原周成の下町人情話

錦糸町駅南口の「下町の太陽法律事務所」の所長弁護士が人情あふれる下町での日常をつづる

下町の名所・旧跡を訪ねて 第7回「萬年橋から中川口へ」

2013年06月22日 | 下町散歩
「萬年橋から中川口へ」第7回

 小名木川に入った行徳船が真っ先に潜る橋が萬年橋です。
<写真1>
 かってはこの橋のたもとに船番所がありましたが、中川番所ができて、寛文年間(1661~1673年)に廃止されました。現在は一片の説明版が残されているだけです。
<写真2>
 現在の萬年橋も震災復興橋として架けられたソリットリブタイドアーチ橋という個性的な橋です。江戸時代にはここには虹型に架けられた優美な橋が渡されており、葛飾北斎の富嶽三十六景中の「深川萬年橋下」として浮世絵にも描かれています。
<写真3>
 昭和30年頃になると小名木川を通る船は一日4隻ほどまで減少し、舟運はすっかりすたれてしまいました。それとともに忘れられた川になっておりましたが、現在では一部を除いて川べりに遊歩道が設けられたきれいな川に生まれ変わっております。萬年橋を東行して1キロ程行った大横川と交わる川べりからスカイツリーを眺める風景などは中々のもの。桜の季節に是非もう一度訪ねたいものです。
<写真4>
 ここから500メートル程東行すると小名木川橋を潜ります。この橋のたもとに歌川広重の浮世絵に有名な「小名木川五本松」がありました。
<写真5>
 そこには現在三本ほどの松が植えられていますが、残念ながら当時の五本松ではありません。
<写真6>
 小名木川橋からさらに400メートル程東行すると横十間川と交わり、そこに洒落たクローバー橋が架かっています。かっての小汚い小名木川を知る私には、地元の中学校ボート部の中学生たちが練習に励んでいる姿を見るなどは感動ものでした。
<写真7>
 小名木川の北側を並行して流れる竪川がほぼ原形を失いつつある現在、小名木川再生事業は水郷の町の再生のための試みとして評価したい。江戸時代水郷の町と言われていたかっての本所・深川を取り戻したいものです。

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