2010年5月20日(木)「
ザ・ミュージックマン」東京千秋楽。
終演後に西川くんの
ツイッターをのぞいたら、あの人ったら、開演直前にパルプンテを唱えてたのね。
座長がかけた魔法のせいでいろんなことがあった東京千秋楽でした。
劇場に入ると、なんだかすごく人口密度が高い!
おしゃれした西川ファン、一見して舞台の世界の人とわかる人、ロビーには大勢の人があふれていた。
いつも平日の昼間に開演直前に駆け込んでたからもっと優雅な空間だったのに。
ああ、千秋楽なんだなあ。
舞台は、すごく熱が入ってた。
歌も、ダンスも、アンサンブルが舞台の隅でいろいろやってるマイムさえも。
まず最初のマリアン(彩乃かなみさん)のソロの絶品さに、さすが千秋楽と胸がときめきました。
そんな中、アクシデントが!
ハロルド(西川貴教)のコインのシーン。いつもより高くトスしたわ、あら、方角がやばいんじゃ……と思ったら、案の定受け止めそこねて、コインは容赦なく床を転がっていく。
ハロルド、それをあわてることなくことなく足でバン!
左手を開くとそこに、コインが!
この機転にはリピーター、大歓声!
以前も一度こういうことがあったけど、この落ち着きよう、根っからの舞台人なんだわ。
床に落ちたコインは、帽子で隠して登場人物に気づかれないうちにこっそり拾うという芝居までしてた。
このシーンで大盛り上がりになっちゃったので、その後ザニータは走りすぎてコケるし、ロック巡査もセリフがおかしくなっちゃうし。そのセリフもうまくフォローするハロルド。
そして、マーセラスとハロルドの「わかってる女でなくちゃ」のシーンで、マーセラスとの距離がいつもより少し遠い? と思ったら、マーセラスの投げた帽子を……キャッチ失敗!
歌いながら拾うのかなと思いきや、落ちた帽子のつばを足で引っかけて、そのまま片足だけでひょいっと投げ上げて、頭の上で見事キャッチ! 何事もなかったようにマーセラスにパス! リズム一つ狂うことなく歌とダンスは続行!
これまた大拍手&大歓声!
ほかにもミセス・パルーが豆をおっことしたりいろいろありつつ。
とにかくアマリリスとミセス・パルーとユーラリーには笑わされ、カルテットと奥様連中にはワクワクさせられ、マーセラスにはドキワクさせられ、マリアンにはうっとりさせられ、ハロルドには笑わされキュンとさせられ泣かせられ。
そして最後のあれには、ホントに叫びだしたいくらいの感激!
西川くんの頬は涙で濡れていたとか。そこまでは見えなかったけど、誇らしげで感謝に満ちた表情で会場の隅から隅まで、客の一人ひとりを見渡してた西川くん。
ああ、ほんとにこの人のファンでよかった。
カーテンコール。
全員で出てきて、マイクをとった西川くんは、無事に東京千秋楽を迎えられたお礼の後、何も考えてないので、代わりにキャスト一人ひとりに挨拶してもらいましょう、と、まずは市長(佐渡稔さん)に振る。
まさか振られるとは思ってなかった佐渡さん、聞いてなかったのか、周りに言われて押し出される。
「シチョーーー!」と歓声が飛ぶ。
佐渡「帽子をかぶるときカツラごととれたり、奥ではいろいろあった舞台でした」
その話しぶり、ゆかいな方なんですよね。登場シーンでは怒ってばかりだけど、挨拶してもらえてよかった。
この後から順番があやふやですが……
マーセラス役の植木豪くんに何かおもしろいことしゃべってとむちゃぶりするドS西川。明らかに困惑する植木くん。アドリブのきかないまじめな方のようで(笑)。しようがないからチャーリー役の今井ゆうぞうさんを呼んで「お前ら二人で何かやれ」。
呼ばれて嬉々として前に出てきたゆうぞうくんは、マーセラスが両手を開いて観客をあおるあのシーンがうらやましかったと言いつつ、同じポーズでステージを駆け回り、会場は大盛り上がり! 完全にゆうぞうオンステージ!
憎まれ役のうっぷんを一気に晴らせたね。
植木くんは、「兄さんには毎回口の中に手を入れられました」「人の手ってここまで入るんだなって」。
西川「ここまで入りましたからね」
手首を指してうれしそうに答える西川くん。
座長がこんな人でごめんねえ、植木くん(^_^;)。
ユーラリー役のうつみ宮土理さんは、何の脈絡もなく、振られたわけでもないのに、いきなり「黒柳徹子の真似ができますよ」。
え、なぜ? ポカンとする西川くんの前で、徹子さんになりきって、
「西川くんってすごい鍛えてるのよ、すごい筋肉なのよ、大好きなのよ」
……似てる!!!(でもなぜ今ここで黒柳徹子?(笑))
モノマネ、カンパニーの中で流行ってるのか(笑)。
西川くんはマリアン本人の目の前で「手をバッテンにする曲を弾いてらっしゃい!」とかやってたし。
ミセス・パルー役の竹内都子ちゃんには「毎回、笑いの神がおりているミセス・パルーです」と紹介して、火打ち石を蹴とばしてるとか、伝票にサインするシーンの豆とか、「あんなの、稽古中にはなかったけど?!」「自分だけおもしろければいいと思って!」で爆笑をとる西川座長。(そうそう、そういうのがいつの間にか加わって爆笑倍増だったのよね)
最後はマリアン役の彩乃かなみさん。
ここまで一人ずつ爆笑をとってるので、かなみさんも何かおもしろいことをみたいな感じで西川くんに促されて、
かなみ「そういうの苦手だって知ってるじゃありませんかっ!」
焦りまくるかなみさん。
西川「ではゴリラのモノマネを。生まれたてのゴリラが初めてバナナ食べるとこ」
「皆さん、宝塚元娘役トップ、彩乃かなみが芸歴の中で初めてゴリラのモノマネを披露します」
無理~~~~!!!
会場中がそう思ったね。
当然のごとく激しく拒否して、おだやかに挨拶してくれました。
ああもう、こっちが焦ったわ。座長がこんな人でごめんねえ、かなみさん。
(でも、これだけじゃ終わらなかったんだよねえ)
さらにカーテンコール。
一人で出てきた西川くんは、静かに話した。
畑違いの人間がなんでミュージカルなんて…と言われることもあるけど、「真剣にやってます!」と。
舞台に立つ人間としての覚悟を粛々と述べる西川くんにじーん。
そして「僕の大切なバンドメンバーを呼びます」と言って、
「来いよ!」
集まってくるキャストに大歓声!
西川くんの一声で、会場中が一つになる。そんな瞬間をミュージカルでも味わうとは!
西川座長がもうひとわたり挨拶をして、最後に
西川「では、生まれたてのゴリラで幕を閉じさせていただきます」
ドン! とかなみさんを前に突き出した!
舞台が暗くなり、かなみさんにスポットライト!(照明さんまで……)
次の瞬間、私たちは目を疑った。
……やっちゃったよ、かなみさん。
腰を少し落としてたどたどしい手つきでバナナの皮をむいてるしぐさ。
そ、それは、ひょっとしてゴリラのつもりですか?(^_^;)
かなみさんのこの勇気(無謀ともいう)に大喝采!
西川くんは、そのあまりの拙さに見てられないとばかり「もういいっ!」と叫んでかなみさんの首ねっこを捕まえて後ろに引き戻した。
一生懸命やったのに(笑)。
大爆笑と大歓声と大きな拍手の中で幕がおりて、「本日はご来場いただきまことにありがとうございました」のカゲアナが入った。
でも鳴りやまない拍手。
「本日はご来場いただき…」
二度目のカゲアナが入っても、かまわず拍手を続けるうちら。
「本日はっご来場いただきっ…」
なんだか語尾に頼むから早く帰ってくれってのが含まれてるような三度目のカゲアナが入っても、かまわず手をたたき続けるうちら。
根負けしたかのように幕があいた。
西川くんは1人で出てきた。
そして、うちらをビシッと指さして
「また会おうぜ!」
うわぁっ!
これが聞きたかった!
ありがとう、西川くん! いや、ハロルド!
さっきまであれだけ粘ってた客は、ささっと身支度して劇場を後にしたのでした。
西川くんは、再演できればいいんだけど的な話もしてました。
それはつまり、「再演希望」とうちらが声を上げろということね?
オッケー!
てことで、帰りにアンケートに切々と再演希望を訴えてきました。