2012年4月21日、午後3時。
ニコニコ生放送とGyaOで生配信された
STAND UP! JAPANのチャリティー番組は、ライブ会場の映像で始まった。
薄暗いライブ会場の客席で、スタッフやサポメンと一緒に黙祷をする西川くん。
これは多分、今年の3月11日の石川県小松市、こまつ芸術劇場うらら。
一番自分らしい場所でこの日を迎えることにしたと西川くんは書いてた。
VTRがあけてまず西川くんのメッセージ。
書き起こしてみたよ。
西川貴教です。今年の3月11日の午後2時46分、君はどこで誰と何をしていましたか?
そして東日本大震災から1年以上たった今、あなたは何を思い、何を考え、被災地や被災された方のために何ができると思いますか?
今、自分に何ができるのか。このことについては僕自身、この1年間、自問自答をくり返してきました。
震災の起きた昨年の3月、僕はT.M.Revolutionのデビュー15周年に合わせた長期間にわたる全国ツアーをスタートさせるはずでした。そしてちょうど昨年、このSTAND UP! JAPANの特別番組を配信した4月上旬頃には、震災で被害に遭った青森の八戸、宮城の栗原を回る予定でした。しかし結果的にはその2ヶ所はもちろん、8月に行われるはずだった福島県いわき市での公演も無期限延期となりました。
その後、ツアーは阪神淡路大震災で大きな被害のあった神戸から再開できたものの、再開までは、あの状況でツアーを再開することの意義に悩んだり、自分が音楽しかできない人間であることに無力さを感じる部分もありました。
どうしたら自分が被災地の皆さんの力になれるのか。
そう考えてこの1年間、自分で立ち上げたSTAND UP! JAPANの活動の一環として、ツアーで回る全国の津々浦々で被災地の皆さんへ義援金を募らせてもらうのはもちろん、それとともに元気を集めると誓い、その集めた元気を音楽とともに被災地へ届けられる日を夢見てツアーを続けてきました。
その結果、多くの方のご協力のおかげでこの1年間の募金の総額はなんと1億円を突破しました。そして今年に入って多くの方のご協力によって、無期限延期となっていた八戸、いわきで音楽を届けられる環境が整い、ライブを実施することができました。
ここでもうひとつのライブ会場の映像。3月31日のいわき公演でのMCだと思う。
LIVE REVOLUTIONをこうして福島で、いわきでできていること、また今日本当にたくさんの皆さんに集まっていただいて、ありがとうございます。いろいろお話ししたいことがたくさんございますが、とりあえず、こうやってまず来れて、みんなの顔見れて、すげぇ今ホッとしてます。
そんな気持ちの中でこの1年間ずっと、振り替えになったいわきや栗原や東北のみんながどんなふうに頑張ってるのか。そうやってみんなで頑張ってるところに、俺は何ができるのかななんていろいろ考えながら全国ずっと回って、今ここの場所にたどり着いてます。
そのツアーの中でT.M.Revolutionがやるべきことみたいなものをもう一回ちゃんと考えさせてくれたこの曲をみんなに贈りたいと思います。「09(nine) Lives」。
歌の前でVTRは切れ、再び西川くんのメッセージ。
このいわきでのライブに続いて先週末、ついにこれまでなかなか音楽を届けられる状況になかった栗原でもライブを行い、それを昨年から続けてきた全国ツアーのファイナルとさせていただきました。
これでこの1年間で僕個人としてできる被災地へ音楽とともに元気を届けるという一つの目的をなし遂げることができました。
現実的に被災地の皆さんの復興への闘いはまだ始まったばかりです。
未曾有の大震災の被害に遭った方々には今後もまだまだ支援が必要です。
まだまだ被災地の皆さんへ向け、日本中の気持ちと力を一つにしなければなりません。
震災から1年。さらなる闘いへ向け、気持ちを新たに、もう一度立ち上がりましょう!
これからもずっと、思いを一つに。
STAND UP! JAPAN!
スタジオには、西川くんを助けてくれるいつものメンバー、SHOGO、グローバー、土屋礼央、そしてMICRO。和気あいあいとした雰囲気の中、募金の告知をしたり、チャリティーオークションに出品するものを持って集まってくれたゲストを迎えたり、生ライブを披露してくれる方がいたり。VTRでメッセージを寄せてくれてる人も含めて、去年のキックオフのときにも来てくださった方も多く、口をそろえて続けていきましょうとおっしゃっていた。
音楽関係はもちろん、アイドル、お笑い芸人、アニメのクリエイター、声優さん……とにかく顔ぶれが多彩。
最初のゲストは田原総一朗さん。ご自身が描かれた西川くんの似顔絵(ひこにゃん付き)が衝撃!
http://openuser.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/standupjapan_charity
中央共同募金会の方が集まった募金がどのように被災された方に届けられたのかのわかりやすい説明もあった。
そして、今回の番組で最も注目すべきは、土屋礼央くんのレポートでした。
被災地に日帰りで行って、現地の自治体の方、住民の方に話を聞いてくるという企画。
仙台まで新幹線で行って、そこから陸前高田市までバスで行く。仙台は普通に朝の都市だった。それが、バスに乗り3時間走ると、車窓の景色が一変する。建物の姿がなくなり、大きな船まで。ニュースでよく見た奇跡の一本松。そして延々と続く瓦礫の山。
仙台駅前ではリポーターよろしくよくしゃべってた礼央くん、言葉がまったく出ない。ニコ生のコメントも急に黙ってしまった。
陸前高田市では市役所の被災者支援室の小野田さんに礼央くんが直接お話を聞いていた。
義援金は届いていますか?の問いに、ちゃんと届いていると、そしてどのように配分されているか答えてくれていた。でも、その義援金はだんだん減ってきていると。復興計画は8年間かけて新しい街を作るというものだった。8年って……。小野田さんは最後にこうおっしゃった。
「一番怖いのは忘れられること。支援に感謝しているが、現地はこういう状態だということを伝えてほしい。忘れないでいてほしい。たまに思い出してほしい」
次に礼央くんは、津波で何もかも持っていかれて何もなくなった平地(ひらち)に花畑を作っているという吉田さんという女性のもとへ。何もない土(砂?)の上に、咲くパンジーなどの花々。チューリップのつぼみ。
吉田さんはおっしゃった。「なければ絶対生活できないというわけではないけど、心がほっとすることにつながれば復興のパワーにつながると思うんです」そして、「今、更地にしてるからやっとスタート」と。そして義援金をもらう人の気持ち、プライドもあるけど、いただければ前に進めるということも話してくださった。
番組を見ている若い人にメッセージをと聞くと、「心が一番大事なので。心を被災地の方にいつも向けててもらえると、必ず届きますますので」。
そして、この方も「忘れられるのが一番怖い」とおっしゃった……。
礼央くん、お疲れさまでした。すごくいいレポートでした。
この映像、あらためて配信してくれないかな。たくさんの人に見てほしい。
7時間、笑いや歌でつなぎながら、いよいよフィナーレは西川くんの出番。
去年欠席だった岸さんも参加してa.b.s.の4人が勢ぞろいで「キミノウタ」。
途中、去年歌ったときに涙で詰まった箇所で、泣くんじゃないかと思った。西川くんが…、いや、私がか? でも西川くんは歌いきった。すごく気持ちのこもった歌だった。
キーボードを岸さんから大島こうすけさんにバトンタッチして、次はなんと「チカラにかえて」。
消臭力のCMソングだけど、西川くんが一人で歌うとホントにもう、力強さと優しさと……心が震える。
CD化してほしいというリクエストがファンの間で盛り上がっているけれど、契約とかなんとかそんなの乗り越えてチャリティーとしてぜひお願いしたい。
そして最後は「HEART OF SWORD」。
力強い歌だった。手拍子して、一緒に歌った。
ところで、STAND UP! JAPANのロゴ、「2011」の下に小さく「since」と入っているの、知ってた?
ロゴを担当してるデザイナーの大岩Larry正志さんに、西川くんは「2012にするのは違う、2011を忘れないために」と「since」をつけるよう言ったのだそうだ。歌った後、大岩さんとそんな話をしてた西川くん。ごめん、気づいてなかったよー。
これからも続けていくためにどうしようという話も真剣にしていた。
被災地に行きたいとも。
今後のSTAND UP! JAPANに期待です。
とりあえずはチャリティーオークション。それから不用なブランド品を売って任意の金額を寄付できる新しいチャリティーも登場してます。
終了は夜の10時過ぎ。
ニコニコ生放送とGyaOで放送されたわけだけれど、ニコ生の方は最終的にアクセスが10万を超え、寄付されたポイントは51万ポイントを超えました。
西川くん、お疲れさまでした。出演者の皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。これからも頑張ってね。
私も続けていきます。