* 那珂川中学校体育会（第４３回）

昭和４３年３月の卒業以来、久々に母校、訪れてみました。
卒業後に成人式の会場として訪れて以来、実に２度目の訪問になりますが、申し訳ない程の御無沙汰に、校門をくぐると懐かしい思い出で、いっぱいでした。
学校の側を車で通り過ぎる事はあっても、立ち寄る機会もなく、今日（こんにち）を、迎えてしまった訳ですが、今日は他でもない素敵なイベントを見る為に訪問したのです。
私が通ってる「西日本吟詠会・亀井神道流・岩戸扇陽会」 http://kamei.dee.cc/index.html の、幼少年部の生徒さんが、中学校体育会では既に、お馴染みの‘騎馬戦’で「川中島」を吟詠すると言うのです。

タイミング良く吹き始めた強風に舞う砂嵐の中、堂々と登場した騎馬が整列すると間もなく「鞭声～・粛々～夜・河を渡るぅ～・・・♪」と、３年生の井上君の朗々たる吟詠が始まります。
剣道の上下白の道着に身をまとい、左手には詩文を書いた扇子を携え、素晴らしい吟詠でした。
先ほどまで騒々しかった会場が一瞬、水を打ったような静けさに返り、満場の拍手喝采であった事は、言うまでもありません。

体育会の日程に押されての練習不足や、変声期のハンディを、ものともせず見事、皆の期待に応えてくれた井上君の逞しい成長に目頭が熱くなりました。
思えば、詩吟に通う姉妹に連れだって教室に顔を出してた、あどけない幼稚園の頃・・・つい、昨日の事のようです。
きっと傍らにいらした御両親や、詩吟の小松先生も思いは同じだった事でしょう。

それにしても、騎馬戦のオープニングに「川中島」を吟詠すると言う、この粋な？計らいには、脱帽ですッ！
きっと、古代、合戦の前には士気を高める為、こうやって吟じられてたのかも？知れませんが、まるで戦国の世にタイムスリップしてドラマでも見てるようでした。

少なくとも私達が在校してた４０年ほど前の体育会には有り得なかった光景ですが、時代の波？と言うか、その時々でのアドリブ的、柔軟な対応の発想に乾杯！です。
詩吟と言う、まだまだマイナーであるかのような未知？の分野が、この機会に少しでも皆さんの心に響き、古典文化の継承に役立つ機会になれば、勇気ある英断なされた教師の方々へのエールにも繋がる事でしょう。

写真は、またとないチャンスに、地元ケーブルテレビの取材も、かぶりつき？での収録光景です。
後方には、コンダクターで伴奏しながら温かく見守る、優しい小松先生の姿があります。
きっと、今頃はケーブルテレビのローカルニュース放映で、茶の間を賑わせてる事でしょうが、我が家のテレビでは拝見出来ないのが残念です。