家内と一緒に8時過ぎに山に出かけた。GPVの予報では、全体に薄曇り
なのだが、明日の午前中予定があるので余り遠くには行けないとの
リクエストも有り、また雲の上になる事を祈って、富士山での観測だ。
【↑五合目は雲の上で、月明かりがかなり明るかった】
五合目に着くと、多少雲は浮かんでいる物の、雲の上に出て、良く晴れて
月が明るく駐車場を照らしている。昨日より天文屋さんも、一般の人
らしき車も多い。無線屋さんも何組かいた。奥の無線屋さんの隣りが
空いていたので、そこに車を止め、月没前に観測用の椅子やベット、
ついでにいつものコンデジコリメート撮影の準備もすませた。
さて、準備万端整えて月の沈むのを外で待つが、相変わらず寒い。
途中の富士五湖道路での気温表示は5度だったので、ここは0度
近いのだろうか?
一応、IXY910isで流星写真が撮れないかと、CHDKで64秒露出にして
画像が明るく成りすぎないように、ISOは800に押さえて、セルフタイマー
10枚撮りで夜空に向けた。ダーク減算が有るので、1回シャッターを
押すと、1分露出1分ダーク減算で、10枚、全部で20分ちょっとの
間の半分の時間だけ露出してくれる。ホントはダーク減算を切りたかった
のだが、910はダークノイズがでかいのと、RAWでダーク減算の自信が
無かったので、カメラに任せる事として、JPEGのみの記録だ。
そんな訳で、1回目の極大の2時頃には月も山に隠れ、辺り一面は
暗くなる。あまり多くは流れないがそれでも時折、流星が流れる。
たまに、ひょろひょろひょろっとゆっくり飛ぶ流星がある。
ああ、これがジャコビニ流星群独特の『ふわっ』と飛ぶ流星か~!
ゆっくり飛ぶ流星もいくつか見られた。
結局、私は途中からコンデジ天体撮影の準備と撮影をしながらだったので
7個ぐらい。家内は極大の2~5時位の3時間程眺めていて、10数個の
流星が見れたらしい。
910isでの成果は?
帰って、沢山の画像を見ると何枚か画像に、線状の光条が写っているが
そのほとんどが人工衛星だと思われる(光条の明るさが一定なのでたぶん
人工衛星と判断した)
1枚だけ流星と思われる物が写っていたのが↓下の写真。
全体像だと判りにくいので、水色の枠の中を拡大↓
【↑北極星の横~下を通る流星 2011.10.9 3:57 IXY910is】
丁度、北極星(写真上端の中央辺り)の横当たりから、右斜め下に
向かって光条が写っている。
それほど明るい光条ではないが、何とか1個だけ写ったって感じだ。
ちなみに光条のほとんどを占める衛星の写真の中に、ひときわ明るい
光条が見られた。これは?と思ってJAXAのサイトを調べると、やはり
ISSだ。丁度その時間最大仰角80度以上でカシオペア座の横から現れて
ペルセウス座を横切りぎょしゃ座に向かって飛んでいく様が写っていた。
【↑ペルセウス座を横切るISS 2011.10.9 4:56 IXY910is】
今まで15秒露光でしかISSを撮った事がなかったので、64秒の
こんなに長いISSの軌跡が写っているのは初めてだ。JAXAのサイトでも
比較明合成で破線状の長い軌跡は良く見るが、完全につながった長い
軌跡は余り見ないから比較的珍しい写真かも。
さて流星群はそんな感じで、多くは無いがそこそこ飛んでいる所で
昨夜の結果を元に、月没30分を目処にコリメート撮影を開始した。
薄明かりまではわずかな時間しかない。
先ずは昨日薄明かりで、少ししか撮れなかったM81/M82ボーデ銀河を
写した。
【↑M81/M82ボーデ銀河】SM-R125S/D:130 f:720 UW15mm 48倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 17コマ
撮影日:2011/10/9 03:04-03:50 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング・
彩度・レベル・サイズ調整
今回は、M81が、その2本の腕を大きく広げた銀河の姿を上手く捉える
事が出来た。M82エッジオンの真横からの銀河との対比、ハの字の
並びも美しい。
ちょっとM81/M82の撮影に時間を取られてしまい、時計の針は4時を
回ろうとしている。薄明かりは近い。
次のターゲットは、実のところ、昨日も狙っていたのだが、昨日は
比較的低い位置には雲が多くて写す事が出来なかった。
近日点を9/28に通過して、光度を落としつつあって、いつまで見えるか
判らない、45P/本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星。
とても名前を一度に全部覚えきれない。日本人の名前も冠している
その彗星。是非光度の明るいうちに撮りたいと思っていた彗星だ。
つるちゃんのプラネタリウムフリー版で赤径・赤緯を調べて入力。
スカイセンサーが止まった所で、10秒で試し撮りをしてみるが、どこに
いるか判らない。32秒にして撮っても判らない。と言うか、視野に
入ってない!多少微動を動かしてみるが、さっぱり判らない。なんで~?
何か間違ったの~??既に薄明かりが始まりはじめ、かなり焦る。
ふっと思いついて、もう一度基準星に戻して、つるプラの赤径赤緯の値を
10/9のデータと10/8のデータの間の値を入れてみる。すると彗星が視野の
中に入ってきた。良し!来た!微動を動かしながら彗星を真ん中に合わせて
やっとの事で撮影開始。既に薄明かりは始まっていて64秒露出じゃ、真っ青。
しょうがないので32秒露出で撮った物の最初の方の6枚だけをコンポジット
したのが↓下の絵。(それ以降はかぶりが酷くて尾が短くなるばかり、、)
【↑45P/本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星】
SM-R125S/D:130 f:720 UW15mm 48倍 LPS-P2使用 IXY 30S
ISO:3200 S:32秒 F:2.0 f=4.9mm 6コマ
撮影日:2011/10/9 04:31-04:36 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング・
彩度・レベル・サイズ調整
かろうじてぼうっとした緑の彗星本体と、右上に伸びる長めの尾が写った。
薄明かりが始まっている事と、32秒しか露出できない事もあって、他の人の
写真と比べてかなり尾が短く写ってしまっている。画像処理の問題もあるの
だろう。結果として、そこそこの尾は写ったものの、本来の長い尾が写せ
なくて、ちょっと残念。もう一度リベンジするチャンスは有るだろうか?
そんな訳で、すっかり明るくなったので、彗星の撮影も終了。
目の前の↑雲海と朝焼けの光を見ながら機材を撤収して、帰途についた。
まあ、流星群はそこそこ。(流星写真はイマイチだったが、、、)
M81/M82と、45Pも写せたのでまずまず良かった。
でも今日もかなり寒かったなぁ、、、
2011.10.9(10/12)
コメント一覧
くっしー
NIkon 8cm
くっしー
沼尻
くっしー
スタパオーナー
最新の画像もっと見る
最近の「天体観望・撮影(遠征地)」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事