入は、世界の果ての遠く隔たった場所にいる日本語の解る外国人達にオンライン通話でクイズを出題するオペレーターの仕事をしていました。
そんなある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷いこんできて、世話をするようになります。
段々馬と馴染んで来て、最後の方は乗って移動もできる様になります。

仕事は彼女にピッタリ合う仕事だったのですが、辞めてしまうんですよね(もったいないな)
また、資料館も閉鎖し取り壊すことになります。
彼女は別に誰に迷惑かけるわけでもなく、ひっそりと、それらの活動をしていたのだけれど、他人から見れば、怖い、不気味と思われていた事に衝撃を受けます。

でも彼女が長年溜め込んだ沖縄に関するエピソードはしっかり彼女がこれからも守り続けて、いつかそれらを差し出す日が来るとしたら、それが役に立つだろう・・・・みたいな感じで終わってます。

首里の馬 2020/7/27 高山羽根子
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